- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480425997
作品紹介・あらすじ
マキャベリの名著『君主論』を武器にクラス制覇へと乗り出した小学五年生のひろしくん。だが、彼の前に権力への野望を持つ恐るべき子供たちが立ち塞がる。『君主論』はひろしくんを覇王へと導くことができるのか?小学生の権力闘争を舞台に楽しく学べる『君主論』。クラスを牛耳りたい良い子のみんなも、お子様に帝王学を学ばせたい保護者の方も、国家元首を目指す不敵なあなたも必読の一冊。
感想・レビュー・書評
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マキャベリの「君主論」を、小学生の仲良しグループ(=諸侯)の覇権争い(クラスのリーダーになる)を通して描いたフィクション。
元ネタ(君主論)が、政治学、特に「君主とはどうあるべきか」について書かれた本なので、
統治、権謀術数、力量、懐柔工作、支配、敵対勢力、姦計、専横、主導権、忠誠、傭兵能力、侵略、
など、通常の小学生なら日常的ではない言葉をバンバン用いて謀略を練る姿が、自分が知っている小学生像とミスマッチすぎてニヤニヤしてしまう(笑)これは例えるなら、江戸川コナンが周りに自分の正体(工藤新一↔︎覇権を握ろうとする野心家)を悟られぬようガキンチョぶりながらも、頭の中で名推理を展開している様子に似ている。そう、彼らは「見た目は子供、心は野心家」なのだ。そうした専門用語を駆使した思考による戦略は、本格的で目を見張るものがあり、小学生だからといって侮ってはいけないのだ。だって彼らは確かに「君主論」の教えを身につけているのだから...
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マキャベリの君主論を読んだことがないので、きっかけにはなるかなーと。やたら腹黒い小学生がクラスの覇権を巡ってバトる話。名前が覚えにくく、プロフィールを繰り返し見ないといけないのが少し苦痛かな。2ちゃんの良スレみたいな雰囲気のストーリー展開が嫌いじゃなければ普通に楽しめると思います。
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マキャベリの著作『君主論』。
これは「君主とはどうあるべきか」について,
国家を統治する者に向けて書かれた本である。
この『君主論』の内容を,ある小学校の教室を舞台に,
小学生による権力争いを例にして解説したのが本書である。
新学期,5年3組に進級した主人公・ひろしくん。
彼の野望はクラスメイトを支配し,自分が君主としてクラスを治めることだった。
しかし,クラスの覇権を狙っているのは彼だけではない。
運動神経抜群のかおるくん,カリスマ的なりょうこちゃん,学級委員長のまなぶくん…。
これは,ひろしくんが政略や姦計を駆使し,
クラスの絶対的な覇王になるまでの物語である。
物語の中で,
「終わりの会」を「小学校のクラスにおける最高裁判機関」,
「夏休み中の缶けり」を「配下を統御する訓練」など,
小学生たちの活動をいちいち「それっぽく」意味を持たせているのが面白い。
しかし言われてみれば確かに,そういう見方もあるのかと感心した。
3月も終盤。春休みが明けるともう新学期。
新しいクラスを牛耳りたい「よいこ」のみんなはぜひ,
この本を読んで,ひろしくんたちの活躍を参考にしてね! -
『君主論』社会科系の授業を真面目に受けていた人なら名前だけでも覚えているのではないだろうか。
『君主論』は支配者のための適切な支配方法が書かれた本である。
本書はそれを小学生がクラスを統一するという物語で、面白く説明されている。
小学生とは思えない権謀術数と、ニヤリと浮かべる汚い笑顔、りょう君に至っては小学生というよりも三国志に出てきそうなイラストです。
中には自分が小学校の頃もこんな感じだった!と思うような一面もあり(本書のように過激ではありませんが)、小学校の頃に読んで置けば!と思わせてくれます(笑)
実際この本は「小学生」向けという体をとって書かれていますが、とても小学生に読ませられうようなものではありません。
『君主論』この名著を面白おかしく、分かりやすく学びたい人に、そうでない人にもオススメしたい一冊です。 -
超絶発想本
マキャベリ君主論が
簡単に判る上に笑える
4.2点 -
いやあ、阿呆な本でした(褒め言葉です)。
まず何より、小学生たちの繰り広げる権力争いの様相が、単純にとても面白い。やけに深謀遠慮に長けた小学生たちの、ぎすぎすしたせめぎ合い。こういった本を書こう、という発想が浮かんだ時点で、ある意味もう勝ったも同然だったのではないかと思います。
しかも、それでいて「君主論をわかりやすく説明する」という根本のコンセプトが、しっかりと果たされているところも高く評価できます。
文章も適度に毒があり、(多少歪んだ)愉快さを楽しむことができるようになっています。楽しんで読みつつ、しっかりと何かを得ることができる。こういった分野の本の一種の理想に、かなり近い一冊なのではないでしょうか。
普段本を読まない人にも、気軽にお勧めできる一冊だと感じました。 -
マキャベリの君主論を小学五年生のクラス内勢力図の変遷を例に説明してる本。
箱組としてはネタ本だけど、君主論の要点が非常にわかりやすくてよかった。
教育番組パロよろしく、例になってるクラスを眺める形で、ふくろう先生と子ども二人がポイントを解説してくれる。
ドッジボール大会とマラソン大会は熱かった…!秘密基地を破壊するなんて所業は極悪すぎて最高。
やりたいように生きていくには「たとえ正義に反することをしてでも、とにかく軽蔑と憎悪だけは逃れるよう気を付けるんだよ!」(P.217)と教えてくれるふくろう先生みたいな何かが必要。 -
小学生のたろうくんとはなこちゃんが、ふくろう先生から学ぶ“正しいマキャベリズム”!
群雄割拠する5年3組の覇者となるため、様々な権謀術数を用いる子ども達の姿が、面白おかしく且つ非常に解りやすく描かれた、なんともえげつない本でした。
4月の段階で10以上あった小グループが、引き抜きや裏切り、吸収合併を繰り返しながら最終的に統一されていく様は圧巻。
恐るべき姦計の数々に何度震え上がったことか。クラスにおける最高裁判機関「終わりの会」とか超おっかねぇ((((;゜Д゜)))
私は別に国家元首とか目指してませんが、それでなくても非常にタメになりましたよ。 -
面白いというより、自分の小学校時代を思い出し、ヒヤヒヤ。人類学の分析で、ほんちゃんの「君主論」を読む前に…と思ったが、あくまでも前座読者かな。