言葉をおぼえるしくみ: 母語から外国語まで (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480095947

感想・レビュー・書評

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  • 難しかった〜〜。
    論文等、難しい文章を読み慣れているような方からしたら読みやすいのでしょうが、普段エンタメ小説ばかり読んでいる私には読むのが大変でした。
    しかししかし、内容はちゃんと理解できて、とても興味深かったです。
    普段当たり前に話している日本語ですが、たしかにこのクオリティで話せているのすごすぎるよな〜と思いました。
    ぱっとわかりやすく印象的だったのは、実験の方法が素晴らしいなあということです。
    界隈の方からしたら当たり前なのかもしれませんが、実験を正確に行うということ自体がそもそもとても大変なことだと気付きました。
    今後も言語に関する本は読んでいきたいと思います。

    ---
    一つ一つの単語の意味を学ぶと言うことは単語が属する意味領域全体のマップの中でその単語の位置づけを学び,さらに領域の中で隣接する他の単語とどう違うのかを理解し,他の単語との意味範囲の境界を理解することであることは,外国語を学習する時にも同じである。
    ---

  • 主に、子どもがどのように言葉を覚えるかについて、実験結果とそこから読み解けることを丁寧に積み上げながら解説する本。

    文法書も解説もない中で、子どもが音を頼りに言葉を覚えていくことのすごさは感動的だし、それを実験を積み重ねながら明らかにしていく研究者たちもすごいなと思った。私は実験の話を読むのは好きなので楽しかったけど、結論が早く知りたい人は遠回りに感じる本かも。

    外国語学習に関する記述は相対的に少なく、
    ・英語、中国語、日本語母語の子どもが何を手がかりに言葉を理解していくかの違い
    ・外国語学習者の外国語運用能力チェック

    などを通して、

    ・子どもは各言語に適応した言語理解をしており、その知識を駆使して語彙獲得をすること、
    ・外国語学習者は母語の言語理解を無意識に外国語にも当てはめてしまうので、うまく運用できない場合が多い、

    ということが書かれてあった。

  • 子供がどのように言語を習得しているのかという問いを、さまざまな実験を行いその考察をまとめた書籍。

    今井先生の書いた本を何冊か読んだ状態でこの本を読むと、同じような話を想定読者のレベルを変えて書いている感じが否めない。
    今井先生が専門としている分野なのは分かるけど、内容はほぼ同じで詳しさが違う本がいくつかあり、その中でもこの本は専門的な書き方をしていることもあって、すでに読んだ内容を難しく書いているように感じる。

    この本の内容を専門知識がない人のために書いたのが『言語の本質』や『ことばの発達の謎を解く』などの他の本なので、一般人にはそちらだけで十分だと思う

  • 実験の説明は文章で長々されても分かりにくいが、図があるので直感的に理解できた。幼児が母語を習得していく過程を様々な実験を通して明らかにしていっており、そういう方法でそういうことが分かるのか〜と感心しっぱなしであった。

  • 引用している実験がどれも疑問符のつくものばかりで、さらに文章は専門用語、それも飛び切り覚え難いものだらけなのに加え、接続詞を多用するため、暗号の解読でもしているかのような錯覚を覚える。筆者曰くは心理学からのアプローチらしいが、うんんん、心理学ねぇ……
    仮令難しくても、理解した先に膝を打つような発見なり気づきがあればまだしも、理解したところで「まぁ、それはそうやろな…」と、読んでいるこちらが気まづくなるような結論ばかり。
    しかもその結論に至るまでが非常に長い。これが結論かなと思うと「しかし…」「だが…」「そうはいうものの…」ひっくり返してそれもまたひっくり返されて、いつになったら終わりが見えるのか、モヤモヤイライラばかりが募る、精神衛生上よくない書き方が続く。
    外国語と非母語は概念上ちがうと、言語学的にはよくいわれると思うが、この筆者は心理学者的アプローチをとるからなのか、可也それを無視している。そのほかにも言葉の定義のおかしものや、疑問符のつくもの、曖昧なものが多く、混乱させられる。
    三分の一ほど読んだが、時間の無駄にしか思えず、ギブアップ。

  • 現在私たちは当たり前のように言葉を使いコミュニケーションを取るが、もともと言葉についての知識があった訳ではなく1から覚えていく必要があった。
    単語と意味を結びつけながら言葉を知っていくようにも思えるが、一つ一つの物に言葉がついているという仕組みすら知らない状態である子供が何故言葉を使えるようになっていくのかということを詳しく解説している本
    人間の脳の発達度合いや他の哺乳類の脳との違いなど面白く知ることが出来る本。

  • 娘が生まれたので、赤ちゃんはどのように言葉をおぼえていくのかな、というところが気になって手にとりました。

    具体的な実験方法からその考察まで書かれており、そういった意味では結構学術研究的な内容ですが、興味深い実験も多く、個人的には面白く読めました。

    名詞の基礎カテゴリーを即時マッピングしていくという能力にすごい!と感心したり、一方で、動詞や形容詞の意味をいろいろなヒントを得ながら学習していくのにもすごい!と感心したり。
    自分もどのように日本語を学習してきたのかもちろん覚えていませんし、今まさに学習している子どもたち自身もその仕組みはもちろん分からないわけで、それを明らかにしようとさまざまな実験を考えて実施・考察している言語学者の方はすごいなぁと思いました。これからさらに解明が進んでいくのが楽しみです。

    外国語学習にとっても示唆に富んだ内容があり参考になりました。「同じ意味領域に属する単語を一度に学習し、母語との違いを学習者が考えること」で学んでいるその外国語の意味領域の全体像をつかめる、と。

  • なんだかちょっとまどろっこしいです。同じようなことが何度も書かれていて……。学術書といった感じです。子供の語彙についてどのような実験を行っているのかを知りたい方には良いかもしれません。

    子供がなにもない状態から言葉を学ぶとき、「形の似たものを同じ名前で呼ぶ」みたいなある種のバイアス(本書ではメタ知識と呼ばれています)を持っているから、一度新しい言葉を聞いただけですぐにその言葉を(他の対象にも)使えるようになる、とのこと。

    以前『ことばの発達の謎を解く』を読んだときのほうが感動が大きかった気がします。内容的な問題なのか、読解力の問題なのか……。

  • 【文章】
    すこし読みづらい
    【ハマり】
     ★★・・・
    【気付き】
     ★★★・・

    子供は大量のインプットからの帰納推論によって言語を習得していると考えられる。

    通常の英語学習のように、文法などの規則を覚えてから演繹的に習得するのは難しい。

    言語処理のハード(脳)、ソフト(アルゴリズム)、コンテンツ(知識)が互いに補完しながら発達していく。

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著者プロフィール

今井 むつみ(いまい・むつみ):1989年慶應義塾大学社会学研究科後期博士課程修了。1994年ノースウエスタン大学心理学博士。慶應義塾大学環境情報学部教授。専門は認知科学、言語心理学、発達心理学。著書に、『親子で育てる ことば力と思考力』(筑摩書房)、『言葉をおぼえるしくみ』(共著、ちくま学芸文庫)、『ことばと思考』『英語独習法』(ともに岩波新書)、『言語の本質』(共著、中公新書)などがある。

「2024年 『ことばの学習のパラドックス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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