仕事に生かす地頭力: 問題解決ピラミッドと9つのレッスン (ちくま文庫 ほ 23-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480432469

作品紹介・あらすじ

仕事とは何なのか? 本当に考えるとはどういうことか? ストーリー仕立てで地頭力の本質を学び、問題解決能力が自然に育つ本。

感想・レビュー・書評

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  • 部下への指導に。

    Why/What/Howの構造
    一番上にあるWhyが会社としてのミッションやビジョン
    (最終目標)
    それをやるべきWhatが戦略
    それを実現するための手段が戦術
    (ビジネスのオペレーション)

    Why/what/howをすべてセットで捉えて毎日仕事している人は強い
    それは何のためっていう最終目的がはっきりしていれば、仕事の優先順位をつけたり、短期的にでも辛いことに耐えられる

    一つのWhyに対して対応するWhatは複数あり、さらに一つのWhatに対して対応するHowは複数ある
    一つのWhatに対して複数のWhyがある状態は、実は複数の問題を一緒に見ている

    結論から考える
    矢印を逆向きにする。到達地点、将来、ゴール志向
    最終到達地点に磁石を置いてみるイメージ
    (行動の方向性が統一される)
    仮にでもいいから目標を置く(仮説)
    まずは仮説を必ず立ててから情報収集を始める


    全体から考える
    目についた料理をトレイに載せただけということになっている可能性がある
    お互い想像しながら会話して、実は全く話が通じていないということがよくある
    全体から考えるとは、頭の中に思考の白地図を持って考えるというイメージ
    思考の白地図を使って考えることで、思考のクセや偏りを見つけることができる


    単純に考える
    枝葉を切り捨てて太い幹だけを見るイメージ
    本当に重要なことはなんなのかっていうのを考えて、思い切って本当に必要なものだけを捉えてみる
    単純に考えることで、同じ特徴を持った複数のものを同じものとして取り扱い、応用範囲を広げることができる
    応用範囲を広げることで、自分が直接経験していないことも疑似体験として参考にすることができる

    押し返す
    一度バトンを受け取ったあとで、もう一度お客様を上流に戻してから再度上流でバトンを受け取るイメージ
    上流からスタートすればするほど、選択肢が飛躍的に広がっていく
    お客様の言っている実現手段っていうのは必ずしも真のニーズを満たすための最適なものではないかもしれない
    押し返すとは、お客様かコースを外れて走っているときに、ちゃんとしたコースに戻してあげてから、改めてバトンを受け取るイメージ


    上司から部下への依頼の仕方
    初心者に対しては、WhyとWhatを伝えると有効
    (大きな背景・課題とやりたいことを言う)


    プロジェクト計画を「結論から」「全体から」考える
    開始時点から、「最後にどうなっているべきか」を状態で定義(Why)して、それを大きなタスク(What)と成果物(How)に落とし込む
    まずは最終報告書の目次をつくる
    まずは無理にでも箱だけ作って、中身はあとから埋めていく


    会議運営
    会議の議題は目的ではない
    今日の最終目的地を、状態で共有する


    期待値管理
    周りの人たちの期待値をきちんと確認してから仕事に取り掛かる


    コミュニケーション
    できない人の気持ちがわからないかぎり、ビジネスなんてできない
    少しでも、「できない人」の気持ちを考えたことがあるか?
    自分は何度言ってもわからせることができないダメな人間です、と自ら告白している状態
    何も伝わっていない、を前提とせよ
    伝えると伝わるは天と地ほど差がある
    相手をじゃがいもくらいに思え「腹が立たない」


    プレゼン
    相手から始める
    今日はどこを聞いて何を判断してほしいのか、そのためにこちらが何を用意してどういう風に説明するか

    並列しているとおぼしきスライドの粒度、つまり細かさが中途半端に違っていると非常に聞きづらい
    個々の説明ページに埋没せずに、全体俯瞰の視点を持って説明する
    各スライド間の関連(接続詞)を明確にする

    教科書的な抽象度の高い言葉は人の心には響かない

  •  著者の細谷さんが勤める会社の社長にいただいたので読んでみました。私も常々思っていることと重なるところも多く、私自身の頭の整理にも役立ちましたし、伝え方のヒントも得られました。
     ただ、完全に“好み”の世界ですが、「先生と生徒の会話型」のスタイルは冗長に感じてしまいます。サクッと書けば1/3のボリュームで済むでしょう。

  • 何度も見返している。プロジェクトの進め方、仕事の進め方全てに対してまずこのフォーマットを参考に考えてみたり動かしてみたりすれば良い、という使える情報を得られたと感じた。

  • 若手に読んでもらいたい本。
    結論から、全体から、単純に。

    あとがきの文章のメッセージ「仕事術系の本はこれで最後にしよう。実践の中で自分で考えて自分の仕事のスタイルや仕事術を確立すべき。」は自分の中で数年前から思っていることと重なり共感できた。
    仕事術や自己啓発系の本は大体同じことが書いてあると思うことが出来ればそれは本質を理解出来てきた証拠。次のステップに進むべきタイミング。

  • 期待値をマネジメントする点が参考になった。

  •  これはビジネススキル系の本の中でも一味違い、汎用性が高い。それは、解説にもある通り、ライフハック的なHowの羅列ではなく、「Whyに立ち戻る」考え方にフォーカスしているからと言える。

     思えば、この本で述べられている「Whyに立ち戻る」思考のスタイルは、ロジカルシンキングや問題解決技法に関する諸々の本に共通するエッセンスの一つであることは間違いない。
     であれば、この思考スタイルを身につけられれば、世の問題解決技法の大半の内容はカバーできるというのはあながち嘘ではないと思う。

     「Whyに立ち戻る」思考スタイルというのは、簡単なようで意外に難しいもの。だからこそ、この「Whyに立ち戻る」思考を咀嚼して自分のものにできれば、「問題解決の真髄」を身につけたも同然、と言って良いかと。
     かつ、ビジネスの世界に限らず、学生の卒論とか、家庭内の課題とか、いろいろな場面でも役立つはず。
     個々の事象を追いかけるより、共通する考え方や原則を正しくつかむ方が、結果的に身につくのが早いというのはここでも当てはまる。

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著者プロフィール

細谷功(ほそや・いさお):1964年生まれ。ビジネスコンサルタント、著述家。問題発見・解決や思考力に関する講演や研修を国内外で実施。『仕事に生かす地頭力』(ちくま文庫)、『地頭力を鍛える』『アナロジー思考』(共に東洋経済新報社)、『具体と抽象』(dZERO)、『思考力の地図』(KADOKAWA)等著書多数。

「2023年 『やわらかい頭の作り方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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