文章心得帖 (ちくま学芸文庫 ツ 4-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480095800

感想・レビュー・書評

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  • 以下抜粋~
    ・文章を書く上で大事なことは、まず、余計なことをいわない。次に紋切型の言葉をつきくずすことだと思う。

    ・私にとっては、花田清輝、竹内好、梅棹 忠夫、山田慶児といった人たちの文章は、自分に陥りやすい紋切型をつきくずす助けになる。

    ・文章の理想の三つの条件
    第一は誠実さ
    第二は明晰さ
    第三はわかりやすさ

  • f.②2024/2/19
    f.①2013/11/30
    p.2013/11/8

  • 【紋切り型な表現を避ける[紋切り型な表現を避ける(紋切り型な表現を避ける)]】紋切り型。

  • タイトルにある通り、どのような文章が理想的なのかということを、著者視点から分析した一冊。著者は冒頭で、理想的な文章の条件として「誠実さ」「明晰さ」「わかりやすさ」の3つを挙げる。列挙されると当然のことのように思えるが、改めて振り返ると、この世には「イカが墨を吐いて自分の所在をくらます(p.38)」ような文章がいかに多いかということに気づかされる。自身の主張や考えが明確でないことを隠すために、学術用語などを多用し、あえて曖昧な論理構造を描き出す、あれである。
    また、著者は所々で「紋切り型」という言葉を使う。これは簡単に言うと、決まり切った型としての文章ということであり、著者はこれを多用することに苦言を呈す。その根底にあるのは、自身の言葉ではなく、都合の良い言葉の切り貼りをしている文章が散見されるという危機意識があるのだろうと思う。
    しかし、その一方で著者は「文章には、絶対的な法則などありません(p.51)」とも述べる。文章の良し悪しは書き手のパーソナリティや文脈、文章のリズムなどによって決定づけられるため、一概に言うことはできないのであろう。個人の感覚として、本書の根底には「自らの言葉を紡ぎ出す、それに忠実であれ」というメッセージがあるのではないかと思う。紋切り型に流れない、混沌の中から文章を選ぶ、不必要な修飾語は省くなど。極めてシンプルであるが、同時にじわじわと効いてくる一冊になるように感じた。

  • 鶴見俊輔さんの「文章読本」。たくさんのヒントと同時に、捉えどころのない部分も多いのだけれど、「『火器注意』ではなく『火の用心』」という解説(加藤典洋)を読んで腑に落ちた。

  • writing

  • 評論やエッセイを書くときの文章の心得みたいなもの。書いた時の心持ちとか印象についてがメイン。紋切り型にならぬよう、誠実で明晰な文章をって感じかな。もちろん、紋切も又、文章のムダも時として効果的だったりするというような留保がきちんとあったりする。押し付けがましくなく、さらりとしていい感じだった。

  • 151105
    物書きになりたい人にはきっと役立つ。30年前の本だが、ブログを書く参考にもなりそう。
    鶴見さんが開催している講座が元になっていて、受講生の書いた課題文と鶴見さんのアドバイスが豊富に載っている。文章の直し方がわかりやすい。
    印象深いのは「紋切り型を使わない」という工夫。「真に」など、自分もよく使ってしまう。

  • 言葉のリズム、文章の流れが心地よい本でした。

    文章力を上げたいと思い手に取りました。
    無駄を削ぎ落とすこと。
    明確な表現をすること。

    自分にできるかどうかはわからないのですが、この本を読むことを通して感じた気持ちのいい文章の流れは心に残るものでした。

    鶴見さんの他の本も読んでみたくなりました。

  • 再読

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著者プロフィール

922−2015年。哲学者。1942年、ハーヴァード大学哲学科卒。46年、丸山眞男らと「思想の科学」を創刊。65年、小田実らとベ平連を結成。2004年、大江健三郎らと「九条の会」呼びかけ人となる。著書に『アメリカ哲学』『限界芸術論』『アメノウズメ伝』などのほか、エッセイ、共著など多数。『鶴見俊輔集』全17巻もある。

「2022年 『期待と回想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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