- Amazon.co.jp ・本 (567ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480423931
作品紹介・あらすじ
ポリーニ、アルゲリッチ、グールド、ホロヴィッツ、リヒテル、ツィマーマン…世界の名ピアニスト29人に光をあて、その芸術の特性と演奏家独自の魅力を明晰な文章で論じる。ピアノ演奏の歴史をふり返り、文化的背景の考察もふまえて演奏家の内面に鋭く分け入り音楽の深い魅惑を指し示す。不世出の音楽批評家が、ピアニストたちの美の世界の魅力を語る愉しくも華麗な演奏論。
感想・レビュー・書評
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グールド、グルダ、ホロヴィッツ、ラフマニノフを中心に読んだ。吉田秀和は批評家としては珍しく(?)、小説家のごとき表現力と描写力に溢れている。そのため、音楽的なパッションと感動を彼の文章はよく捉えていて、その道筋を示してくれるように思う。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/764840 -
勉強になった
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ピアニストとは、人生の表現者であり人間性の宝庫だと思う。
吉田先生の長年の音楽に対する真摯な姿勢、豊かでユニークな感性、綿密で人間性溢れる分析、そして感謝の思いに満ちた言葉、表現は音楽愛好家の昂奮と感動を喚起する。
理知的で客観性は勿論だか、先生の嗜好が垣間見える表現も何故か共感、安心感を与えられる。信頼の賜物かも。 -
私が読んだのは旧版です。ピアニストに興味を持ち出したのは、割と遅く、大学生になってからでした。右も左も分からない状態でしたので、吉田さんのこの著作で色々な名演奏に出会えた事を感謝したいですね。
リパッティ、フランソワ、ソロモン、グールドなどなど、好きな人には有名な人ばかりなのでしょうが、門外漢には貴重な羅針盤となりました。 -
-彼の演奏の速い走句たちの水際立った見事さ、よく歌う旋律、胸のすくような精緻なリズムと、フレーズの区切り方、テンポの良さ。そういった全体がまるで苔の庭のような一分の隙もない緻密で濃密な音の敷物を作り上げるのだが、しかもその表面の艶々した瑞々しさと、その下を絶えず生きて流れている抒情の味わいの気韻の高さ-
↑グレン・グールドを評した一文。グールドを聴いたことがあれば、この描写がいかに的確かわかるはず。どの演奏家に対しても理性的に分析していて、かつ「感動」をこめて、興奮気味に描かれているところが、とてもとても・・・と・て・も・良い。単なる批評を超えています!