枝元なほみの料理がピッとうまくなる (ちくま文庫 え 15-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 30
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426468

感想・レビュー・書評

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  •  不思議な人だなーと思う。
     テレビから受ける印象はふんわり掴みどころがなくて、レシピ通り作ったお料理は抜群においしくて、「何屋さん?」と言ってしまいたくなるくらい、いろんなことをやっている。まるでさも自分が“根無し草”であるかのように、特別やりたいことなんて何もなくて、その時その時の必要に応じて求められるままやってきた結果が今です、みたいなノリでご自分のことを書いているけれど、本当にその言葉の通りだったら、私が知っている「枝元なほみ」は今ココにいないと思う。やはりなにがしか信念がちゃーんとあって、毎回毎回きちんとお仕事なさってきたから、今もたくさんの人たちが彼女のレシピの恩恵にあずかれている訳でして。じゃあその「信念」とやらは何かな?と考えた時に、ご本人にお会いしたことがないので私の勝手な想像ではありますが、本書を読んで、まず、どこでも生きていける自信のある人かな、という気がしました。どんなに汗まみれでも泥まみれでもお金がなくても、前を向いて生き抜けるたくましさというか。良い意味で肝っ玉が切れすぎているというか。そして、毎回毎回いただいたお仕事を、それがどんな内容であっても、それこそ自分の針が振り切れるくらいまで一生懸命集中して頑張ってきた人かな、と。あとは、自分にとっての「料理」が「生きるために食べる」ための「手段」である、とどこまでも明確で潔いところ。食べることはもともとお好きだったと想像しているけれど、だからといって、他の人みたいに「美味しい料理を作りたい」とはいかなくて、「生きるために料理する。美味しければ、なお良し」としているところ。多岐にわたるお仕事が、枝元さんの中でこうして一つに結びついているんだなー、なるほどなーとなった。そう考えると、本書は枝元さんの「解体新書」みたいなものかしら。
     備忘録としてもう一つ書き加えておくと、イカとユキノシタの煮物のくだりは、目から鱗でした。
     お料理だけでなく、日常のあらゆる物事と、そうやってもっと柔軟に向き合っていけたらなーもっと毎日が楽しく、ある意味、もっと楽に生きられるようになるかもなーと思わずにはいられません。お料理と同じで、何事も試行錯誤の連続であることには変わりないと思うけど、その過程をもっと楽しめたらなー。その域へ到達するには、まだまだ修行が足りないっちゅーことですかね、こりゃ。

  • 料理家の枝元なほみが自身の料理に対する考え方や、人気料理家になるまでの人生紆余曲折を書いたレシピつきエッセイ。
    料理や食べることに対するスタンスはすごく共感できるところがあって、そうそうそうそう、と前のめりで頷きたくなる。
    料理家としては異色の経歴の人、という印象はあったけれど、改めてその経緯を読むとすっごいなぁ、この人、としみじみする。料理本の今昔もわかっておもしろいな。昔はとにかく数が載っていることがヨシとされた、とか。

  • 料理についてはレシピというより、覚えておいた方がよいコツが載っていて、
    初心者にはありがたい。

    エッセイは私の性格とはかけ離れすぎていて、
    ほー、となった。
    やろうとしていること、にはとても共感できた。

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著者プロフィール

料理研究家。

「2023年 『高校生と考える 21世紀の突破口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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