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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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けどその中でも、特にあなたがいちばん気になるんだと、これからもずっと気にするし、あなたがわたしのことをすっかり諦めて忘れてしまっても、わたしはあなたのことを気にしているんだろうということを、どうやってイノギさんに伝えようかと思った。
― 236ページ -
ときどき、ぼろぼろに疲れきって帰ってきた時に、背中を撫でてくれるような絵に描いたような女の子がこの世の中にいるのかな、って思う。わたしは、あの男のことがわかるって思うたびに、でも自分には背中を撫でてくれる女の子はいないんだなって思い出すんだよ。じゃあ、わたしはいつかやってけなくなるんじゃないかって。でもそれでもやってくんだろうな結局。
― 205ページ -
わたしは二十二歳のいまだ処女だ。しかし処女という言葉にはもはや罵倒としての機能しかないような気もするので、よろしければ童貞の女ということにしておいて欲しい。やる気と根気と心意気と色気に欠ける童貞の女ということに。誰でもいいから何か別の言葉を発見して流行らせて、辞書に載るまで半永久的に定着させてほしいと思う。「不良在庫」とか、「劣等品種」とか。「ヒャダルコ」とか、「ポチョムキン」とか、そういうのでもいい。何か名乗りやすいやつを。
― 17ページ
みんなの感想・レビュー・書評
暴力で満ち溢れている世界をユーモアに置き換えらる主人公は、22歳の処女である。自虐でも諦観でも皮肉でもないユーモア。処女であることがコンプレックスでありユーモア。ユーモアに浸れる。
22歳で恋愛経験のない主人公の大学生・ホリガイの、自分のことを「処女」ではなくあえて「女の童貞」と称する気持ちに、自分が22歳だったときのことを重ねて深く共感したのが手にとったきっかけですが、実際読んだらメインのテーマはそこじゃなかった、というか、そこにとどまらなかった。 語り口が軽くて飄々としているので読みやすいけれど、深刻な暴力を扱っていて、主題としてはむしろかなり重い気がします。それも... 続きを読む »
久々の日本の若者向け小説。
なんてことない関西弁の大学生の話で、しかも全く地味で、4年生なのに、オレンジデイズとは大違い。
文章とか小ネタがおもしろくてリアルだし、珍しく私の知りたいことの近辺までやってくるタイプの本。
でも急に脈絡なく重い部分が出てくるのがちょっと、かな。
まぁそこがこのえらくかっこいいタイトルの所以なんだけど。
最初に読んだ津村作品、何度読んでもうわぁ~と初読みの時の気持ちがこみ上げてくる。
どこにいても居心地良くできないとこやそのことの自己嫌悪とか。でも諦めてないとことか。
気づいたら文庫化も進んでいるのがとても嬉しくって世の中大丈夫かも、という気がする。大袈裟かな(笑)
あーもう、素晴らしい。すごいよ。見つけた、って感じです。
前半は、何度も現れる、巧すぎて思わず笑ってしまうような言い回しにどんどん惹きつけられて。後半は、無意識の期待にしっかりと応えてくれた、そんな風に感じる展開で、終わり方まで含めて陶酔してしまいました。ありがとう。
巻末にもありますが、孤独に悩む魂を楽にしてくれる、そう言って大げさではない小説だと思います。
感想はうまく言えない。
でも津村さんの作品を読むといつも、ふつふつと力が湧く。
不器用でも効率が悪くても自分の生活を生きようと思う。
第21回太宰治賞を受賞した、津村記久子のデビュー作。後半にいくに連れてぐーっと面白くなる、稀有な小説だった。いや、はじめの辺りも面白いんだけど、なんというか、とても好きだった。
主人公は卒業を控えた大学生の女、すこし変わっていて、処女。大学生のだらだらした感じと、貫かれた道徳観がよかった。
河北はわたしをめがけてグラスを振りかぶった。氷が鎖骨を打ち、頬が甘ったるく濡れて、アルコールの匂いが鼻をついた。いくらか啜った後の飲み残りだったから、たいした量ではなかったけれど、ともかく河北はわたしに飲み物をひっかけた。 「自分になにも問題がないからって、語れる奴を嫉むな」(p.68) 「問題がないのは悪いことじゃないけど、寂しいことなのかもしれない。わたしにはそれがふつうだけど。このま... 続きを読む »
ズルイ人っていうのは男女問わず、このくらいいいでしょ、って思ってやっている。 「本当は自分って有能で賢いのだからいいでしょ」 「あなたに比べたら自分は何にも恵まれてないからいいでしょ」 運や周囲の人間が悪い。それだけ。 あんたは呑気そうだ。いってみれば凡人だ。 なんで凡人のあんたの方が幸せそうなんだ。 だから、いいでしょと。大したことないじゃんと。 ズルイ行動や思考が曲がったまま... 続きを読む »
津村さんの作品の登場人物は独特な空気を持っている気がする。
この作品でもやはりそうだった。
最初のうちはどうにも感情移入しづらいなあ、と思いながら
読んでいたけれど今ではその独特なキャラが好きになってしまった。
ストーリーとしては大きいんだか小さいんだかよくわからないけれど
日常の中で事件が起こり、やりきれない気分になる。
その繰り返しの印象。
もやもやとした読後感が好みだとこの作品はなかなかツボだと思う。
どこか上手くいかない不器用さというか切なさというか、主人公の性格に惹かれたというか共感できたというか…
主人公の年頃はなにか世の中の不条理さや生きずらさに気付き始める時期で、それが上手く表現されていると思います。
でもそれに負けないよう食いしばって生きる、そんな力強さものぞいてて応援したくなりました。
面白かった。
小説のうまいへたとかってよくわからないけれど、これがデビュー作ってやっぱりすごいのでは??、と。興味の惹きかたとか構成とか文章とかすばらしいのでは??、と。わたしは津村さんの文章がすごく好きで、なにげない一文もいいなあーーと思うことしばしばで。そして、この本の松浦理英子の解説にも書かれていることだけど、どの作品にも出てくるような、どうしようもなく不器用だけどそれを淡々と受け入れて淡々と生きていて、なんかしょうもない人みたいに見えるけど、心根がすごくきれいで、たくましくて、なにがあっても「潰れない」人たちが大好きで。お手本にしたいくらいで。それでも、というか、それだから、というか、この作品は本当に重かった。軽妙な会話とか謎めいた構成とか、するするするする読めるのだけれど。うなりそうなほど重かった。津村さんの作品は軽いようで重い、ずっしりくるのだけれど、これからもどんどん読んでいく。
結構ディープな話なのにくすっと笑うこと多々。
見えなくても、人には色んなことがあるんだなぁと、
まあ、当たり前のことなんだけど、感じた。
イノギさんがマナー講師に言われたことも、
イノギさんの事情を知っていれば、
なんでそんなん言うんよって思うけど、
誰も彼もを慮ることはできないわけで。
誰にでもある、心のささくれ。
そんなことを感じさせる。

河北という名前、学食で友人が肩叩かれるところ、翌朝の女の子、に見覚えあり前も読んだかも。
68「語るための痛みじゃないか、それも他人の。」まさにそうと思う一方で、わたしCoccoとか好きで、そこ...





