動物農場: 付「G・オーウェルをめぐって」開高健 (ちくま文庫)

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制作 : George Orwell  開高 健 
  • 筑摩書房 (2013年9月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480431035

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動物農場: 付「G・オーウェルをめぐって」開高健 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

  • 当然寓話だとしても、豚が穀物を栽培したり、家屋を補修したりするのはどうなのだろう。
    いわんや、人間と争いや商取引など…

    また、動物たちが飼い慣らされていく過程をその心境をもう少し丁寧に描ければ更に興味深いモノになると思う。

  • トランプ大統領就任に伴いオーウェルの「1984年」が注目されているらしい。わたしは余り「1984年」は面白くなかったので、オーウェルの「動物農場」を読んでみた。

    家畜として暮らしてきた動物たちが、農場主を追い出して理想の共和国を築く。
    しかし、豚が次第に独裁者となっていき、他の動物たちは考えることもなく従う。

    この作品に描かれる動物たちの理想の共和国とは勿論わたしたち人間の社会のことだ。
    何らかの不満が爆発すると、それまでの体制を崩し理想の国家を築こうとする。
    不満も理想も同じだったはずの仲間の中で、リーダーが現れ、そのリーダーが自分に都合の良い政治を行う。
    愚かな民衆は、いつからどこがおかしくなったのかもわからない。リーダーを妄信する者、不満を抱えながら従う者、昔を懐かしみ逃げる者、我関せずと傍観する者、みんなのためにひとり耐える者、様々な人間がいる。

    ひとは結局、見たいものを見、信じたいものを信じる。
    現実を正しく認めることが出来るひともいるが、多くはそうではない。
    自分が何に対してどう思っていたのか、どうしたいのかさえ曖昧になってしまう。
    多くのひとと同じものが見えていたいし信じていたい。それが楽だから。
    そして知らないうちに溜まった不満は、自分以外の誰かのせいにしたい。それが楽だから。
    具体的な目標も手段も考えないため、また何処に向かって何をすればいいのかわからなくなる。
    そして、見たいものを見、信じたいものを信じる。
    この繰り返し。

    この作品は140ページ無い短い作品だ。
    動物を描く寓話性のある作品でいながら、何について書かれているか簡単にわかる恐ろしい作品と言える。
    平易な文章で読みやすく、問題点もわかりやすく面白い。
    日本人はアメリカ大統領のことやイギリスのEU離脱に関して他人事で、アメリカ人は駄目だ、イギリス人は馬鹿だと言っている。でも日本人も全く同じだ。
    見たいものを見、信じたいものを信じる自分に気づいて現実に目を向けなければ、未来は暗いままだ。

  • 動物農場は、一九八四年よりも面白く読んだ。寓話的な理由によるものかな?
    豚の独裁に対して様々な反応をする動物たちが身につまされる。慣れは、変化への気付きを呑み込んでしまうんだな。
    開高健の読後エッセイも良くて、オセアニア周遊紀行のある箇所は繰り返し読んでしまう。
    開高健の言葉に触れると離れられなくなるのは、何故だろうか。

  • 一匹の、老いた賢い豚は言った。
    「我らを虐げる人間たちが悪であり、すべての動物は同志である」
    彼が革命の歌を遺して逝ったのち、
    まもなく革命の時が訪れる。

    穀物を、仔と卵を奪ってきた農場主は追放され、
    動物たちは自分たちで「動物農場」を運営し始める。

    崇高で正しいルールのもと、
    豚も、馬も、犬も、鶏も、みなは団結し、
    豊かで平等な生活を目指していたはずだった。

    しかしいつしかルールは歪みだす。
    動物たちの中から、新たな支配層が現れ、腐敗を始める。
    誇り高い平等の戒めは次のように塗り替えられた。
    「すべての動物は 平等である。
     しかし、ある動物は ほかの動物よりもっと平等である。」

      ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

    『1984年』と対をなす、
    ジョージ・オーウェルの隠れた傑作です。

    付されている開高健さんの解説でも再三繰り返されていますが、
    オーウェルは反共作家ではなく、
    むしろ彼自身、社会主義者を自任していたそうです。

    したがって、
    この『動物農場』で描かれる動物たちの革命も、
    一見すれば「アカい」ようですが、
    動物たちのリーダーとなる豚が「ナポレオン」と名付けられていたりと、
    もっと一般的に、
    「理想に燃えた革命が、のちに辿る悲惨な運命」を風刺しているようです。

    …とまぁ、ここまで解説からの受け売りで、
    むしろこの解説というか付録が、
    鋭くかつ重厚で、もはや何も言うことがなくなってしまうのですが(笑)


    一点だけ思ったことには。

    開高さん曰く、作品の完成度として『動物農場』は非の打ちどころがなく、
    「失敗作」である『1984年』を遥かに凌ぐ…そうで、
    これまた読んでるうちに「なるほどなぁ」と納得してしまうわけですが。

