古代地中海世界の歴史 (ちくま学芸文庫 モ 16-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480094957

作品紹介・あらすじ

古代地中海は、大小さまざまな文明が興亡をくり返し、衝突と融合の華々しいドラマをくりひろげた舞台だった。文字や法制度など、人類最初の文明の萌芽を伝えるメソポタミア。強大な王権のもと、高度で謎に満ちた文化を築きあげたエジプト。わずか数世紀とはいえ、栄光を極めたギリシア。これらすべてをのみこんで世界帝国を築いたローマ。そうした巨大文明の狭間で興っては消えていった数々の民族。そしてキリスト教世界の成立まで。本書では個々別々に語られてきた各文明相互の対立・交流・影響関係に注目、美術作品をはじめ、多くの図版とともに、歴史の躍動を大きくつかむ。

感想・レビュー・書評

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  • 優しい語り口で教科書的内容が説明されるので、あっさり読み切れる。無論、新たな発見はない。

  • MR1d

  • 西欧古代史が広く浅く整理されていて短時間に知識を整理するのに役立つ本です。

  • とてもわかりやすく面白かった。流れが頭に入ってくるし、民主制、共和制、専制などへの移行もなぜそうなったか流れがあるのでわかりやすかったです。それにしてもなぜ偉大な人物の血縁後継者はろくでもないのが多いのだろう…と思ってしまった!

  • 教科書のような歴史本。興味があったシュメール人やバビロニア王国、海の民や騎馬民族などの民族の事や文字について。オリエント美術からギリシア美術など彫刻や絵画や建築の写真満載で分かり易い。帝王の姿がわかる彫刻は時代を経ても残ってたのは文化遺産と言える。

  • 前半はかなり概括的、羅列的な印象でしたが、後半になるほど面白かった印象。社会状況と絡めた美術についての項、最後のローマ帝国衰亡についての考察などが特に楽しめました。個人的に、アレクサンドロスとその後のヘレニズム時代について記述のある手持ちの本がなかったので、その点も助かった。

  • 紀元前4000年紀からおおよそ西ローマ帝国滅亡の5世紀ごろまでの地中海世界(地中海沿岸~メソポタミア地方)までの歴史の概説書である。

    知られている中で最も早くから文明が発生、成熟した地中海世界の古代史を、広く浅く、大づかみに概観できる本書の企画自体が既に素晴らしい。
    更に共著者による美術史への目配りも怠らない。

    文章は平易で簡明、地図や図版も多く分かりやすい。
    特に、やはり著者の本領たるローマの歴史に入ってからは、端正ながらも躍動感ある記述はなかなか読ませる。
    一方で前半の古代メソポタミア・エジプトあたりの記述は、どちらかといえば史実の羅列に近い部分もあり、時系列や民族・都市興亡の簡単な背景を整理する域を出ないか。

    いずれにせよ、ミクロ過ぎない本書のテーマ設定は素晴らしく、この時代の各文明について興味を持っている人にとって、その前後の経緯を気軽に学習できる好著だと思う。

  • ☆彡古代地中海世界の解説

    〈概要〉
    ・はじめに
    ・地中海世界の古層 前4000~前3000年紀
    ・地中海世界の激流 前2000年紀
    ・諸民族の波動 前2000年紀末~前1000年紀初頭
    ・世界帝国の出現 前1000年紀前半

  • 地中海を中心に据えて、紀元前4000くらいから476年西ローマ帝国滅亡まで。
    250ページ程ですが、通史として、良くこなれています。
    ギリシャローマだけでなく、オリエント史も詳しい。
    平家物語では無いですが、栄枯盛衰なんですね。

  • メソポタミアから始まって西ローマが崩壊するまでを1冊に纏めた、読みやすくて良い本。
    何よりも地図が多いのが素晴らしい。少なくとも10Pに一度は入るから、自分の様な初心者には位置関係が把握しやすかった。
    入門と復習に最適じゃないかと。

    同じ著者だから仕方ないのかもしれないけど、中公の「世界の歴史5」と記述がほぼ同じ箇所があるのはどうかとは思いますがw

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著者プロフィール

1947年 熊本県生まれ
1980年 東京大学大学院人文科学研究科博士課程(西洋史学)修了
現在 東京大学名誉教授
西洋古代史。『薄闇のローマ世界』でサントリー学芸賞、『馬の世界史』でJRA賞馬事文化賞、一連の業績にて地中海学会賞を受賞。著作に『多神教と一神教』『愛欲のローマ史』『はじめて読む人のローマ史1200年』『ローマ帝国 人物列伝』『競馬の世界史』『教養としての「世界史」の読み方』『英語で読む高校世界史』『裕次郎』『教養としての「ローマ史」の読み方』など多数。

「2020年 『衝突と共存の地中海世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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