とりつくしま (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.46
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本棚登録 : 2071
感想 : 221
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480428295

感想・レビュー・書評

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  • 東直子 著

    東直子さんの本を読むのは初めてでした。
    名前は知っていたけど…短歌の人?
    日本の歌人の印象が強かったけど、短歌は勿論のこと小説や脚本、絵本、イラストレーターと幅広く活動されているのですね。
    多くの書物(殆ど、小説)を読んではいるけど…?読んでいたような気になっていただけで…(・・;)ブクログの方々の本棚を覗けば、登録はしてないけど、読んだ本も多くあると思えば、読んだことのない本や興味を注がれる本がそれ以上にあることに今更のように気付かされる。
    まさしく、この本もそうだった。
    何で読んでなかったんだろう、知らなかったんだろう、でも出会えたし、知る機会があって読めたことに感謝の気持ちでいっぱい(^^)
    ブクログに入ってて良かった〜(*゚▽゚*)って気持ちを再確認出来る!ありがとう♡ 素敵な本を教えてくれて、ホントありがとう(๑˃̵ᴗ˂̵)

    さて、本作の題名が『とりつくしま』
    10の短編と番外編を含む11話で構成されている不思議などれも切なくて、あたたかいお話

    この題名を最初にみた時は、どんな内容か想像も出来なくて”とりつくしま”って…
    ある対応に「とりつくしまもない…」ったらありゃしない、、なんて相手の態度が強引で入ってゆく余地もないような、どちらかといえば、嫌な気分になる悪い印象の言葉でしか思いつかなかったけど(๑•̌з•̑๑)੭
    本作はまるで言葉の語源でもあるような
     取りつく島 と.り.つ.く.し.ま…?
    「あなたは何を とりつくしま にしたいで 
     すか?」「何になりますか?」~(・・?)
    え〜っΣ(゚д゚lll)そんなこと言われても…
    とりつくしまがあるってことぉ?
    この発想には驚いた!(◎_◎;)
    とりつくしま係の存在があって、死んでしまったあとに、生きている以外のなりたいモノになれるという、モノになって大切な人の近くにいられるとしたら…。

    実のところ、私は死んだら無になると思うし、無になりたい、死んでまで感情が残っていたら最悪だ!って思ってる。 
    生きている今は死ぬまでにはしたいことを少しでも実現させたいとか少しはいい人間だったって印象を残したいとか…人に対して寛容な人間になりたい。
    (勿論、寛容になれていないから願ってるわけなん 
     なんだけど(>_<)
    究極の問題として断捨離したい!綺麗サッパリ片付けて余分な物や仕事を残したくない。
    残された人に自分のことであまり迷惑をかけたくないとか真剣に考えてるけど…
    死んだらそんなすべての感情もなくなり、思い出も意識もなくなる訳だから別にいいのか?とも思えてきたりもする(-。-;
    ただ、残された家族(親はもういないし、姉は家族が居るし、友達だって家族が居て、私がいなくても問題なさそう)パートナーである主人のことだけが気がかりだ(。-_-。)
    そのことを考えだすと、一人残された夫が気の毒で、心配で悲しくなるから考えたくなくなるけれど、それすら生きているから悲しくなるのだろう。
    だから、自分は死んだらこの世に何の未練もなく、とりつくしま なんてほしくもない。
    死んでまで悲しみに暮れたくない。
    けれど…この本を読んでいたら、、
    やっぱり、切なくてしんみりして…なのに何だかあったかくて心の中に沁み渡ってきた。
    結局、死んで何も出来ないけれど、見守っていたい思いや優しさに包まれてしまう。
    そして、自分はどんなとりつくしまになりたいのかな?と思った。
    最初の一編目の”ロージン”これはいいな!と思ったけど、息子も居ないし…
    扇子か日記…夫が持っているところも書いているところも見たことがない(−_−;)
    とにかく、なりたいモノになれるとしたら消耗品がいいなぁ…ワタシ。
    なんて誰にも聞かれた訳でもなく、とりつくしま係さんに会ったことも会えるかどうかも分からないんだけど。
    あ、そうだ!私、毎日舐めているマヌカハニー(ハチミツ)がいいな!
    健康にいいから(今更…(^_^;)
    私は口内炎になりやすいので抗菌作用含むといって買ってきてくれてる高いヤツだ!
    こんな高額な蜂蜜勿体ない(-。-;と言いながら、結構、美味で意外と?体に良さげな気がして続けている、それを引き継いで癒してもらいたい(^^;;
    それそれ!その瓶の中に入っているひと瓶のハチミツになりたい!
    ひと瓶の中身(ハチミツ)がなくなると同時に、私も消滅したい。(な〜んて、結局何になりたいか?考えてるじゃんσ^_^;)
    短編作品のどの作品もそれぞれに面白くジーンときて良かった。
    特に私の好きだった編は、
    「ロージン」と「白檀」それから「日記」かな、、ホントはこの日記のとりつくしまさんがいい!グッとくるものがあった。
    番外編の「びわの樹の下の娘」はチョット怖かったですよ、、
    あとがきにも書いてありましたが、この本の作品は、とてもよく朗読されているとのこと
      それがとても分かる作品だと思います。
    東直子さんのあとがきが、また本当にいいんですよ!ネタバレになるから言いませんが…
    この本の表紙のイラストがまた素敵です♪
    表紙見ただけで手に取りたくなってしまう。
    時々、絵本好きの友達から素敵な絵が描かれている絵葉書の便りをもらいます♪
    ある日もらった絵葉書の絵がヘンリー.ダーガーの絵で、あらら、少し露わなチョピリ恥ずかしくなるようなそれでいて可愛い(。◠‿◠。)♡大好きな絵、その絵葉書の絵を思い出しました。
    少し似ているような本作の表紙のイラストは岡田里さん。

