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みんなの感想・レビュー・書評
『第七官界彷徨』の面白さ・豊潤さは異常!これはいろんな短編が入った本ですが、最初に『第七官界彷徨』を読んでしまってもよいと思います。
第七を開いたとたんに異様な迷宮に連れ込まれてしまいました。言葉はこんなに美しいのです。たとえ汚穢の匂いがしても。
『こおろぎ嬢』→『地下室アントンの一夜』→『歩行』ときて、『第七官界彷徨』まで読み終えたら、また『こおろぎ嬢』に戻りたくなるのは私だけだろうか。
☆『第七官界彷徨』
タイトルに惹かれる。
なんとなく、政治的な話かと思ってたら、全く違った。
登場人物が、みんな我が道を歩いてて、主人公の女の子は、それに振り回されてるんだけれど、別にそれを全く気にしないで、ついて行く。
まるでロボットみたいなんだけど、最高にチャーミング。
かみ合ってんだかないんだか、それでも物語は進んで行く。
クスッという可笑しさが随所にある、最高にキュートな作品。
結局のところ、第七官についての定義もなかったし、なんだかよくわからないけど、凄くギリギリのバランスで、最高に滑稽な物語。
私の第七官で読めたのかも。
この全集の中で、一番好きな話は『初恋』だけど。
この作家でないと書けない、そんな類の小説。
尾崎翠の置かれた境遇、育ってきた環境、資質、
そんなものが入り交じっての「第七官界」なのでしょう。
ふわりとして、ひやりとしている、
「ガール」ではなく、あくまで「少女」の感覚がすばらしい。
大昔、NHKで田中裕子さん主演の第七官界彷徨、のドラマを見て感じ入ってからこの本を買い求め、以来愛読書です。尾崎翠にしか出しえない、ある意味とぼけた作風がとても好きです。でも、三浦しをんさんが昔、編集者さんに「尾崎翠っぽいと言われた!」と喜ばれていたので、三浦さんファンの方も読んでみては?
収録作品:こおろぎ嬢 / 地下室アントンの一夜 / 歩行 / 第七官界彷徨 / 山村氏の鼻 / 詩人の靴 / 新嫉妬価値 / 途上にて / アップルパイの午後 / 花束 / 初恋 / 無風帯から / 杖と帽子の偏執者 / 匂い / 捧ぐる言葉 / 神々に捧ぐる詩
全集も持ってるけど、ぼくていどの醒めた読者にはこちらで充分とは言えます。
ともあれやはり、「第七官界彷徨」はときおり読みたくなる。
リリカルな切なさと並はずれた奇妙さに、ハートを打ち抜かれる一冊。
あれこれ理屈をつけて、おのずと曲がりくねってしまう、そんな人の琴線にこそ触れるんじゃないかと思う。
言葉の使いかたひとつひとつが、とにかく独特で考えても意味がわからなかったりするのに、物語世界はとてもひっそりと美しい。
こんなに変なのに、こんなにメルヘンでいいのか。
でも昔、初めて「第七官界彷徨」を読んだときには、なぜだか良さがまったくわからないどころか、読みとおすのも一苦労という感じだった。
何でかなあ、時期じゃなかったのかな。
さあこれから、というところで筆を折らざるを得なくなって、残念だったろうなと。小野町子の話をもっと読みたかった。
2007.4.15「無風帯から」を久々に読む。
以前読んだときは妹とMのことを主に見ていたけど、今回は書き手の「僕」のことが気になりつつ。こんな話だったんたんだー。
少女小説のバイブルともいえる尾崎翠の作品を余すところなく掲載している全集です。尾崎翠の少女に対する目はとても繊細かつ透明で、男の自分にも目を見張るものがあります。尾崎翠自身がそうだったのかもしれませんね。第七官界彷徨が代表作ですが個人的には短いながら歩行がおススメ。小野町子みたいな女の子いいなぁ…。
ブクオフで100円で購入。読むものがなくなって何気なくページを開いてみたら……とんでもない世界が広がっていました。少女の目から見た世界は、ちょっとシュールでユーモラス。こんな作家を今まで知らなかったとはーー!!とかなりの衝撃を受け、その後ちくま文庫版(上/下)を購入(積)。後に嶽元のばらが絶賛していたらしいことを知りましたが、そういうルーツがあったのかと思うとひどく納得です。個人的には長田弘の「猫がゆく」と似た感触を受けました。やはり詩人が書いた文章らしく端正で、心象的な広がりのある小説です。