    『動物農場』があまりにも「風刺らし」過ぎて、
    一周回った妙なリアリティを生んでいるに対して、
    理詰めで、直截に過ぎるという『1984年』のほうが、
    非リアでファンタジー的な魅力に溢れているのは、
    不思議というか皮肉というか…。

    でもやはり、
    『1984年』のほうがファンタジーでエンタメだということだけは、
    間違いないと思うのですよ。
     それではっ

  • 動物に置き換え、寓話化したことで、どの国、どの地域でも入れ替え可能な話として読めた。長年愛聴しているピンク・フロイドのアルバム「アニマルズ」がこの話にインスパイアされてつくったということもよくわかった。ただし、開高健の話はその文体のせいかわかりにくいし、冗長なのでいらない気がした。

  • 社会風刺のモノガタリ。
    どんな社会でも、組織でも、時代でもありそうな話。
    動物を登場人物にすることで、より一層いろんな状況とかぶってくる。

  • 非常に素直なディストピアであり、政治論の基礎なくしても現代、過去を問わず「人間」の姿を思い浮かべられる作であった。

  • 動物農場と1984年は読んでおくべし。

  • 農場主が酒飲みで、作人も餌をやり忘れたりで人間に不満を持った農場の動物達の反乱の寓話小説。人間の追い出しに成功した動物達のリーダーは豚。文字が読め賢いから。豚を中心に動物達のユートピアを創るはずだったのだが、皆が平等で幸せにはなれなかった。労力を使う側と使われる側と自然発生したのは、物事を理解できない頭脳の持ち主が多数を占めてたから。豚一族だけが特権階級になりやすい環境であり最後は人間と見分けがつかなくなる。働きものだった馬の最後が全てを物語る。

  • かなり面白いディストピア小説。
    共同の夢を持って革命を遂行した労働者の革命が、次第に首謀者の専制へ取って代わることを描いた風刺。朝三暮四の政策にも文盲の労働者は騙され続け、終いには専制化してしまう。民主主義がいかに簡単に腐るかを描いた作品でもある。「1984年」に引き続き、記憶や制度の脆弱性を突いている。幾度となく制度と歴史は書き換えられるが、それを実証する術をもたぬ人々は、雄弁家にうまく丸め込まれてしまう。そんな歴史や記憶の社会性というか脆さも表されている。

  • 人間ではなく、動物を主役にそえたからこそ、
    滑稽で物悲しくて皮肉がきいているのだと思う。

  • 素晴らしい本。読後、かなり長く余韻に浸り現代と照らし合わせて薄ら寒さも感じますね。

    動物たちの独立運動!
    わかりやすくコンパクトに
    それでいてシニカル、ユーモア、コメディ要素も
    そこら辺は作者のイギリス人独特のものを感じますね。

    読みやすく纏まっているのに、メッセージはダイレクトに伝わってくる。
    傑作ってこういったものを言うんでしょうね〜。

    何度も読み返したくなる本に出会えてうれしいです。
    巻末の開高健さんの論考も興味深く読ませて頂きました。

    正直、この本は好きな英国俳優さんのマーティン・フリーマンさんが「10歳頃に出会い、数年ごとに読み返すくらい好きな本だ」と小耳に挟んでミーハー気分で手に取りました。
    読み終わり『流石、幼少の頃からシェイクスピアを叩き込まれる土地で演劇・芸術に関わる人の興味、教養は凄いなぁ』と能天気に感心してます。
    オーウェルは名前を知っている程度でしたが、好きな俳優さんのお陰とミーハー心で世界が少し広がりました。出会いって大事ですね。

  • 全体主義というディストピアを巡る寓話
    これってアニメーションになってないのかな。
    人間を追い払った後の農場で支配階級となる豚を、ちょーかわいくアニメ化したやつで見てみたい。
    内容が教訓的すぎてあれかもだけど。

  • 全体の半分弱に当たる本編だけ読んだ。

    おとぎ話とあるだけあって、物語としてよくできており、ユーモアに富んでいる(ブラックユーモアだが)。
    人間支配から脱却した農場の動物たちが、自治の道を行こうとしていた筈がいつの間にか独裁支配下に置かれてしまうというお話。

    洒落にならない時代が来ないことを祈る。
    と言っている時点で割と洒落にならない状況と言える。

  • 人間に搾取されている動物達が、革命をおこし成功させる。だが、動物の中から人間と同じような振る舞いをするものがでてきて…
    怖かった。私は支配される側に感情移入した。
    いいように利用されるシステムが一つずつ作られていく。そして、それがずっと続くように着々と布石が打たれていく。
    動物に例えてあるが、紛れもない人間社会の話。
    勇敢でも勤勉でも、結局その死まで利用されていた。
    最初に牧場から離れたモリーが自分の手に入れたいものを手にしていたように読めた。