    東直子さんのこの本は、とても私の好みの作品でした。他の作品も是非また読んでみたい
    短歌も。

    追記
    少しネットで短歌をタグってみた(*゚▽゚*)
    これがまたいいんですよ
    三遍だけ引用します。

    一度だけ「好き」と思った一度だけ「死ね」と思った 非常階段

    後悔が残るくらいがちょうどいい春あわゆきのほかほか消える
    (東直子/「春原さんのリコーダー」より)

    電話口でおっ、て言って前みたいにおっ、て言って言って言ってよ
    (東直子/「青卵」より)

    きっと…ブクログの短歌好きの人は詠まれたでしょうし、載せてくれてたかもしれない。
    私も、東直子さんの作品にとても興味を持ちました。
    次に読む作品も何処かで探してみよう!
    次の作品をとりつくしまにしよう
        (まだ…死んでないけどね(⌒-⌒; )

    • hiromida2さん
      しずくさん、ありがとうございます♪
      確かに、私も積読本多くて…(-。-;
      読みたいと思っても、いつになることやらって本多いです!
      『とりつく...
      しずくさん、ありがとうございます♪
      確かに、私も積読本多くて…(-。-;
      読みたいと思っても、いつになることやらって本多いです!
      『とりつくしま』タイトル
      歌人である東直子さん、ならではですよね〜(о´∀`о)
      2022/07/26
    • Sintolaさん
      hiromida2さん、素敵な本のご紹介ありがとうございます。
      (また私のレビューにもコメントいただき大変嬉しいです)

      ほんわかした...
      hiromida2さん、素敵な本のご紹介ありがとうございます。
      (また私のレビューにもコメントいただき大変嬉しいです)

      ほんわかした絵の表紙に、”とりつくしま”という不思議なタイトルに惹かれてしまい、hiromida2さんのレビューに背中を押され、さっそくポチっとさせてしまいました。なんだか身の回りの日用品から食品に至るまで、全て愛おしい気分になりました。大事に扱わねば。。
      東さんの独特の世界観に引き込まれてみたいと思います!
      2022/12/10
    • hiromida2さん
      シントラさん、ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*)。♪︎:*
      東さんの独特な世界観に引き込まれて下さいませ(ღ′◡︎‵)
      そしてまた読まれた後...
      シントラさん、ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*)。♪︎:*
      東さんの独特な世界観に引き込まれて下さいませ(ღ′◡︎‵)
      そしてまた読まれた後のシントラさんのレビュー
      楽しみにしております♪
      2022/12/10
  • とりつくしまって、聞いたことあるようで、よく分からない言葉だなと思っていたら、『とりつくしまもない』のとりつくしまだ、と調べて分かったが、打消表現を伴わなくても意味があることを知り、漢字にすると「取付島」となり、『頼るべきところ。とりつくところ』の意味があるそうで、多く使われる方ではなく、正反対の方を表に持ってくるあたり、東さんならではの面白い視点だと感じさせられた。

