ひきこもり文化論 (ちくま学芸文庫)

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著者 : 斎藤環
  • 筑摩書房 (2016年4月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480096838

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ひきこもり文化論 (ちくま学芸文庫)の感想・レビュー・書評

  • 昔観たテレビ番組のある場面が忘れられない。不登校の女の子に手を余した両親が、不登校やひきこもりを治すやや高齢の女性に依頼して、スパルタ的に娘を矯正してもらうという番組だった。とりあえず登校しはじめる娘と、それを笑顔で見守る両親、スパルタ矯正業者・・・めでたしめでたし。本当にめでたいのは、その番組だ。

    斉藤氏の著書にあるように、金もうけ主義ではないかもしれない矯正業者に限らず、理解の浅い人間が手を差し伸べることに対して、それは ’ルールの存在しない善意による暴力’ である。こういう問題に簡単な解決法などどこにもないのだ。ひきこもりをしている人々は周りに数人いて、たまにその母親から話を聞かされていた。世間が云うような、単純に親の甘やかしが原因とは考えられずずっとその理由がわからないでいたが、斉藤氏の本を読み少しわかった気がした。そのひとつに、’去勢’(父親を始めとする他者との関わりのなかで、自己万能性の去勢を経てより社会的な存在となり成熟へと繋げるということ)を妨げる、’去勢否認’(母親密着など)が大きな原因であるという。逆を言えば去勢は必須。
    ひきこもるという行為は、内省を深め、うちに豊かさを保ち今以上に自己を磨くこととだろう。しかし世間一般のいうネガティブなイメージのひきこもり者は、他人との関わりを断ちたい・傷つくのが怖い、という理由かと思っていたが、その逆であるという。
    他者との肯定的な出会い・・・それがあれば、ひきこもりから一歩外にでることができると斉藤氏は提案している。そのきっかけとなるのは、インターネット・SNSでるという。’対話の無意味さ’ そこを大切にしていこうと。暗い部屋でPCにかぶりつくひきこもり・・・そんなイメージを持つことはやめた方がいい。事実SNSが果たす他者との関わりによって、外に出られる人がいる。

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