聞き書きにっぽんの漁師 (ちくま文庫 し 34-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426543

感想・レビュー・書評

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  • 2013 7/23読了。たぶん。恵文社一乗寺店で購入。
    恵文社の棚で見かけてちょっとずつ読んでいた本。
    漁師に色々聞いてきた話を書いているだけといえばだけだけど、ところ・漁の種類によって色々違いがあって面白かったり。
    だいたいのところでもう跡継ぎはいない/魚が減っている/暮らしは楽じゃない的な、「昔は良かった」感があるんだけど、大間のマグロとかはむしろ今がノっている感じだったり。
    漁獲量を制限しつつやらなきゃと思っては要るんだけどでも隣が船をでかくしたら自分も、としてやってきた話があったり、なんかこう、色々うまくいかんね感はある。
    ホタテの養殖で若者が入ってきて「苦労を知らない」とか話しているのはそこはかとない希望も感じるけども・・・。

  • 13人の北から南までの漁師さんたちの話を聞きまとめたこの本、非常に面白かった。 特に、サンマ漁師が国が指導して方向性を作ってこなかった事に対する批判はごもっともと、全体的にやはり後継者が少ない、昔はよかったということを述べている。テクノロジー(航法・漁法)が発達したことで、効率はよくなったけど、根こそぎ撮り尽くした(乱獲)こと、環境破壊も拍車をかけ、水産国ニッポンは間違いなく崩れてきたんだろうな~っと、やはり思う。もう手遅れなのかもしれないけど、、っと怖くもなる。
     当たり前に、食卓に魚介類がならぶ日本を自分たちの後の世代に、後世に残せるのか否かを考え、すくなくとも関心を持ち続けたい自分には大変、良い本でした。

     本当に、資源管理をすることで豊かな漁場を維持できるとすれば、少なくとも今のように発達しすぎたテクノロジーは結局、諸刃の剣で自分の首を絞めてきたってこと。

     ついでに、最後の、東京湾のアナゴ・アサリ漁は単純に、東京湾で漁をしているっていうのがギャップがあって、よかった。

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著者プロフィール

1947年秋田県角館町(現仙北市)生まれ。作家。東京理科大学理学部応用化学科卒業。アウトドア雑誌の編集に携わるかたわら執筆活動に入る。小説で芥川賞候補4回ノミネート。『木のいのち木のこころ』『失われた手仕事の思想』『手業に学べ』『大黒柱に刻まれた家族の百年』など、聞き書きによる著書を多く著す。2003年に絵本『なつのいけ』(絵・村上康成)で日本絵本賞大賞受賞。1950~60年頃の子どもたちの生活を描いた絵本『おじいちゃんの小さかったとき』(絵・松岡達英)がある。他に『正吉とやぎ』など。

「2022年 『少年時代 飛行機雲はるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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