    本書で共通しているのは、死んだ人が、生きているもの以外のモノになって、もう一度この世を体験出来るといった、本来、不可能であろう事が可能になる夢のような話で、そのとりつくしまとなる思いも寄らぬモノたちのバラエティさも、人それぞれの嗜好や人生観が窺えて印象的だし、必ずしも、死者にとって頼るべきところとなる訳ではない点にも、人生の妙味が詰まっているようで味わい深いし、何より、無生物に魂を宿らせるという、そのアイデア自体が、言葉にかけがえのない生の魂を宿す歌人、東さんの、短歌と小説といった異なる素材ではありながらも、魂の拠り所を変えて見せてくれる斬新な世界は心に響くものを感じさせられるし、歌も物語も関係なく、言葉を使って何かを表現したいといった、心意気や思いは充分に感じられたと思う。
    が、しかし・・


    これまでもいくつか、短歌以外の東さんの作品を読んできましたが、本書で私が実感したことは、やはり、歌人の東直子さんがいちばん好きなのだということでした。

    別に、二足の草鞋がどうとか、短歌以外の作品が好きではないとか、そういうことではないし、寧ろ、読み終えて、なんて酷い作品なんだと、はっきり思えるくらいの方が、却って、サバサバしたものを感じたのかもしれないし、本書を読んで思わず目頭を熱くされた方も、きっといらっしゃると思う。

    それでは、いったい何なのだというと、こういうのは言葉で上手く説明出来ないので、以前、私が感想を書いた、東さんと木内達朗さんのコラボ歌画集『愛を想う』の中にあった、ひとつの歌を掲載いたします。


    『焼きたてのレモンチキンにナイフ入れじわりと思う、思うのでしょう』


    少なくとも、この短篇集では小説というカテゴリの為、ある程度の説明しなくてはならぬ文章が、どうしても必要となり、それも含めて、東さんの小説という認識となるが、私の中の東さんは、上記の言葉だけで既に充分なのであり、言葉が少ないからこそ、逆にそこに、東さんの思いや生の魂がより鮮明に見えてくる気がする。ただそれだけでいい。

    • つくねさん
      たださん、こんにちはww

      とりつく暇もないって、ずーと勘違いしてましたorz
      なんと、島が正しいのですねww

      同じ言葉を使う表...
      たださん、こんにちはww

      とりつく暇もないって、ずーと勘違いしてましたorz
      なんと、島が正しいのですねww

      同じ言葉を使う表現方法でも琴線に触れる感覚が違ってくるんですかね。
      31音だけで充分伝わってくるから、補足は蛇足みたいな。
      不純物を削りに削ったなかの原石のような光。
      相当この歌人に入れこんでみえるようなご様子ですねww

      2023/07/06
    • たださん
      しじみさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます(^^)

      「とりつく暇もない」との勘違い、あるあるですよね。確かに、どっちだっけかな...
      しじみさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます(^^)

      「とりつく暇もない」との勘違い、あるあるですよね。確かに、どっちだっけかなと迷いそうだったので、今回、漢字や意味まで調べました。

      そうですね。
      言い方が難しいのですけど、31音で充分伝わるというのが、何かの正解ではなくて、あくまでも、東さんの生き様を知るのに充分ということでして、それは、言葉の選択や組み合わせ、そして順番からも、その時の詠み人の思いを酌み取れたり、31音だけの世界から、そこに書かれていない言葉や感情を、読む人それぞれが、思い思いに想像させられるような懐の深さも感じられて、一つの歌から、様々な解釈が生まれてくるのも、その書かれていない部分の素晴らしさがあるからだと、私は思っていまして、この31音という文字数は本当に絶妙だと思いますよ。

