美少年美術史: 禁じられた欲望の歴史 (ちくま学芸文庫 イ 55-3)

  • 筑摩書房
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480097293

感想・レビュー・書評

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  • 絵の写真がたくさんあってわかりやすかった。しかもカラー写真!

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/737623

  • 西洋美術には美少年を描いた傑作が多く存在する。ギリシャ神話やキリスト教の殉教者などに仮託して主張した物は何か?そしてどのような欲望が隠されているのか?と宣伝文に書いてある。

  • 古今東西……ではなくて西洋のほうの少年を題材にした絵画や彫刻をたどりながら、それらを生み出した文化背景も紹介。日本も江戸時代は男どうしの仲が普通のことだったようだけど、西でもそうだったのかという感じ。同性どうしのほうが心や考え方が通じるだろうから、ある意味心は許せるだろうし仲良くなりやすいのもわかるんだけど、紀元前からそういう流れが連綿とあったというのを再認識した感じ。それでいながら、これまた今まで連綿と続く同性愛への偏見にはキリスト教が関係していたんだな、なるほど……という感じ。
    甘い香りが漂ってくる感じがしなかったり、プリンとかムチムチッとした感じがない、少年や青年たちの姿はそれはそれで、とても美しい。描かれた女たちはどこか誘っているような媚を売っているような、見られていることを意識している表情の作品が多い気がするんだけど、少年や青年はひたすら自分のしたいことだけ、目の前のことをまっすぐしているだけのような印象で、そこもまた美しさを生むひとつだと思う。

  • 【請求記号】7000:1321

  • 愛らしい姿で我々を虜にする美少年。
    美少年美術を通して、人間の欲望と歴史を
    新しい視点で探ることができます!!

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 想像とちょっと違った。でも綺麗でした。

  • 定価:本体950円+税
    Cコード:0170
    整理番号:イ-55-3
    刊行日: 2016/06/08
    判型:文庫判
    ページ数:256
    ISBN:978-4-480-09729-3
    JANコード:9784480097293

    神々が愛したかわいくエロティックなクピドたち。古代の英雄や皇帝たちを狂わせ、歴史の運命を大きく動かした少年愛のめくるめく世界。中世キリスト教社会で、激しい抑圧のなか密かに紡がれた同性愛的嗜好。そしてルネサンス期を迎え、ふたたび花開く男たちの肉体美―。西洋美術には美少年を描いた傑作が数多く存在する。彼らはなぜこれほどまでに芸術家たちを虜にし、その創造力をかきたててきたのか?ときに勇ましく、ときに儚げに描かれたその姿に、人類のどのような欲望が刻み込まれているのか?アート入門としても最適。カラーを含む200点以上の図版とともに辿るもうひとつの西洋史。
    http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480097293/


    【簡易目次】
    第1章 少年愛の誕生
    第2章 神話世界の美少年
    第3章 キリスト教と美少年
    第4章 美少年の復活(ルネサンス)
    第5章 「少年」の発見―近代における変容
    第6章 さまざまな美少年美術

  • サブタイトルがなんかあれですけど、ちくま学芸文庫なので中身はちゃんとした真面目なやつです(当たり前)とはいえ、古代ギリシャなんかは昔の日本と同じで大人の男性が美少年を愛でるのは高尚な趣味とされていたので、BLもびっくりな大胆な構図の絵とかあってビックリ。結局日本に限らず、キリスト教文化に侵略される前はどこの国でも同性愛OKだったんですよね。あえて声高に禁止を叫ばなくてはならないということは、放っておいたらそうなってしまう人の数がそれなりにいたからなわけで。もちろん同性のみでなく美少年を愛でる女性の絵もたくさんあります。クピド(キューピッド)の幼児化の過程なども興味深い。

    基本的に美少年は美少年のまま死なねばならず、おっさんになるまで生きながらえてはならない暗黙の法則。この本は西洋美術だけですが、日本の美術史上はどうだったのかな。絵画の世界のことはわからないけど、少なくとも歴史上の早逝した人物(義経、森蘭丸、沖田総司など)はそれだけで美少年と思われてしまう風潮はあるように思うけれど。

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著者プロフィール

池上 英洋(いけがみ・ひでひろ):1967年、広島県生まれ。東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。現在、東京造形大学教授。専門はイタリアンルネサンスを中心とする西洋美術史、文化史。『レオナルド・ダ・ヴィンチ―生涯と芸術のすべて』(筑摩書房)で第4回フォスコ・マライーニ賞を受賞、2007年に開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」では日本側の監修者となった。『錬金術の歴史』(創元社)、『「失われた名画」の展覧会』(大和書房)、『西洋美術史入門』、『西洋美術史入門〈実践編〉』、『死と復活――「狂気の母」の図像から読むキリスト教』(筑摩書房)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(東京堂出版)など著書多数。


「2024年 『パリ 華の都の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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