ヘミングウェイ短篇集 (ちくま文庫 ヘ 11-1)

制作 : 西崎 憲 
  • 筑摩書房
3.54
  • (13)
  • (26)
  • (20)
  • (3)
  • (6)
本棚登録 : 350
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426840

作品紹介・あらすじ

マッチョなイメージの強いヘミングウェイだが、彼はモダニズムの作家として、繊細でおそろしいほどの切れ味をもつ短篇を生みだした。彼は、女たちをひじょうに優しい手つきで描く。弱く寂しい男たち、冷静で寛大な女たちを登場させて描きだしたのは、「人間のなかで人間であることの孤独」だった。ジョイスが完璧と賞賛した「清潔で明るい場所」をはじめ、14作を新訳・新編集で贈る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ヘミングウェイの言葉は独特とまでは言わないが、シンプルかつ(世界が抱く)アメリカ人っぽいイメージというか…。
    短編集なのでいきなり長編を読むよりは読みやすいです。
    ヘミングウェイ作品は若葉マークだという方はまずこちらをどうぞ。

  • p260
    キリマンジャロの雪まで

  • ヘミングウェイは私には遭わないようだ。

  • ロスジェネを読み始めようと思い漁って買った本。

    話の中の時代や当時の作家、その世代を知ろうとする中で勉強になる本でした。

  • ヘミングウェイ!
    少し大人になりつつも、子供に戻れたような感情。
    ジャームッシュ作品にも影響を与えてる気がします。

  • 白い象のような山並み

    ラジオで解説があったのをきっかけに読む。
    文章をそぎ落としすぎて2人がなにを話しているのか、なんのことか分かりにくい。
    が、わかってみるとそのすれ違い具合が。
    男の身勝手さが腹立たしい。

  • 濃厚な短篇集でした。好きな短篇は「清潔で明るい場所」、「スイスへの敬意」といったどこかしらユーモアに包まれた作品ですが、「敗れざる者」や「密告」は好みに関係なく引き込まれました。マヌエルもデルガドも、第三者が傍から見たらバカな真似をしているんだけど、もし周りに彼らのような人がいたら……きっとやりきれない。色んな感情を揺さぶられる一冊でした。

  • ヘミングウェイはいいぞおじさん

    「清潔で明るい場所」が好き

  • 長編のほうが面白い気がする。
    台詞のテンポ感が短編だと物足りない。

  • 「清潔で明るい場所」…家庭を持っているか否か、孤独を解するか否かで二人のウエイターのどちらに共感するかが分かれると思う。上司との飲み会に死んでもつき合いたくない部下の君には理解できないが、「この人もいろいろ大変なんだな」とちょっとならつき合ってやる余裕のある君には理解できるだろう。
    「白い象のような山並み」…この男の、「結局はどっちでもいい」感が、服屋で彼女に「どっちが似合うと思う?」と聞かれて適当に答える彼氏の図に見えた。
    「殺し屋」…自分の部屋でベッドに横たわり静かに死を待つ男。「明日世界が滅ぶなら今日一日何をする?」と問われたら自分もこうなりそうだと思った。
    「贈り物のカナリア」…最後の「ぼくたちは別居するためにパリに戻ってきたのだった」がモームっぽい皮肉だなと思った。
    「あるおかまの母親」…おかまは借りた金を決して返さないってひどい偏見だな。つまり君との絆を借金という形でもつなぎとめておきたいんだよ、わかってあげて。
    「敗れざる者」…ヘミングウェイ闘牛好きだったんだな。私の感覚では闘牛ってすごく残酷な見世物だと思うのだけど、血が滾るという人たちもいるんだね。弁髪と書かれるとどうしても清朝を想像してしまうので、訳は変えた方がいいと思う。
    「密告」…死ぬまで「いい店だった」と思わせておいてやりたいという、ちょっと上から目線の優しさ。
    「この身を横たえて」…好き。眠れない人間の気持ちは眠れない人間にしかわからない。夜横になりながら、蚕が葉っぱを齧る音を聞いているこの感じや、川の一か所一か所で釣りをする様子を思い浮かべること、知っている人間を一人一人思い出してその人たちのために祈ること。眠れないのに慣れている人間が数えるのは羊などではない。
    「この世の光」…一番大きい女が350ポンドはあるに違いない、と書かれているのだけど、キロに換算すると約158kg?158kgの売春婦?横綱鶴竜が156kg…混乱。しかしアリスの顔と声は清らかで澄んでいるさわやかな印象が残る不思議。
    「神よ、男たちを愉快に憩わせたまえ」…ヒエェ…
    「スイスへの敬意」…カフェの店員って面白いですよ。
    「雨のなかの猫」…とことん甘やかしてくれる他人と、無関心で冷ややかな夫。対比がすごい。
    「キリマンジャロの雪」…談話室でおススメしてもらった。感想は「短い小説を読む会」参照。
    「橋のたもとの老人」…動きたくないんだろうなぁ…。原発事故で汚染されようと津波で押し流されようと故郷に留まりたいと願う人たちがいるように。

全27件中 1 - 10件を表示

ヘミングウェイの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
イアン・マキュー...
梶井基次郎
村上 春樹
カズオ イシグロ
宮部みゆき
ドストエフスキー
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×