      東さんは、やはり人気のある方で、市の図書館に、歌集がほとんど無いのが残念なのですが、歌それぞれに、色々な持ち味があって、時に言葉で胸を抉られるような表現から、素朴で美しい表現、これは女性でないと書けないなと思わせる表現まで、心に響く歌が多く、私の好きな歌人の一人です。
      2023/07/06
  • とりつくしま
    2017.11発行。大活字本シリーズ、埼玉福祉会。
    なお、本の登録は、「とりつくしま (ちくま文庫) 2011.05発行」で行う。
    ロージン、トリケラトプス、青いの、白檀、名前、ささやき、日記、マッサージ、くちびる、レンズ、番外編・びわの樹の下の娘の短編11話。

    読みやすい、読んでいると詩を読んでいるような気がする。
    この本は、いいです。
    母の想い、息子の想い、初恋を貫いた想い…などが胸にしみて来ます。
    東直子さんの本を読むのは始めてです。

    初読みしてから1ヶ月が経ちます、いまは、この本が手放せません。
    毎日寝る前に、この「とりつくしま」と、工藤直子さんの「なんとなく・青空」を音読しています。
    特に、この本は、音読するとその時の感情がすごく表れて、笑いがでたり、涙がでたりと、その時の気持があらわになります。
    ちょうど、読むのに長さもいいです。
    2020/05/05

    【ロージン】
    《しんみりするけど爽やか。》
    母が亡くなり野球投手の息子が使うロージンにとりついて
    母の息子への想い。
    【トリケラトプス】
    《これは面白い、笑いが出る。(⌒-⌒)ニコニコ…》
    妻が亡くなり夫のトリケラトプスのカップにとりついて
    妻の夫への想い。
    【青いの】
    《もの悲しい。小さい子供の独白で涙するなんて、涙もろくなったなぁ~と思いました。(涙)》
    男の子が亡くなり一番好きな青いジャグルジムにとりついて、そして男の子のママへの想いと。母親の思いを慮ると、なんとも言えず切ない気持ちになりました。
    【白檀】
    《一途の愛ですね、胸にじ~と、きます。》
    師匠を愛する弟子が亡くなり、初恋の人であり、その書道の師匠の香り、白檀の扇子にとりついて。16才の少女が初恋を、最後まで通していく純愛。
    【名前】
    《こんな事もある。》
    何もかも無くした人(浮浪者)が亡くなり、優しくしてくれる図書館員の小雪さんにほのかな愛を抱き…、その人のネームプレートにとりついて
    【ささやき】
    娘が亡くなりママへの想いを込めて、耳が悪くなったママの補聴器にとりついて、
    《この話は、ハッピーエンドとはいかないね。》
    【日記】
    夫が亡くなり愛しい妻の日記にとりついて妻を見守るが、妻は再婚するにあたり夫との想いを綴った日記を燃やして、新しく出発する。妻は、夫と結婚する前から付き合っていた彼と…。
    《夫は、何も知らず妻を信じていたが、妻には男がいた…、よくある話と言ってしまえばそれまでだが、嫌なことだ。》
    「ささやき」から少し話の流れが違ってきている。
    【マッサージ】
    夫が亡くなり家族のそばに有るマッサージ器にとりついて、家族の体を、心をいやしていく。
    《亡くなっても家族の側に居たい…。》
    【くちびる】
    14才の女の子が亡くなり、初恋の人とキスをするために、初恋の人の恋人のリップクリームにとりついて、キスをする。《ほんわかしている。》
    【レンズ】
    私は、再婚相手の子供の子供に買ったカメラのレンズにとりついたが、その子が、私が亡くなったらサッサとカメラを売ってしまった。中古屋で私のカメラを買った、爺さんと旅をする。《なんか分からない話だ…。》
    【番外編・びわの樹の下の娘】
    亡くなる前に娘が枇杷の樹の下に髪の毛を1本植えてくれという。その枇杷の樹は、娘が好きな男が植えた枇杷の樹の種を庭に植えたものだ。大きくなった枇杷の樹の下に、亡くなった娘の髪の毛を植えると、そこから葉が出て枇杷の樹に絡み付き枇杷の樹を枯らすと、同じ時期に娘が好きだった男も死ぬ。好きな男は、娘が亡くなる前に別な女と結婚した。《恐ろしや怨念》

