縄文人追跡 (ちくま文庫 こ 32-1)

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480424754

感想・レビュー・書評

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  • めちゃおもしろい

  • 人間は二足歩行を始めたため子宮や産道は内蔵の重みで屈曲し、更に胎児の頭部が大きくなったことで、他の動物に比べ難産となった。
    移住生活では老人はついていけなくなると自分から若夫婦を離れ、若夫婦は食料を残し老人を置いていった。定住生活になると老人は留守番をし子守を引き受け、若夫婦は効率良く働けるようになった。

  • 縄文人をこよなく愛する縄文研究の第一人者、小林達雄先生の「縄文人入門書」とでもいうべき本。縄文時代入門、というより豊かな文化を創り上げた縄文人に焦点を当て、縄文人の特徴をユーモアを交えてわかりやすく紹介してくれる。「障害者に対して温かい配慮があった」「人気ブランド品の存在」「時には果実酒でほろ酔い気分」等々、単なる原始人などでなく現代とかわらない一面もあった事例を色々と紹介している。何より感動するのは火炎土器や土偶といった素晴らしい芸術作品や、何世代にもわたって受け継がれていく巨大モニュメントの建造を行った縄文人の感性である。材質や場所、設計にとことんこだわって集団で協力し合って創り上げた「作品」の見事な事!中でも冬至の日の入りと夏至の日の出が、向いあった柱の真ん中の反対方向同じ位置にくるよう設計され、春分、秋分の太陽の動きもほとんどきっちりと計算された三内丸山遺跡の解説にはその神々しさが目に浮かぶようで圧倒される。1万数千年続いた縄文時代はやがて文明的であるらしい弥生時代にとって代わるが、2千年ちょっとで疲弊してないか。

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著者プロフィール

1937年新潟県生まれ。國學院大學大学院博士課程修了。博士(歴史学)。
東京都教育庁文化課、文化庁文化財調査官、國學院大學文学部助教授・教授を経て、
現在、國學院大學名誉教授、新潟県立歴史博物館名誉館長。縄文文化の総合的研究により浜田青陵賞を受賞。
主な著書に『縄文土器の研究』(小学館・学生社)、『縄文人の世界』(朝日選書)、
『縄文人の文化力』(新書館)、『縄文の思考』(ちくま新書)、『縄文人追跡』(ちくま文庫)、
編著に『縄文土器大観』(小学館)、『縄文ランドスケープ』(アム・プロモーション)、
『考古学ハンドブック』(新書館)、『総覧縄文土器』(アム・プロモーション)、『世界遺産縄文遺跡』(同成社)、
共著に『世界史の中の縄文』(新書館)ほか多数。

「2012年 『縄文土器を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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