ちくま日本文学001 内田百閒 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.64
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本棚登録 : 649
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425010

作品紹介・あらすじ

幻想とユーモアに満ちた一巻選集。

感想・レビュー・書評

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  • 感想会のため「件」だけ読む!広野に私は立っている。私の格好は顔が人間で体が牛の「件」という化け物。人間だったころ話に聞いていた件は、生まれて3日で死んでしまい、その間に人間の言葉で未来を予言する生物だった。私は転生した?どんな予言すれば良いのだろうか?ただ皆が私の予言を心待ちにする。そこで息子の声で、件はどんな予言をするかわからない。ヤバイ予言をする前に件を殺してしまおうと言う。件が前足を挙げた瞬間、皆は逃げ帰る。さて、何の話しだったんだ?シュールだけど滑稽な内容。作者は他力本願の人間を揶揄したのかな?④

  • 百閒を堪能!幻想的な『山高帽子』『東京日記』『件』『波止場』『冥途』等が好み。『餓鬼道肴〜』『無恒債者〜』は後年の『阿房列車』『ノラや〜』につながる自らを描写し可笑しみが生まれる作風。

    • ポプラ並木さん
      111108さん、件だけ読みました!この解釈は難しかったです。っていうか、解釈してはいけないのかな?とも。何か解釈されましたか?(^^♪
      111108さん、件だけ読みました!この解釈は難しかったです。っていうか、解釈してはいけないのかな?とも。何か解釈されましたか?(^^♪
      2023/06/26
    • 111108さん
      ポプ並木さん、
      「シュールで滑稽、人間の受身的なのを揶揄する」というポプラ並木さんの感想になるほどと思いました。
      理屈とか何か意味あるかとか...
      ポプ並木さん、
      「シュールで滑稽、人間の受身的なのを揶揄する」というポプラ並木さんの感想になるほどと思いました。
      理屈とか何か意味あるかとかはあんまり考えたことなかったです。幻想的だけど夜明けなどの情景が頭に広がる描写が素敵で好きな作品です♪
      2023/06/26
    • ポプラ並木さん
      そうですよね~ はっきり情景はイメージできますよね。内田作品の凄いところだと思います。何が言いたかったんだろう?と考えると、モヤモヤでしたが...
      そうですよね~ はっきり情景はイメージできますよね。内田作品の凄いところだと思います。何が言いたかったんだろう?と考えると、モヤモヤでしたが、それも良いところなのかもね。ありがとうございました(^^♪
      2023/06/26
  • 百閒先生の文章は、いつのまにかこの世とあの世の境界を彷徨っているような、ふわりとした印象を受ける。
    そして日本語がとても美しい。

  • 東京日記おもしろすぎん、ずっとこの世界観に浸ってたい

    冥途と道連の寂寥感は何回読んでも好き
    件は初めて読んだ時のインパクトは強かったけど二回目はそうでもなかった

    随筆は初めて読んだ
    やっぱ変わってんだけど面白いよなぁ

  • 転生したら件(くだん)だった件。

    人の妄想を覗き見ている気分になれて愉しい。もしくは誰かの夢の中に入り込んだみたい。ほんのりホラー仕立て。
    師匠のスキル:夢十夜を完全にものにしている。故に漱石の眷属ってイメージがある。
    特に好きなのは『道連れ』『短夜』『蘭陵王入陣曲』『遠洋漁業』『蜻蛉玉』
    借金はほどほどに…。

  • 赤瀬川原平の解説(?)がさいこ~

  • 怖いと評判の「山高帽子」「サラサーテの盤」がどちらも収録されていたため購入。冒頭から不条理短編の連続で、試されている感が強い。
    「東京日記」はより奇想に特化しつつコンパクトになっていて好き。
    後半の子供の頃の話(琥珀、遠洋漁業)は、子供の期待があっさり裏切られる様を淡々と描いていておもしろい。
    「コレラ」は今の時代だったら絶対炎上する内容だな。
    「からだじゅうにさむさむがたった(豹)」とか「むうむうして口も利かない(流渦)」とか、唐突にかわいい表現が出てくる。
    「山高帽子」「サラサーテの盤」は、外の風や雨の音で不安感を煽る手法が好き。
    「阿房列車」は主人公のマイペースさと自分勝手さが極まっていてすがすがしい。目的もなく列車に乗るためだけに借金とか、事前に予定が決まるのが嫌で当日切符を買おうとしたら売り切れとか。あえて変なキャラとして描いているのか作者自身が変なのか、当時はおおらかだったのか…全部あるとは思うけどその配分が気になる。「山高帽子」でも、軍の語学学校とかお堅そうな職場なのに、数か月失踪してたとかあっさり書いているし。作中の主人公がなにかとやらかしているのを淡々と変な言い訳をしたり人のせいにしたりしているのが、作者のムスッとした顔と雰囲気がマッチしていて面白い。

  • 勧められたたからといっても読むか
    読まないかはまた別の話。
    でもこの本を勧めてくれた人の本は読まねば!
    と思うし、読んでみても外れなし。
    勧めてくれてありがとうと心から言いたくなる。
    この本はそういう出逢いだった本。

    最初に続く小説群はどこかホラーチック。
    ホラーというよりも怪奇、
    怪奇というよりも幻想的そんな作品。
    読んでいて夏目漱石の「夢十夜」を想起したの
    だけど、漱石の門下生と知って驚いた。
    相通ずるものがあったのかな?

    私小説なのか随筆なのか判断つきかねる作品群も
    読んでいて面白い。
    面白いという表現も的確ではないと思うのだけど…。
    「錬金術」や「特別阿呆列車」などの借金に
    纏わるエピソードなどもこの人と関わりたくないなと
    思うけれど、作品としては読んでいたい。
    そんな不思議な気分にさせられる。

    内田百閒読むなら、まず本書をと勧められたのだけど、
    まだまだたくさん著作があるようなので、
    おいおい読んでいきたい。

  • こういう言い方は文豪に対していかがなものだと思うけど、内田百閒、この人の「ノリ」が好き。
    随筆はもちろんだろうけれど、短編、小品にも百閒を感じる。
    夢と現との境界がはっきりしない世界を百閒の背中から肩越しに見ているような読み心地。「冥途」などはオトナの大きい男が泣き震える肩を間近に見ているよう。薄暗い悲しみ。「山高帽子」の野田は芥川龍之介がモデルらしいと聞いて読んだら曇天の下のやるせない湿度を感じた。
    「サラサーテの盤」「長春香」「東京日記」などが特に好き。
    随筆?の「蛾鬼道肴蔬目録」は笑いつつヨダレが。
    「一本七酌」「特別阿房列車」も良かった。
    借金が趣味のような人だったらしいが、その言い分も随筆にはちょこちょこ書いてあってそれが「ノリ」の一部になっていると私は解釈した。

  • とぼけた味わいとういうかユーモアというかなんとなく理屈ではなく感覚で楽しむ傾向があるように思えます。
    小説の方は幻想的な話が多いので、じんわり染み入る感じがします。随筆の方はすっ呆けたような感じが皮肉も篭ってて結構笑えます。じーんとするようないい話もあります。
    変に敷居が高いように思えるけど、全然そんなこともなく大変読み安いです。

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