    ※文は、感想。《》は、私の想い。

    【読後】
    死んだ人が、生前の人の持ち物にとりついて、生前の想いを語る物語。
    こういう物語を読むのは、始めて。内容を知っていたら、まず読まなかったと思える。
    最初の「ロージン」を読んでこれは変だと思い、あらすじを調べると『あなたは何に「とりつき」ますか? 死んでしまったあなたに、とりつくしま係が問いかけます。そして妻は夫のマグカップに、弟子は先生の扇子に、なりました。切なくて、ほろ苦くて、じんわりする連作短篇集。』とある。
    皆様のレビューが良くて、まさかこんな物語だとは思わなかった。(苦笑)
    いま考えると本のタイトルも変だよ。
    まいった、仕方がないので読んで見ることとすると…、良かった。
    いまは、手放せない一冊になっています。

    • 5552さん
      やまさん、こちらこそ、いつもいいね!ありがとうございます。
      レビュー、書き直されたんですね!
      『なんとなく・青空』とこちらの『とりつくし...
      やまさん、こちらこそ、いつもいいね!ありがとうございます。
      レビュー、書き直されたんですね!
      『なんとなく・青空』とこちらの『とりつくしま』を音読されているということ。
      音読、いいですよね。
      私もたまに詩や短歌などを音読してみるのですが、言葉にちょっと気持ちが入ります。
      でも、やまさんのように笑ったり、涙が出たりまではしません。
      きっとやまさんが感性豊かな方なんでしょう。
      まだまだ修業が足りませんね、私。
      あと、三ページも読んでいると声がかすれて喉が痛くなって来ちゃうのですが、やまさんは大丈夫ですか?
      音読を続けられているので声帯が丈夫なのかもしれませんね。
      『とりつくしま』再読したくなってきました、、、。

      2020/05/06
    • やまさん
      5552さん♪こんにちは。
      コメント♪有難う御座います。

      感想は、ほとんどのものが最初に投稿してから何回かは、誤字脱字の訂正、修正、...
      5552さん♪こんにちは。
      コメント♪有難う御座います。

      感想は、ほとんどのものが最初に投稿してから何回かは、誤字脱字の訂正、修正、追記、【豆知識】、【読後】の書き加え等々……をやっています。
      なお、誤字脱字は、訂正しているつもりですが、気づかないものも有ります(汗)

      音読していると、言われる通り「言葉にちょっと気持ちが入ります」ね。
      寝る前にやるからか、笑ったり、涙がでたりします。
      あ、そうだ、私は歳なんですね(笑)
      「読んでいると声がかすれて喉が痛くなって来ちゃうのです」は、ないですね。
      最初は、よくつまって、つっかえつっかえ読んでいましたか。いまは、だいぶましになりましたが、よくつっかえます。
      私が読んでいるのは、文庫版を定本にした大活字本です。
      これには、文庫版あとがきが書いてあります。
      「本を書き上げたときには思いもよらなかったことですが、本が出版されたあと、朗読に使いたいという申し出が次々に有りました。」と書いて有ります。
      音読は、いいですよ。

      やま
      2020/05/06
  • 死んだら、私のこのいろいろな思いはどうなるのだろう。
    消えてなくなってしまうの?
    それとも、思いを抱えたまま、あの世みたいなところにいくのだろうか。

    この連作短編小説の世界では、未練を残し亡くなった主人公達は、「とりつくしま」を探している、という。

    この世のもので、生きているモノ以外になら何でもとりつける、と「とりつくしま係」と名乗る生き物が言う。

    主人公達は思いを残した人のそばにいたいと願い、様々なものにとりつく。ロージンバッグ、マグカップ、ジャングルジム、扇子、ネームプレート、補聴器、日記、マッサージチェア、リップクリーム、カメラ...。

