地図の遊び方 (ちくま文庫 い 72-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 127
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480429049

作品紹介・あらすじ

地図を眺めることが大好きな著者が、さまざまな地図の見方を伝授する。百年前は競馬場だった大学や東京よりハノイに近い日本の島がある!イタリアの地図はミュンヘンがモナコ-など、日本と世界の政治・文化・歴史にまつわる諸事情が見えてくる。そんな奥深い地図の世界を一挙紹介する。身近にある地図で、あなたも新たな発見ができるかも。

感想・レビュー・書評

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  • 主に国土地理院の5万分の1の地図を楽しみまくっている著者のエッセイ?
    さすがに選ばれる地名がマニアック過ぎて知らんわそんなとこ!ってなります笑。
    「等高線が美しい!」
    「この地図ほぼ全部海だぜ?」
    「政治的な理由で地図は結構主観的に書かれてるんだぜ?」
    「飛行場前って駅名なのにどこにも飛行場がないぜ!」
    的な言ってしまえば地図変態トークが続きます。50ページでもういいよご馳走さまだよ……感がある笑。
    ただ、覚えておこうと思うのは
    「縮尺の分母(万単位)は図上10センチのキロ数である」
    という視点。これは距離感掴むのにかなり良い!

    まぁ、これは地図の遊び方(上級編)というか、地図好きでもしらない、調べないとわからないこと詰め込みましたドヤッ!の本のような気がしなくもない。。。
    でも京王線の駅名変わりまくり!とか、地名変わりまくり!本郷とかどうした?!っていう話などおもしろくて。
    要するにローカルにならざるを得ないんでしょうね。っていってもモナコにシベリアにコート・ダジュールなんかも詰め込まれた広大な地元ークです!

    しかしついにあんまり興味もてなくて後半ほとんど流し読みでした。すみませんでした。
    世界地図を航空便で取り寄せたり、自分で旧道を歩いて地図にしたり、世界の様々な凡例を集めて表にしたり、本当に地図の変態!(ほめてます)

    とにかく話が細かすぎて、本当に地図で遊ぶならこの本を読むよりも地図を買うべきなのかなと思わせてくれるくらいの熱量でした。
    ありがとうございました!

  • 地図、倒錯愛

  • 仕事で地図を扱うようになって、地図には様々な使い方があるものだと思うようになったので興味深く読んだ。
    国によって採用される地図記号が異なったりするのもなるほどと思ったのだった。

  • 沖縄の牧志公設近くにある古本屋「ウララ」さんで購入。小平市の古い地図や西武鉄道の国分寺駅付近の変遷が書かれているだけでも、私にとっては価値がある本。読んだことがあるような気がしたが、新潮OH!文庫で読んだのだな。浅間山麓の図面も見覚えがあった。

  • 私としたことが今尾大先生のご著書の第1冊目を未読だったので、慌てて(というより、読み始めたら止まらず夜更かしして)読了。地図片手に幸せな読書タイムを過ごした。

    今尾先生と比較的ご近所ということもあり、よく近所が取り上げられているのだが、この本でも我が家の近所が色々と出てきて楽しめた。

    平成の大合併のころ、地名関係の本を買い漁って乱読し、「地名殺し」の愚にかなり憤っていたのだが、それ以前に書かれた本書でも合併で起こる地名の消滅、愚劣な新地名などへの恐れや怒りがかなり辛辣に書かれていて、その後の地名破壊の現実を知る今、あまりに的確な懸念が現実のものになった絶望感が沸いてきた。

    ものすごく楽しい部分と悲しい気持ちになる話題とが程よくミックスされ、読み進めながら、気持ちが上がったり下がったり。この手の本で感情移入がこんなにも激しいなんて、ちょっと私おかしいかも。

  • 3月6日読了

    測量の仕事をしていた父の影響かわからないが子供の頃から地図は身近にあり、私も地図を眺めるのが結構好きだ。

    本書では世界の地図事情、地図記号の違い、日本でも地名の移り変わりなどが紹介されている。

    海外では発電所やダムの位置が地図上では記載されてない国があったり(防衛上の観点から)、地図自体が入手できない国があったりと置かれている状況によって色々違うんだなぁと、思った。

  • 雑学といっては申し訳ないかとも思うけれど、地図にまつわるもろもろの事柄を楽しく読ませてもらった。
    地図記号にも国により差があること。七桁の郵便番号が割り振られているのに住人が一人もいないところがあること。同じ地名なのに別の市に分かれてしまうことがあること。最近の駅名の傾向。そして、住居表示法や平成の大合併による地名変更の愚。
    先日読んだ富山和子の『日本の風景を読む』で、風景に歴史が刻まれていると強調されていた。
    この本にも、もちろん共通するメッセージが含まれているけれど、読後感は随分違って、興味深く、楽しかった。

  • 世界の地図記号だって!

  •  住居表示法による「地名抹殺事業」について、「当用漢字」「常用漢字」の弊とからめて説明。そのなかで、うちのすぐ近くの宝塚市伊孑志がほめられている。なんかうれしい。
     新旧地形図比較っておもしろいなぁ。東京都文京区弥生2丁目の妙なかたちは、かつて射撃場だったため。弥生式土器が発見されたところだよね。
     台湾が作った世界地図によると、台湾の首都は台北ではなく南京。おまけに領土はモンゴルのあたりまで。1969年発行の地図とのこと。今はどうなんだろう。

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著者プロフィール

今尾 恵介(いまお・けいすけ):1959年横浜市生まれ。地図研究家、エッセイスト、フリーライター。中学生の頃から国土地理院の地形図に親しみ、時刻表を愛読する。音楽出版社勤務を経てフリーライターとして独立、イラストマップ作成や地図・鉄道関連の著作に携わってきた。著書に『日本の地名おもしろ探訪記』『日本地図のたのしみ』『ふしぎ地名巡り』(以上ちくま文庫)、『地名の楽しみ』(ちくまプリマー新書)ほか著書多数。

「2023年 『ふらり珍地名の旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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