造形思考(上) (ちくま学芸文庫 ク 25-1)

  • 筑摩書房
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480096012

感想・レビュー・書評

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  • オススメされたもの。まずは上巻。理論派だけあって、造形や色彩にかかる実践がロジカルに語られている。とくに第1部最後の講演録は、造形の理論と実践との間の前々からのもやもやした疑問の一部が少し解けた気がする。

    一方で、上と下、前と後ろ、明と暗といった形に図式化する傾向があり、過剰に二元論的すぎる感じがしないでもない。2極の間での動的な表現についても解説しているが、静から動へと発展させる積み上げ的な議論もあり、やはり根本は要素還元的な二元論という印象。
    また、動的な議論まではしているものの、作者自身の身体性だったり、作者と作品(とその素材)とのインタラクションという視点は希薄だった。作品はあくまでも客体であり、行為主体(作者)から一方向的に影響を受ける、ということが暗黙の前提になっているような気がする。
    まあ、この時代としては無理からぬことかもしれない。また、自ら芸術家である以上はことさら身体性について言及しなくても自明のことなのかもしれないので、単に僕自身に作品を作る経験がなくてそこに実感が湧いていないだけかもしれない。

  • 全て読み終えなかった。

    「私は 何を描くのか?」と悩んで、
    「私の好きな絵には何が描いてあったかな?」と思い返し、
    「クレーは好きだが何が書かれているかわからない」からこの本を読み始めた。

    内面を描かなければいけない と言っているのはみんな言ってるし分かるよ。
    点 線 面 動的 静的 エネルギー そういうものの細かな捉え方を説明されても なぁ と思ってしまった。

    なんとなくいいなぁ と思っていたクレーの絵には一体何が描かれているのか 私は分かったのか?

    造形の実験 。

    クレーの脳内造形理論を見ていたのか?

    なんとなく良いと思ったのは 何故なんだ。



  • 【選書者コメント】本書は、元々1973年に土方定一と坂崎乙郎らによって新潮社から出版されていましたが、長らく絶版となっており、中古価格も高騰に高騰を重ねて、買いたくても買えないよぉという悲しみに打ちひしがれながら、数年前に附属図書館のヘルプデスクで他大学が所蔵している資料を現物貸借で取寄せてもらった記憶があるのですが、そんな本がなんとなんと、このたび筑摩文庫化されたわけで、手に入りやすくなったわけで…。クレーの作品制作に対する考えが詰まった本書は、テキストだけでなく、イラストも数多く掲載されています。冒頭にはカラーもいくつか。クレー好きに限らず、デザインに興味のある方にも読んでほしい一冊です(上下巻だから二冊かぁ)。
    【請求記号】7000:1292:上

  • 横書きで少し読みづらいが、時々言っていることがわかって嬉しい

  • パウル・クレー(Paul Klee, 1879年12月18日 - 1940年6月29日)は20世紀のスイスの画家、美術理論家。ワシリー・カンディンスキーらとともに「青騎士 (ブラウエ・ライター)」を結成し、バウハウスでも教鞭をとった。(Wikipediaより)

  • リズムを絵画として表現する思考など、パラパラ見ているだけでも脳みその別の部分が刺激されている気がする。

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著者プロフィール

20世紀を代表する画家の一人。1879年、ドイツ人音楽教師を父に、スイス人声楽家を母にベルン(スイス)近郊に生まれる。高等学校卒業と同時にミュンヒェンに出て画塾に通うが3年後ベルンに戻り、独学の道を選ぶ。1906年、ピアニストのリリー・シュトゥンプフとの結婚を機にふたたびミュンヒェンに赴く。長い無名時代を経て、1920年、総合造形学校バウハウスから招聘される。ヴァイマール、デッサウの同校で教鞭をとった後、1931年にはデュッセルドルフ美術学校に籍を移すが、2年後、ナチスの弾圧を受けてベルンに亡命。皮膚硬化症を患いながらも制作意欲を失うことなく、その後も数多くの作品を残した。1940年、南スイス・テッシン州の療養院で60年の生涯を閉じた。

「2018年 『クレーの日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

パウル・クレーの作品

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