    そのどれもが愛する人に触れられ、体温を感じられるものばかりなのが、切ない。そして官能的。

    私だったら何にとりつくのかなあ、と考えた。
    ...うーん、氷のうの氷かな。

    自分だったら何にとりつきたいか、と考えることで、自分はその人をどうしたいか、何をしてあげたいか、という欲望が見えてくるような気がする。

    主人公達の、それぞれのおまけのような、最後の「生」に共感したり不憫に思ったり、恐怖を感じたり。

    それぞれが短めの短編なので飽きずに読めた。

    あと表紙の絵がヘンリー・ダーガーみたいだと思った。

    • やまさん
      5552さん♪こんばんは。
      いつも、いいね!有難う御座います。
      「とりつくしま」は、読みやすく、読んでいると詩を読んでいるような気がする...
      5552さん♪こんばんは。
      いつも、いいね!有難う御座います。
      「とりつくしま」は、読みやすく、読んでいると詩を読んでいるような気がする本です。
      この本は、いいですね。
      母の想い、息子の想い、初恋を貫いた想い…などが胸にしみてきます。
      東直子さんの本を読むのは始めてです。
      初読みしてから1ヶ月が経ちます、いまは、この本が手放せません。
      毎日寝る前に、この「とりつくしま」と、工藤直子さんの「なんとなく・青空」を音読しています。
      特に、この本は、音読するとその時の感情がすごく表れて、笑いがでたり、涙がでたりと、その時の気持があらわになります。
      ちょうど、読むのに長さもいいです。
      やま
      2020/05/06
    • やまさん
      5552さん♪こんにちは。
      コメント♪有難う御座います。

      感想は、ほとんどのものが最初に投稿してから何回かは、誤字脱字の訂正、修正、...
      5552さん♪こんにちは。
      コメント♪有難う御座います。

      感想は、ほとんどのものが最初に投稿してから何回かは、誤字脱字の訂正、修正、追記、【豆知識】、【読後】の書き加え等々……をやっています。
      なお、誤字脱字は、訂正しているつもりですが、気づかないものも有ります(汗)

      音読していると、言われる通り「言葉にちょっと気持ちが入ります」ね。
      寝る前にやるからか、笑ったり、涙がでたりします。
      あ、そうだ、私は歳なんですね(笑)
      「読んでいると声がかすれて喉が痛くなって来ちゃうのです」は、ないですね。
      最初は、よくつまって、つっかえつっかえ読んでいましたか。いまは、だいぶましになりましたが、よくつっかえます。
      私が読んでいるのは、文庫版を定本にした大活字本です。
      これには、文庫版あとがきが書いてあります。
      「本を書き上げたときには思いもよらなかったことですが、本が出版されたあと、朗読に使いたいという申し出が次々に有りました。」と書いて有ります。
      音読は、いいですよ。

      やま
      2020/05/06
  • 現世に心残りがあるまま、この世を去った人たちが、何か「物体」になってもう一度現世を体験できるという面白いコンセプト。家族や恋人など、大切な人が使っていた物体に宿って、それぞれの人に「憑りつく」11のエピソードが紹介されている。1話をだいたい10分強で読むことができるのだが、ホロリとさせられる。音読会も行われているようだ。私だったら途中で涙が出てしまい、音読にならないだろう。。

    特に印象に残っているのは次の3つである。
    ・妻のことが気になり、妻の日記にとりついた夫
    ・母親・妹・友人に会いたくて、公園のジャングルジムにとりついた男の子
    ・妻と子供に会いたくてマッサージ器にとりついた夫

    とりついてみたところで、必ずしもハッピーエンドになるとは限らない。
    ネタバレにはしたくないが、人間は「物体」を雑に扱ってしまうもの。例えば、とりついた「物体」が見知らぬ人に渡っていたり、全く使ってもらえなくなったり、途中で捨てられたり、物理的に破壊されたりする。ちょっと残酷だが、現実に起こりうることである。そんな時に「物品(故人)」目線からどのような思いが語れられるのか、必見である。

    人からもらった「贈与」の対象物には、その人の魂が宿るらしい。長く存在する記念品であっても、食物のような消耗品であっても同じである。嫌なことがあった日は、この本を思い出して、自分の周囲にある故人の「魂」に想いを馳せて、1日1日を生きていることに感謝したい。間違っても、モノに八つ当たりすることはできない。

  • "この世"に未練を残して亡くなった人がモノ(とりつくしま)に憑依して死後の様子を見ることができる、という話。いつまでも残るモノにとりついたら、結構シンドいんじゃないかな、と思った。

