代数的構造 (ちくま学芸文庫 ト 13-1 Math&Science)
- 筑摩書房 (2011年12月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480094179
作品紹介・あらすじ
よく似たしくみをもつもの同士を同じものと見なす「パターン認識」。それは数学的な構造としては20世紀に深化発展した。数や多項式、関数などから、群・環・体などの有用な構造が取り出された。本書は抽象代数の基本概念を、歴史的背景をおりまぜつつ、ていねいな叙述でひもとく。随所に登場する卓抜な比喩は理解を助け、ガロア理論の意味まで望見させる。「体Σ/Kは地上に生えている大木に似ている。…基礎体は木の根に当たる。ガロア群は木を揺さぶる外からの力に比べられる」「秘密を探るのに、まずそれを揺さぶってみる…ここにガロアの理論のもつ射程の大きさがある」と。
感想・レビュー・書評
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系推薦図書 総合教育院
【配架場所】 図・3F文庫新書 ちくま学芸文庫
【OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=188831詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
代数の大学レベルの教科書。
これまで理解が不十分だったところに新たな解釈が見出せ、有意義な気づきを多く得ることができた。
しかし、いくつか行間が空きすぎていて、理解に戸惑ったりする箇所もあり、氏の最大の持ち味である教育的な役割を十二分に果たしていたかと言われると全力で肯定はできない。
構造の哲学的な意義の掘り下げも十分とは決して言えない。
誤植がある。 -
これは........すばらしい。
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環に入ったあたりでついていけなくなった…
かなりコンパクトに書かれているため、読んで理解するにはそれなりの素養が必要。もう少しベーシックなところをもっとしっかり理解する必要があることがよくわかった。 -
事物の構造を数学的に捉えることから数学自身の構造を考えることへとつなげる.“同型の模様とは”といった具体例から写像を説明し,群環体へと広げ,最終的にはガロア群の話へとつなげていく構成.群環体とガロア理論をコンパクトに解説した本.ただしガロア理論はエッセンスを凝縮したような内容で,これでガロア理論を理解できるかというと難しいと思う.
「最小の体の素体は要素2で(TとFで表す)記号論理学と深い関係がある」とか作図問題と代数といった興味深いネタが数多く含まれ,数学的構造の話そのものを知るというより,こうした数学の土台が他の分野とどういう関係にあるか,を知ることができて面白かった.普段使用している数学そのものを数学で考えいく,そんな過程が面白い.