タオ: 老子 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 675
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480422675

作品紹介・あらすじ

文字の奥にひそむ老子の声、それを聞きとるのは生命のメッセージを感得することだ。さりげない詩句で語られる宇宙の神秘と人間の生きるべき大道(タオ)とは?生き生きとした言葉で現代に甦る『老子道徳経』全81章の全訳創造詩。

感想・レビュー・書評

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  • 何度も読み返すべき本だと思った、簡単に読めるがすごく深い。読む時の心境によっても意識することが変わってくるであろうと予想できる本、今後も見返す時が何度もあると思う。

  • 2023.8.28読了。

    道家の祖、老子が著したと言われる「老子(=老子道徳経)」を、詩人である著者が分かりやすい言葉で訳してくれた本。
    人間の作り出した社会や文化は人為的なつくりものなので退けるべきであり、自然に帰って素朴無為な生活の中で生を全うすべきとする「無為自然」の政治哲学、人生論。

    P39 何もかもぎりぎりまでやらないで 自分のやるべきことが終わったら
       さっさとリタイアするのがいいんだ。
       それが天の道に沿うことなんだ。

    P45 私たちは物が役立つと思うけれど じつは物の内側の、
       何もない虚のスペースこそ、本当に役に立っているのだ。

    P224 私は
       三つの宝を持っていて、それをとても
       大切にしている。
       その一は愛すること
       その二は倹約すること
       その三は世の人の先に立たぬこと。

  • 世間の知識だけが絶対じゃないんだ。他人や社会を知ることなんて薄っくらい知識に過ぎない。自分を知ることこそ、ほんとの明るい智慧なんだ。

    他人に勝つには力づくですむけれど、自分に勝つには柔らかな強さがいる。

    静けさと平和。この二つを得るには、いまの自分の持つものに満足することさ。人に何かを求めないで、これでまあ十分だと思う人は、ゆったり世の中を眺めて、自分の人生を長く保ってゆけるのさ。

    道によくつながる人は、ためたり積んだりしない、そして、いつも他人の為にしようとする、そうすることによってますます自分が豊かになる。内に持つものをすっかり他人に与えようとする、そうすることでますます多く与えられる。

  • 私のお守り的存在の一冊。ほぼ毎日開いてはそのページの詩を読んで心を鎮めます。

  • マイミクさんの間で話題になっていたので
    手に取ってみた一冊。


    本棚にずっと置いておきたい良書。

    置いておく目的は、悩みの迷路に入り込んで
    しまったときなどに読めるようにということに
    加えて、自分はこんな良書を読んだじゃないか
    という安心感や自信みたいなものを感じる
    こと、もある。

    ワタシの場合は、以前に読んだ下村湖人の
    『論語物語』の隣りに置いた。


    びびっと来たポイントはもう本当にたくさんある
    けれど、いちばん響いたのは「水のように」。
    これは究極の真理であると同時に、本書の後段
    で触れているとおり、リーダーが持つべきものだ、
    という指摘には ただただ唸った。
    老子の言葉を元にした本の中から、リーダーシップ
    論が出てくるとは…しかも、ほかに類を見ない論。
    虚を衝かれた。


    それから、加島さんの訳。
    本書の惹句で「全訳創造詩」と称され、マイミクさん
    が「超訳」と評した訳は、翻訳とか意訳の域ではない
    何か、それでいて もし老子が読んだとしてもきっと
    異を唱えることなどない、そんなふうに思わせる力が
    ある。

    外山滋比古さんが著書『自分の頭で考える』の中で、
    日本人の翻訳について嘆いておられるが、そんな外山
    さんでも、この加島さんの訳にはきっとご満足をいた
    だけるにちがいない。

  • 好きな人から借りた。ので、雑念が多く入りこみ、老子メッセージの本筋がぼやけた。道の途中だ。それでよし。

  • ハードカバーの時代から繰り返し、繰り返し読んでいる。
    老子の書物は数冊読んだが、加島祥造さんのこの本が一番良い。
    自分の小ささや愚かさを優しく包み込んで、果てしなく広い場所に連れていってくれる。
    ずっとずっと好きな本。

  • タオイストとしては読んでおかないと、と思って読んでみた。
    老子をこれから知りたい人にオススメの本。
    ただ、同著者の『求めない』の方が柔らかく、身体にすっと入ってくる。それを読んでなお、老子をより知りたいときは読んでみてもいいかもしれない。
    何かに迷ったときや、心がクサクサするとき、ページを開きたいと思う。

  • 何かに押しつぶされてしまいそうなとき、
    この本はきっと、優しい手を差し伸べてくれると思う。

  • 老子の言葉がこんなに読みやすくなっているとは!
    現代風に訳者がちょっと創作しているところもあるようだが、エッセンスは含まれていると思う。
    老子のタオの生き方を理想とする人は多いと思うが、実践する人はほとんど居ないように思う。
    ぜひ度々読み返して、実践に生かしたい。

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著者プロフィール

1923年、東京生まれ。早稲田大学卒業後、カリフォルニア州クレアモント大学院留学。信州大、横浜国大等に勤め、数多くの翻訳・著作のあと、「老子」の現代自由詩『タオ─老子』『求めない』が、共にロングセラーになる。

「2012年 『禅とタオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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