- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480428295
感想・レビュー・書評
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不思議な余韻が残るお話でした。
「とりつくしま」を読んでしまうと、身の回りにあるものに、命を感じて粗末にできなくなりました。どの話も引き込まれましたが、ジャングルジムのお話が切なかったです。あと、クスっと笑えるものもありました。詳細をみるコメント4件をすべて表示-
わだめさんあんころ餅さん、ありがとうございます。図書館でなかなか借りられなかったので、読めて嬉しかったです。東さんの不思議だけど優しい世界に、今回もハ...あんころ餅さん、ありがとうございます。図書館でなかなか借りられなかったので、読めて嬉しかったです。東さんの不思議だけど優しい世界に、今回もハマりました。2021/03/19
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もちっちさんあらすじ読んだけど、面白そう!物になって生まれ変わるのは新しい発想やね。また読ませてもらおーっと!あらすじ読んだけど、面白そう!物になって生まれ変わるのは新しい発想やね。また読ませてもらおーっと!2021/03/21
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あんころ餅さんうん!新しい発想やね!短編集やし、時間なくても少しずつ読めるからいいよ♬うん!新しい発想やね!短編集やし、時間なくても少しずつ読めるからいいよ♬2021/03/21
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いつかは死ぬけれど、こんなふうにとりつくなら、いいかも。
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昨年夏、読書仲間と交換した本を少し時間のたった今、手に取った。
この世に未練を残し、亡くなったばかりの人の前に「とりつくしま係」が現れる。
生き返ることはできないけれども、モノにとりついて、この世をもう一度体験できるのだという。
軟式野球部のピッチャーの中学生の息子のロージンバッグに「とりつく」母親。
二年前に結婚したばかり。トリケラトプスのマグカップに「とりつく」妻。
公園の青いジャングルジムに「とりつく」幼稚園生。
尊敬していた書道の師匠の扇子に「とりつく」女性。
図書館司書の女性の名札に「とりつく」ホームレスの男性。
けんかばかりしていた母の補聴器に「とりつく」女性。
交際中から文通を続けていた妻の日記に「とりつく」夫。
働き盛りの50代。妻、大学生の息子、高校生の娘を残して亡くなった男性は、リビングのマッサージ機に「とりつく」。
バトミントン部の女子中学生は、憧れの先輩の彼女のリップクリームに「とりつく」。
孫に買ってあげたはずのカメラのレンズに「とりついた」女性は、思わぬ引取り手の元に迷い込む。
母を残して亡くなる娘は、自分の髪の毛一本、裏庭に埋めるように懇願。びわの木にからみつく宿り草に「とりついた」。
死者のこの世への未練や無念の思いは様々。
生前かなわなかった思いを胸に戻った現実は、実に切ない。
優しい筆致で読み易い文体だが、読むのに時間がかかる作品集。
それは、人生の価値と、人の命の重さなのだろう。
悔いのない人生などありえない。
でも、自分なりに大切に生きていこうと、静かに深く思うことのできた美しい短編連作集。 -
こういうことがあったらいいな、と思いながら
読んだ。
良い話だけじゃないのも良かったけど
自分が日記を書くから、
日記になった夫の話で一番泣いてしまった。
うちの夫は間違いなくブラジャーになるだろうな…
→本人に確認したら、女湯の鏡か電気になるらしい。
妻の元に帰って来る気ゼロ… -
本当にとりつくしまがあって、なにかにとりついてくれてたらいいな。
私の知らないところで、だれかが、なにかが、見守ってくれていると時の流れに希望をのせることは、傲慢ですか、それとも高潔ですか。 -
〈青いの〉は、子どものお話だったせいか特別切なく涙がこぼれた。
短編集は、あまり好まないけれど、どれも良いお話だった。 -
あったかいような、嬉しいような、悲しいような、決して辛くはないんだけど、ずっと切ないような、複雑な感情に終始した。
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今、相手に触れられる距離にいること
話したり
触ったり
目を合わせたり
できるということ。
とりつくしまの
潔さ
ほんわかさ
救いようのなさ
愛情の深さ
切なさ…
全てからそれを気づかせてくれた。 -
さらさらと読める短編集。死がテーマではあるけれど、悲しいというよりは、日常が淡々と進んでいくようなイメージ。取り憑いた“モノ”から見た視点というのが斬新で面白い。特に「ささやき」と「日記」が好きだった。
実際にもこういうこと、あるのかもしれない。話自体は虚構、ファンタジーなのだけど、現実にあると思いたくなるような、柔らかで暖かい光に照らされているような、そんな小説だった。 -
モヤモヤ切なすぎる非生命体になって思いが残って、残された者達の様子を伺うなんて。