暴力の日本史 (ちくま文庫 な 47-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480431790

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  • 不朽の名作シグルイ原案者の日本史本。
    『権力者がいかに残虐な圧政をしいて民衆を搾取してきたか、そんな措置に対して民衆がいかにしぶとく抵抗を繰り広げてきたかを語る歴史本』という解説のとおり、あまりにも農民の側に立ち過ぎた視点からは、「施政者側の事情も考慮すべきだろう」とか「善良な商人も問答無用で被害に巻き込まれたこともあるだろう」といった逆側からの視点が気になってくる。だが、こんな心配も解説により上手く総括される。

    曰く、小説家による歴史本は、どうしても物語になってしまうのだと。社会を”構造"や”システム”でなく”物語”として捉える。正しい歴史解釈としては間違っているのかもしれないが、そもそも人は歴史のほとんどを物語から学んできたといっても過言ではない。そのような物語抜きの歴史を正確に捉えるのが学者の仕事であるならば、徹底的に物語化して価値観を世に問うのが小説家の仕事なのかもしれない。

    残虐な圧政は悪であり、改革の必要があるのは間違いない。ただ、その物語と歴史的事実は別物として認識しなければいけない。なぜならば、物語から学べるのは個人の価値観に過ぎず、ただ歴史からのみ、当時を生きる人々の、世界の価値観を学べるのだから。

  • うん。期待はずれ。

  • 南條式暴力革命論、というか、一揆の歴史・概論。教科書で必ず目にする「百姓一揆」「島原の乱」「大塩平八郎の乱」といった単語から、実際に起こった事件を想起するのがいかに難しいかをわからせてくれる良書。しかし、すさまじい。

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著者プロフィール

明治四十一年(一九〇八年)、東京・銀座に生まれる。代々医師の家の生まれ、東京大学法学部、経済学部を卒業。小説家のほかに経済学者の顔を持ち、長く大学で経済学の教鞭をとる。昭和三十一年「燈台鬼」で第三十五回直木賞を受賞。一躍人気作家となり、時代小説、歴史小説を執筆するようになる。デビュー作『出べそ物語』、『子守の殿』(オール読物新人賞)『細香日記』で吉川英治文学賞を受賞。人気シリーズとして「月形兵庫シリーズ」はよく映像化されている。昭和五十四年(一九七九年)死去。

「2023年 『傍若無人剣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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