増補 性と呪殺の密教: 怪僧ドルジェタクの闇と光 (ちくま学芸文庫 マ 30-3)

著者 :
  • 筑摩書房
4.13
  • (4)
  • (2)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 72
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480097354

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 11世紀のチベットで並外れた呪力で密教界にその名を轟かせたドルジェタクという人物がいた。本書はその生涯と伝承をたどることで彼が信奉したチベット密教の原像に迫る。学術的な内容にも関わらずこんな面白い世界があるのかと興奮した読んだ。オウム真理教の一連の事件をリアルタイムで体現した人にはドルジェタクの行為はどうみても麻原彰晃を想起するだろう。著者の正木氏はそのことを意識しており、オウム真理教のテロ行為や教祖麻原の性的イニシエーションをオウム(麻原)固有の要素ではなくもともとチベット密教に内在的に孕んでいた問題とみなし、学者としてはかなり踏み込んだ筆致で批判的検討を加えている。

  • 読み物として非常に面白かった。 チベット密教の神髄が分かる。 日本で言えば鎌倉時代の頃だろうか、まるで漫画の様な魔術対決が行われていた。西洋のアレスター・クロウリーの魔術も同じような技法で行われているのだろうか、と疑問に思った。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

一九五三年、神奈川県に生まれる。筑波大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター客員助教授、中京女子大学助教授などを経て、現在、慶應義塾大学非常勤講師。専門は宗教学(チベット・日本密教)で、とくに修行における心身変容や図像表現を研究。著書に『マンダラとは何か』(NHK出版)、『密教』(ちくま学芸文庫)、『はじめての宗教学』『お化けと森の宗教学』『千と千尋のスピリチュアルな世界』『カラーリング・マンダラ』『お坊さんのための仏教入門』(以上、春秋社)、『空海と密教美術』(角川選書)ほか多数。

「2019年 『密教の聖なる呪文 諸尊 真言 印 種字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

正木晃の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×