代数的構造 (ちくま学芸文庫 ト 13-1 Math&Science)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480094179

作品紹介・あらすじ

よく似たしくみをもつもの同士を同じものと見なす「パターン認識」。それは数学的な構造としては20世紀に深化発展した。数や多項式、関数などから、群・環・体などの有用な構造が取り出された。本書は抽象代数の基本概念を、歴史的背景をおりまぜつつ、ていねいな叙述でひもとく。随所に登場する卓抜な比喩は理解を助け、ガロア理論の意味まで望見させる。「体Σ/Kは地上に生えている大木に似ている。…基礎体は木の根に当たる。ガロア群は木を揺さぶる外からの力に比べられる」「秘密を探るのに、まずそれを揺さぶってみる…ここにガロアの理論のもつ射程の大きさがある」と。

感想・レビュー・書評

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  • 系推薦図書 総合教育院
    【配架場所】 図・3F文庫新書 ちくま学芸文庫
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=188831

  • 代数の大学レベルの教科書。
    これまで理解が不十分だったところに新たな解釈が見出せ、有意義な気づきを多く得ることができた。
    しかし、いくつか行間が空きすぎていて、理解に戸惑ったりする箇所もあり、氏の最大の持ち味である教育的な役割を十二分に果たしていたかと言われると全力で肯定はできない。
    構造の哲学的な意義の掘り下げも十分とは決して言えない。
    誤植がある。

  • これは........すばらしい。

  • 環に入ったあたりでついていけなくなった…
    かなりコンパクトに書かれているため、読んで理解するにはそれなりの素養が必要。もう少しベーシックなところをもっとしっかり理解する必要があることがよくわかった。

  • 事物の構造を数学的に捉えることから数学自身の構造を考えることへとつなげる.“同型の模様とは”といった具体例から写像を説明し,群環体へと広げ,最終的にはガロア群の話へとつなげていく構成.群環体とガロア理論をコンパクトに解説した本.ただしガロア理論はエッセンスを凝縮したような内容で,これでガロア理論を理解できるかというと難しいと思う.
    「最小の体の素体は要素2で(TとFで表す)記号論理学と深い関係がある」とか作図問題と代数といった興味深いネタが数多く含まれ,数学的構造の話そのものを知るというより,こうした数学の土台が他の分野とどういう関係にあるか,を知ることができて面白かった.普段使用している数学そのものを数学で考えいく,そんな過程が面白い.

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著者プロフィール

遠山 啓(とおやま・ひらく):1909-79年。熊本県生まれ。東京大学数学科に入学するも退学、のち東北大学数学科を卒業。海軍教授をへて東京工業大学教授。数学教育への関心から民間教育団体「数学教育協議会」を結成、長く委員長をつとめた。数学教育の理論と方法を開発・提唱し、その水道方式、量の理論などは、教育現場に大きな影響を与えた。著書に『無限と連続』『数学入門(上・下)』(以上、岩波新書)、『代数的構造』『現代数学入門』『代数入門』『微分と積分』(以上、ちくま学芸文庫M&S)『競争原理を超えて』(太郎次郎社)などがある。教科書や雑誌の創刊にも多く関わった。

「2023年 『初等整数論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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