  • 歌人である東直子さんの、不思議な短編集。
    亡くなってから、とりつくしまを探している人の願いを叶えてくれる、とりつくしま係。
    生き物ではなく物であれば、とりつくことが出来るという。
    帯には「大好きな人に今すぐ会いたくなる本NO.1!」と書かれていた。
    「やさしさに包まれながら号泣していました」とも。

    でも私はこの短編たちが好きになれなかった。
    泣けるポイントは、多分、分かっている。
    残された者としても、ここに故人の魂が移っているかもしれないと、思うこともある。
    ただ私は、死んでしまったあとに何故もう一度、切なさや寂しさ、嫉妬や現実の姿を、故人に思い知らさなければならないのかと、
    いたたまれない気持ちになってしまった。

    自覚もなく世を去ってしまった者にとっては、とりつくしまのような時間が必要なのかもしれない。
    「例えとりついた事により辛い思いをしようと、もう一度あの人に会いたい」そんな故人の思いも、確かにあの世には存在するのかもしれない。
    でも、もういいよ。
    そう思ってしまった。

    死んでしまってから、業による苦楽の果報を受け取らなくても良いではないか。
    改めて思い知る、自分の死。
    見えてくる真実、新たな事実。
    それは喜びに通じることも有るだろうが、ある種の諦めや割り切りにより気持ちを整理しなければならない場合もある。
    余計に未練が残る場合もある。
    そんな思いは、生きているうちだけで充分だ。

    そんな風に思ってしまって、泣けなかったし、私にとっては、後味の悪い1冊になった。
    もう少し老いてから読めば心に響いたのかもしれないが。

    ただ、死んでしまった者目線の表現が独特の浮遊感を呼んで、これは歌人である東さんでなければ書けないだろうなと思った。
    ロージンやリップクリームの、本体から離れた一部を表現した文章は流石だった。
    そしてどのストーリーも最後の1文に胸が痛む。
    だから余計に私は、もういいんだよという気持ちにとらわれてしまった。

    私も勝手なものだ。
    大切な人が亡くなれば、私だってきっと故人が使っていた物に話しかけたりするだろうに、
    こうした物語を読むと、物にとりついてまで、そんな思いをしなくていいんだよと思ってしまう。
    死者には、感情に揺らいだりしないで済むような、暖かく明るい何処かで浮かんでいて欲しい。
    と、レビューを纏めていたら、涙が出てきた。

  • 命を落としたあと、物にとりついて大切な人のそばに残るという11話の優しい短編。
    夫の魂が、残した妻の日記帳にとりつく「日記」がとても好き。受容に至る感情の推移がとてもとても美しい。
    「白檀」、「トリケラトプス」も素晴らしい。

  • 死んでしまった人がモノにとりつくことをとりつくしまという。この世に未練がある 、死んだことに納得がいかない … …そんな人たちの前に現れるとりつくしま係。モノから世界を眺めることはできるけど、自分の意志で動いたり 何かに働きかけたりすることは 、できない。
    一方通行の思い、切なすぎる。それでも人はとりつくしまになりたいのだろうか。とりつくしまになった人の届けたい思い、届けたい言葉は届きましたか?

    「ロージン」
    このくらいの長さがいい。母から息子へ本当のさよなら。
    「トリケラトプス」
    他に付き合う人が出来るのを見るのは辛い。それでも、触れてもらいたい、そばにいたい。
    「青いの」
    これは、1番残酷。幼稚園の子供を…。ずっとひとりで友だちを見てないといけないの?いつくるかわからないママを待ってるの?そしていつかは来なくなるよね…
    「白檀」
    1番好きな話。純愛。毎年先生に会える喜び。書道の世界って凛としていていいな。
    「名前」
    名札って、お胸の上っ…嫌らしく感じる。でも、図書館の話で面白かった。
    「ささやき」
    どんな酷い事をされても子供は親を思う。
    「日記」
    最後の日記はいつなのか。ずっと奥さんを見守り続けたのだろうな。そして1番言いたかった言葉を見つけた。
    「マッサージ」
    この作品だけアンソロジーで読んだ。その時はピンと来なかったけど、とりつくしまが何かわかった今はお父さん頑張れ!
    「くちびる」
    本当の恋も知らないまま死んでしまった女の子。思いは叶ったのだろうか。
    「レンズ」
    これは1番前向きなとりつくしま。おばあちゃん悲しい目にもあったけどこれでよかった。最後がこの作品でよかった。
    番外編「びわの樹の下の娘」
    このような事があるから、とりつくしまは植物もダメなのかな。

    もしも私ならって考えたけど、やっぱり私はとりつくしまを希望しないと思う。私には耐えられない。旦那さまを見ているだけなんて…

    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんにちは~♪
      このあいだは、温かなメッセージをありがとう~。嬉しかった~♪
      おかげさまで、ようやく元気がでたよ!

