五感でわかる名画鑑賞術 (ちくま文庫 に 11-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 99
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480429520

作品紹介・あらすじ

画家の名前は見ない。好きな絵から、好きな順で見る。額縁に注目してみる。近くによってみる。あちこちから見る。必ず飲み食いする。自分でも描いてみる…。「五感」を活用することで、美術鑑賞は変わる!感性が一新されるような、鮮烈な印象をともなった鑑賞のための手引き。フェルメールの技法の秘密や、屋外での絵画制作が広まったわけなど、絵画をより楽しむための情報も満載。

感想・レビュー・書評

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  • 美術の鑑賞を味分けに例えているのは参考になった。今後の美術館鑑賞の際に参考にしたい。

  • ・解説でなく、自分の直感で見る、感じる
    ・味覚とむすびつける
    ・自分でも描いてみる
    ・デッサン、画材など技術面の進歩を感じる
    ・同じヌードでも宗教画として描いた場合と同時代のリアルなものとして描いたものの違いを感じる

    などなど。
    未だに解説を読みながらの美術鑑賞は主流だし、
    自分的にはそんなのは不自由で苦痛な時間でしかない。

    自由な見方を肯定してくれるので楽になれる。
    こういう気持ちを持続したいよね。

  • 好きな絵を、画家の名も見ず、近くであるいは遠くから、あちらこちらから観る。絵を見た後は美術館併設のカフェかレストランで飲み食いする。お気に入りの画家の絵ハガキを買ってみる。なんなら自分でも描いてみる。五感をフルに使って絵を観る楽しさを語った堅苦しくない絵画鑑賞術。そう。絵は楽しまないとね。フェルメールの絵画技法(カメラ使用説とハイライトという描き方)の特徴や野外で絵画制作が広まった理由(チューブ入り絵の具の発明)など、美術史のトリビアも満載。なにより著者の絵画を難しく考えず楽しんでほしい気持ちと優しさが伝わってくる語り口が魅力。

  • フェルメールの名画は光に溢れているが、これはこの当時から写真(暗箱式光学装置)を用い、景色をガラス面や壁に投影し、それを絵画に活用したから!なるほど、眼ではあのような光の輝きはとらえていなかったから。また屋外で描く絵は画材道具の発展と関係があったというのも考えてみれば当然のことだった。目から鱗。モネとミレーの積わらの比較から、モネのそれは溶けかかったアイスクリームのように美味しそうと感じるのは、光の粒子の集合として描いたからなのだ。私も好きな絵だ。美術館鑑賞の極意10!は私もぜひ実行してみたい。①画家の名前を見ない、②好きな順、好きな速さで③額縁にわき見する、④ともかく近くに寄って、⑤あちこちから眺める、⑥必ず飲食いする、⑦必ず買い物をする、⑧一番好きな絵を選ぶ、⑨好きな理由を考える、⑩必ず誰かと話す⑥⑦は意外だったが、五感と結び付けて印象を残すという意味では、間違いないと思う。

  • あれ、読んだっけ。いつのわ。

  • 鑑賞術の極意10
    1.画家の名前を見ない
    2.好きな順、好きな速さで見る
    3.額縁にわき見を
    4.ともかく近くに寄って見る
    5.なるべくあちこちから眺める
    6.必ず飲み食いをする。…一緒に記憶
    7.必ず買い物する
    8.いちばん好きな絵を選ぶ
    9.好きな理由を考える
    10.必ず誰かと話してみる

  • 12/08/30 西岡さんの本はすごい!

  • 名画を見るときの心得を近くに寄ってみる、必ず飲食をする、買物をする、好きな理由を考える、誰かと話してみる等非常に具体的に説いており、面白い。

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著者プロフィール

多摩美術大学名誉教授・版画家

1952年生まれ。柳宗悦門下の版画家森義利に入門、徒弟制にて民芸手法の型絵染を修得、現代版画手法としての合羽刷として確立。日本版画協会展、国展で受賞(1977・78)、リュブリアナ国際版画ビエンナーレ五十周年展(2006)に招待出品。作品が雑誌「遊」(工作舎)に起用されたことを機に編集・デザインに活動の幅を拡げ、ジャパネスクというコンセプトを提唱。1992年国連地球サミット関連出版にロバート・ラウシェンバーグらと参画、2005年愛知万博企画委員。著書『絵画の読み方』(JICC)、『二時間のモナ・リザ』(河出書房新社)等で、今日の名画解読型の美術コンテンツの先鞭をつけ、「日曜美術館」等、美術番組の監修を多く手がける。著書多数、全集「名画への旅」、「アート・ジャパネスク」(共に講談社)を企画、共著にシリーズ「公共哲学」(東京大学出版会)がある。

「2024年 『柳宗悦の視線革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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