  • 飲んだくれの農場主を追い出して理想の共和国を築いた動物たちだが、豚の独裁者に篭絡され、やがては恐怖政治に取り込まれていく。自らもスペイン内戦に参加し、ファシズムと共産主義にヨーロッパが席巻されるさまを身近に見聞した経験をもとに、全体主義を生み出す人間の病理を鋭く描き出した寓話小説の傑作。巻末に開高健の論考「談話・一九八四年・オーウェル」「オセアニア周遊紀行」「権力と作家」を併録する。
    内容(「BOOK」データベースより)

    久々に衝撃的な作品を読ませていただきました。

  • 知ってるか? 豚は人間の臓器に一番近い動物なんだぜ。その豚が人間の農場を乗っ取った物語。さもありなん。ないけど。

     ぱっと読んだ感じは反共文学。ただ、著者のジョージ・オーウェルは反共産主義ではないんだぜ?アナーキスト社会主義者の作品と思って読むと、また違う味わいのある作品。

     権力を持つと人(?)はどうして変わってしまうのか。というのが主題である。動物を主役にしているからピュアすぎる演出も納得できるという点が良いところ。
     あと、この本には翻訳の開高健の書評がついてるからまた良い。むしろそっちが本編。


    _____
    p143  名著
     文学で政治を扱うと失敗する。成功したものは…
    『神々は渇く』アナトール・フランス
    『昔も今も』サムセット・モーム
    『樅の木は残った』山本周五郎
    くらいのものだ。
     という開高健の意見。この本は読みたい。

    p156  政治闘争=宗教闘争
     大陸文化圏ではかつての宗教闘争が今の政治闘争の原型になっている。だから政治と宗教が関連しているように見える。
     キリスト教徒が純粋な教徒なのは荒野を放浪していた時である。しかし、各地の王がキリスト教を国教に認めて権力を手に入れたときから、それまで迫害をしていたローマ帝国のように、キリスト教徒たちは異端追放を涼しい顔でやり始める。その時から宗教は本来の姿を政治的なものに抑圧されていく。
     共産主義革命が達成されたらその日から、それまで打倒の対象だった王権の横暴を、共産主義者は始めるということ。
     アナーキストの主張はココにあるんだろう。しかし、頭がない組織が崩壊するのも自明の理だからアナーキズムも完ぺきではない。ココのジレンマを理解するかが大事。
    ____

     この本の絵本があったらぜひ読んでみたい。
     作ってみるか。

  • とにかく面白い。訳者の開高健は、『1984年』は失敗作だが本作は傑作であると何回も強調しているが、たしかにそう思う。「おとぎばなし」の副題にあるとおり、寓話的な構成で気軽に読めるのだが、内容はかなり深くて、たいへん読み応えがある。よくある見方として、冷戦当時のソヴィエト聯邦やナチス・ドイツになぞらえることができるが、個人的には世代的に北朝鮮を感じた。「われらの指導者、同志ナポレオン」なんて呼称はまさにそれである。しかし、まったく他国だけのことであると言い切れるであろうか。集団的自衛権の行使容認などをめぐって、最近は安倍政権をファシズムと罵る声も聞こえてくるようになったが、「過去を操作」しているあたりは、けっして他人事ではないのではないか。さすがに政権自身がそこまで露骨なことはしていないけれど、よく聞くネトウヨの言説で、まるで民主党政権時代がなにもかもドン底にあったように論じるものがある。わたしの実体験としては、けっしてそんなことはないだろう、だいいちいまだって数字上は景気がよくなったかもしれないが、実態としてはまだたいして変わっていないのではという感じなので、ネトウヨには真っ向から反対しているのだが、この手の意図的な情報操作はすくなくないように思う。いま話題の集団的自衛権だって、「七誡」の「改変」の延長線上にあるといえないこともないだろう。そういう意味では冷戦なきあとの現代社会に対しても、同様に影響力をもち、警鐘を鳴らし続ける作品なのだと思う。今回読んでおいて非常によかった。

  • 革命者(豚)が結局独裁者に落ちていく様が良い

  • 分かりやすい寓話。

    豚、恐るべし!

    開高健のオーウェル解説が、全体のほぼ半分を占めているのだが、『一九八四年』より『動物農場』の方が成功していると述べている。
    (寓話として、だが)

    顔のないビッグブラザーという独裁者。
    顔の変わるナポレオンという独裁豚。

    自由と平等を掲げた動物たちは、哀れにもナポレオンの下で無知に虐げられる奴隷と化す。
    その比喩が、あまりにも人間のすぐ隣に存在するように感じられて、背筋が寒くなる。

    この寒さ、『一九八四年』だなー。

    オーウェル?と敬遠せずに、ぜひ気軽な気持ちで手に取って欲しい。
    分量は少ないので、すぐに読める。開高健の解説は飛ばしてもきっと許される(笑)
    そこで、うわあー……という肌寒さを感じたら、オーウェルの勝ちだ。

  • 人間てコワイ!
    あ、ブタだった。
    というくらいキャラがたっていました。

  • 嫌な思い出しかない

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