スペイン旅行記―カレル・チャペック旅行記コレクション (ちくま文庫)

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制作 : Karel Capek  飯島 周 
  • 筑摩書房 (2007年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480422965

スペイン旅行記―カレル・チャペック旅行記コレクション (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「チャペックによる、君よ知るや南の国。 」

    国際列車に揺られてやってきたスペインは、ヨーロッパらしからぬ風物にあふれた国。街角から庭、人、自然にいたるまで、見るもの聞くもの驚きに満ちたカレル・チャペック魅惑のスペイン紀行。

    おもしろかったな。これ。
    何がってカレルチャペックの視点からみたスペインが。
    なんかもうね、南国なんだよね。
    いや南国どころか、チャペックにいわせれば
    「ピレネー山脈を越えたらもうアフリカ!」なんだって。

    日本から見たらスペインはそりゃ西の果てにあって、
    もちろんヨーロッパで、フラメンコと闘牛が有名な情熱の国で…って
    お決まりのイメージなわけですが、
    ここにはチャペツクの目を通して見た「あなたの知らないスペイン」がある。

    飛行機に乗って西へ向かってひとっ飛びではなく、
    チェコを後にドイツ、ベルギー、フランスと3つの国を南下しながら横断し、
    目の前にそびえるピレネーを越えた先にある南の国、
    その先の海の向こうにはアフリカの大地がひらけている、
    というのがチャペックのスペインなわけです。

    そこでは街にも人にも自然にも
    ヨーロッパにアフリカ、ついでにイスラムが混沌としていて
    ほかの何処とも違う空間が出来上がっている。

    チャペックの目を通して、スペインという国の認識を「ヨーロッパの一国」から
    「ヨーロッパとアフリカをまたぐ国」というように変えただけで
    そこで語られるフラメンコや闘牛、
    ベラスケスやエル・グレコといった名だたる画家たちさえも、
    全く違うものに感じられてくる。

    本書を読まれたなら、その後にぜひ世界地図を眺めてみて。
    その証拠にイベリア半島そのものが、
    もはやヨーロッパとアフリカの間に横たわる島のように見えてくるから。

  • 出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介

    ナチスに対抗した著者が、スペインの風俗や民族を生き生きと描いた旅行記。

  • 1929年に著者が旅したスペインの旅行記。主にマドリード・セビーリャ・トレドをあたりが書かれている。軽い文体で気楽に読めた。挿絵も楽しい。著者もピレネーを越えるとアフリカと言っている。ピレネー以北のヨーロッパ人のどれくらいがそう思うのだろうか。
    旅についての良い文章があった。以下抜粋。

    「聞いてくれ旅人よ、きみは、異国を認識するためには、食べたり飲んだりしなければならない。<中略>世界のあらゆる民族は、さまざまなスパイスや調理法で、地上の楽園を実現させる道を求めている。どの民族も、彼ら独自の舌を、美味を求める舌を持っている。だから、その民族の舌を感得したまえ。」(P57)

    「きみ、これまで知らなかったなにかを見たり、それに触れたりするのは、喜びだ。物事や人びとの相違の一つひとつは、人生を何倍にも増やしてくれる。感謝と喜びにみちて、きみは自分の習慣以外のものを受け入れた。」(P248)

  • 『北欧の旅』に比べるとずっと浮き浮きした、光と喜びに溢れた旅行記。自筆の挿し絵もノリノリで、この本を通じてスペインを体験できる。スペイン旅行に持ってきて、チャペックの描写の正確さにびっくりした。もちろんそこには現在では見られないスペインも含まれているのだけれど、先に読んでしまうと自分の感じることがチャペックの文章のとおりになってしまう危険があるほど。

    最後の章がとても良い。何で旅行に行くの?と聞かれたら、この章を回答にしたい。

  • マチスのダンスにも似た、躍動感のある自由な線画が楽しい。靴みがきの恍惚のダンス、ろばにまたがった農民、格子窓のちっちゃな楽園、魔術的な装飾、闘牛、愛しあう男女、束縛されない率直な歌、フラメンコ、等等。
    「世界が千もの違う顔を持ちどこへ行っても異なるという理由で、全世界を愛するということのほうが喜ばしい」

  • 80年ほど前のスペインの様子が書かれているけれど、決して古くさくはないし、むしろ読んでいて今のスペインの情景を「そうそう、こんな風だった。」と思い起こすことができる。
    ただ頭の固い私には、チャペックの独特の言い回しがスーッと入ってこず辛かった。
    けど、セビリア絶賛は、同じくセビリア好きの私には嬉しい。

  • スペインに興味が湧いていたので読んでみたが面白かった。カレル・チャペック。『ロボット』という言葉の考案者であることは何となく知っていたが、著書を読んだ事なかったので自分としては思いがけない発見だった。80年程前の旅行記だけど特に気にならず(現在のスペインもリーガ・エスパニョーラぐらいしか知りませんが…)街並み・人々の生活が詩的に表現されていてとてもいい。旅行でこれ程感動的になり美しく表現できるのはとても羨ましい。『アルハンブラ物語』もそうでしたがオリエント風の建築物に魅かれますね~。

  • 西はいいなぁ!いいなぁ!
    中庭とか格子窓とか闘牛とか!いいなぁ!

  • 故郷をこよなく愛するとともに、世界の多様な風景・風俗を愛したチャペックは多くの旅行記を遺している。その優しくユーモラスな筆致は、深い悲しみと叡智を底に秘め、世界中に今もなおファンが多い。本書は1929年スペイン周遊の際に書かれた旅行記。ラテン、イスラム、ユダヤ、ジプシー、バスク、そして闘牛やフラメンコ…様々な民族や風物の混交する面白さ美しさに魅せられた心躍るエッセイ。

  • 挿絵も雰囲気あり、ちょっと人を喰ったようなカレル・チャペックのとぼけ文章がいい具合で、楽しい本でした。

  • 挿絵がいっぱい入った本。一緒にスペインを旅行している気分になります。

  • どうせ出すなら全部出せちくま!と言いたくなるけれど、とりあえず文庫はありがたい。チャペックの独特の語り口がいい。

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