      昨...
      けいちゃん、こんにちは~♪
      このあいだは、温かなメッセージをありがとう~。嬉しかった~♪
      おかげさまで、ようやく元気がでたよ!

      昨日は久しぶりにブク友さんの所へ訪問できて、とても楽しくて、
      素敵なレビューを時間を忘れて読んでしまった!
      気が付いたら日付が変わってた!まずい(笑)。

      この本、なんか気になる。
      今読んでる本にちょうど「つくも神さま」が登場してて、そんな感じかな?

      今日、うさこ地方はものすごく寒い。
      けいちゃん地方はどうかな?
      この寒暖の差で、また体調を崩さないように気を付けねば。
      少しづつ読みためた感想も書かなくちゃなんだけど、
      のんびりとやっていくわ~
      また仲良くしてね。

      レビューの最後の一行に、うふふ♡ってなったよ~(#^^#)
      2017/04/01
    • あいさん
      うさちゃん♪

      こちらでもこんにちは(^-^)/

      元気が出てきたようでよかった(*^^*)♪
      春は体調崩しやすいから気をつけて...
      うさちゃん♪

      こちらでもこんにちは(^-^)/

      元気が出てきたようでよかった(*^^*)♪
      春は体調崩しやすいから気をつけてね。

      「つくも神様」ってどんなのだろう。感想楽しみにしてるね。
      とりつくしまは、なんか救われない気もするなぁ。ちょっとでも相手が気付いてくれればいいのだけど。
      でもそうするとこの物語の良さが半減してしまうかな。お涙頂戴の物語ではなく自分の気持ちを届けたいって感じだからね。

      やっぱり私はとりつくしまにはならないと思う。うふふ♡だからね(*≧艸≦)

      これからもよろしくお願いします♪
      2017/04/03
  • [⭐︎3.5]

    老若男女問わず、いろんな主人公が出てくる短編集だったので、読者も共感できる話が1つはあるのではないでしょうか。

    自分だったらなににとりつくかな?と考えながらよんでました。
    息子のロージン(消耗品)になりたいと言ったお母さんは、潔くかっこいいなと感じました。
    他の人は、家族や大切な人の身の周りの長く使えるモノに取り憑いているのに、このお母さんだけ、お互い長く一緒にいすぎたら別れが辛いという理由で消耗品に。

    ほろりと来るけど、よんだらほっこりするいい短編集でした。

    • あんころ餅さん
      これジーンと来るよね!私も何かに取り憑けるならずっとそばにいれるものがいいな!時計とかダイニングテーブルとか(^O^)
      これジーンと来るよね!私も何かに取り憑けるならずっとそばにいれるものがいいな!時計とかダイニングテーブルとか(^O^)
      2021/04/15
    • もちっちさん
      ダイニングテーブルは、引っ越しとかじゃないと買い換えないからいいアイディアやね!(笑)けど、ずっと長く一緒にいすぎると、旦那さんのマグカップ...
      ダイニングテーブルは、引っ越しとかじゃないと買い換えないからいいアイディアやね!(笑)けど、ずっと長く一緒にいすぎると、旦那さんのマグカップになった奥さんみたいに、彼女が出来たりしたら、それも見ないと行けないのはショックやなーと思った!笑笑 
      面白い作品貸してくれてありがとう(^^)
      2021/04/15
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著者プロフィール

歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』、小説に『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集に『一緒に生きる』『レモン石鹼泡立てる』、歌書に『短歌の時間』『現代短歌版百人一首』、絵本に『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)などがある。「東京新聞」などの選歌欄担当。近刊にくどうれいんとの共著『水歌通信』がある。鳥好き。

「2023年 『朝、空が見えます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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