- Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480424617
感想・レビュー・書評
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実際に文豪が体験した実話怪談話を集めた一冊。
やはり同じ怪異を複数の視点で書いている作品が面白いですね。遠藤周作の話は三浦朱門と二人で体験した話しかり、田中河内介の話しかり。
「田中河内介の話」は畳みかけるように次々と色んな人の異聞を読み進めていくと、だんだん読んでるこちら側もこんなヤバイネタの真相暴露を読んでて大丈夫なのかしら…とジワジワ不安が押し寄せてくる面白さ。
小林秀雄が書いた「菊池寛」の幽霊話も面白かった!(それ以前に、まずこのエッセイが菊池寛論になっているのでそれ自体が面白い)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いろんな怪談話が読めて面白かった。
『現代作家篇』と『芸術家・学者篇』がゾッとしたし面白かったなあ。
芥川の『凶』は、怪談という見方もできるけど芥川の憂鬱症というか…亡くなる数年前の話なのでそういうふうな見方もあるなと思って印象に残った。 -
文豪たちが経験した実際の怪談話。
怪談話の途中に死んだ人の怪談を、色んな人が話してるのが面白い。当時流行った怪談なのかな?と。 -
ううむ。微妙。
最初の100頁くらいは、なかなかに怖くて夜に読むのは辛いかなあと思ったのだけれど、後半になればなるほどに後書きにあるような『虚実皮膜』が目について、読むのが少々かったるくなってしまった。
とはいえ、普段はあまり読むことのない明治から昭和初期の文豪たちの文章は興味深く、自分の嗜好に合う合わないがあからさまに感じられるものだなと少しだけ感心してしまった。
興味深かったのは、『田中河内介』にまつわる不思議な出来事にまつわる怪談話で、同じ逸話が語り手によってかなり違っているという妙さがあった。実話だと述べるには、食い違いが大きく。創作にしては、わざわざそんなちぐはぐさを設けるのは不自然で、これいくつもの逸話全体を通しての実話怪談であろうかと考える次第だ。 -
好き。
最近の実話怪談と違って、
やっぱり文章に趣がある。
田中河内のすけ、キドウも書いてたら面白いだろうに。
実はあるのかな⁇
しかしこれだけでもディテールに差があって、
人の記憶なんてやっぱりあてにならないな。
淡谷のり子氏がこんなに文章上手とは知らなかった。
結構ゾッとした。
川端康成だけ、文章に途中であいてしまった。
最後のお稲荷様、可愛い。 -
遠藤周作と三浦朱門、佐藤春夫と稲垣足穂の、互いにリンクしている怪異が興味深い。
特に佐藤と稲垣は仲が悪いという先入観があったのもあり、面白かった。
ほかの作品も、代表作とはいえないまでも小粒の味が効いていた。 -
明治から現代までの文豪たちの語る「実話」怪談です。夏を涼しく過ごしたい方はぜひ読んでみてください。
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他のところで読んだような話も多数入っているのだが、そうにしても手元に置きたい一冊。
やはり、本人が体験した話、というのが怪談として一番良いです。
様々な人による様々な語り口のものがうまく組み合わさっています。
最後にもってこられたエピソードが、紙上百物語会で昂った気持ちを優しく治めてくれます。
個人的には菊池寛という人に興味がわいたので、機会があれば作品を読んでみようという気持ちになりました。