宮台教授の就活原論 (ちくま文庫 み 18-7)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480432087

感想・レビュー・書評

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  • Tired of reading

  • 就活本と思いきや哲学みたいな本。
    これからは「年長世代の自明性を破らない能力」ではなく「年長世代の自明性を破る提案を連発しつつ、相対的に人間関係を台無しにしないで済ませる能力」が大切。
    自分が自分でいられるホームベースが大切。
    社会はいいとこ取りができない。

  • 世に言うこれ読めば内定取れるよというような安易なハウツー本ではなく、就職活動の原論なので、そもそも就活とは何なのか前提条件を明らかにし、学生が置かれている立場や就職活動に臨むにあたって備えるべき正しい姿勢、真髄を提示する。
    重要なのは、与えられた学生期間を誰よりも充実させ、何にでも適応できる力や実績を積み、それを表現できるようになること。要はチャレンジしているかどうか。就活直前になって焦り小手先の技術に走ろうとする時点で既に半分以上勝負はついていることを知らなければいけない。
    そもそもその企業を受けるにあたって持っている最終目的は何なのか?周囲の期待に応えたいがため大企業を受けている承認欲求だけで動いている人は既に人生が終わっているという刺激的な内容が印象的である。だがこれは明らかに正しい。
    高校生、大学1年生はいち早く読んだ方が良いのではないだろうか。こんな親切な本を世に送り出した宮台氏の社会貢献度は計り知れない。

  • 「就職活動?うーん、何となくやってる」

    そんな人が読んだら、たぶん、いやかなり「どきぃ」とする本。いまの社会、いまの私たち、いまの就活について、社会学的な見識から、明確な言葉で書かれている。
    それほど社会学に精通していないがために理解しずらいなと思う部分もあったけれど、簡単に読めないぐらいの方が、読み応えがあっていいのかもしれない。
    調べながらもう一度、二度、三度、読みたいなと思う。
    就活の入り口、この時期に出会えてよかった。
    著者の厳しくもまっすぐな言葉から、これから日本を生きていく私たちへのエールを感じる。

  • <目次>
    まえがき
    第1章  なによりも、”適応力"が求められている
    第2章  仕事は自己実現の最良の方法ではない
    第3章  自己実現よりも”ホームベース"を作れ
    第4章  自分にぴったりの仕事なんてない
    第5章  CMと就職情報サイトに踊らされない仕事選び
    第6章  就職できる人間になる”脱ヘタレ”の心得
    第7章  社会がヘタレを生んでいる
    第8章  すぐには役だ立たない就活マニュアル
    あとがき

    <内容>
    大学時代にその後もろくに勉強してこなかった私には難しい言葉の連発で、まさに”ヘタレ"の状態だった。しかし何とか著者の言いたいことは見えてきた。就職=人生のゴール、とは思うな。今後の社会は国家も会社も各自を守ってくれない。だから、自分の”自分”たる部分をしっかり持つ(作る)ことで、"ホームベース"を持ち、精神的にも肉体的にも生きていけるようにしなければならない。それによって、自分の人生を維持できる…。
    まあ、仕事に踊られるな、国家に踊らされるな、いろいろな社会(友達・趣味の世界・隣人などなどのネットワーク)につながりを持っていくことが今後の生きる道、だということ。

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著者プロフィール

宮台真司:1959年宮城県生まれ。社会学者、映画評論家。東京都立大学教授。1993年からブルセラ、援助交際、オウム真理教などを論じる。著書に『まちづくりの哲学』(共著、2016年、ミネルヴァ書房)、『制服少女たちの選択』(1994年、講談社)、『終わりなき日常を生きろ』(1996年、筑摩書房)、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(2014年、幻冬舎)など。インターネット放送局ビデオニュース・ドットコムでは、神保哲生とともに「マル激トーク・オン・ディマンド」のホストを務めている。

「2024年 『ルポ 日本異界地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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