増補 オオカミ少女はいなかった: スキャンダラスな心理学 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480432698

感想・レビュー・書評

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  • https://calil.jp/book/478851124X
    新曜社2008の文庫化

  • 三浦しをんさんが紹介されていたのを読んで、手に取りました。
    サブリミナル効果、すっかり信じていました。
    よく考えず、疑いもしていなかった自分に気付きました。

  • キャ、アマラとカマラのお話とかサブリミナルとか信じてたクチです…。しょぼん。

  • 三浦しをん「好きになってしまいました」で取り上げられていて気になった一冊。オオカミに育てられた双子の少女がいた、サブリミナル広告でポップコーンの売上激増、虹を3色と認識している民族がいる、人語を解する猿や馬がいる、双子は離れて育てられても同じ性格や嗜好を持つ、などなど、広く知られている心理学的エピソードが実は…というのを懇切丁寧に解いてくれる。◆ブラインドテストは必須なのに、それすら守られない実験も多く、根拠あいまいなままの説がセンセーショナルに取り上げられ、広まってしまうケースも。◆科学の世界では発見が公に認められるためにはほかの研究者による確認作業が必須(p.108)というのがこの本を通しての基本姿勢だが、「ピダハン」はブラジル政府の許可がおりず、ピダハンの著者も他の専門家もその後の現地調査の確認ができず、神話になってしまうのでは、という状態なのだとか。割と感銘受けた本なのでちょっと意外。◆論理的にものを考える(略)原典にあたること。噂に頼らぬこと。疑うこと。そうすれば、心理学のなかの似非科学の部分ははるかに少なくできるに違いない。(p.295)という最後近くの言葉はたしかにそう、けれど難しく、自分もいまだに根拠が薄弱なのに信じていることってあるんだろうなあ、と思いつつ。◆それにしてもデータを捏造したり、いじってしまったりする人、あとをたたないけれど、やはり功名心が勝ってしまって、バレないバレないと思ってしまうものなのだろうか。

  • すでに否定されているのに、何度も何度も事実として扱われ、テキストにさえ載ってしまう、心理学の学説の迷信や誤解。
    それらがいかに生み出され、なぜだまされてしまうのか。
    驚きのねつ造の歴史です。
    オオカミ少女アマラとカマラはいなかった?
    サブリミナル効果はでっち上げ?
    虹が3色にしか見えない民族が本当にいる?
    面白かった。

  • ひとりあるき
    忘れない

  • 『[増補]オオカミ少女はいなかった――スキャンダラスな心理学』(ちくま文庫 2015)

    著者:鈴木光太郎
    カバーデザイン:石間 淳
    カバーイラスト:きたざわけんじ

    【目次】
    まえがき [003-004]
    目次 [005-007]


    1章 オオカミ少女はいなかった――アマラとカマラの物語 011

    2章 まぼろしのサブリミナル――マスメディアが作り出した神話 060

    3章 3色の虹?――言語・文化相対仮説をめぐる問題 089

    4章 バートのデータ捏造事件――そしてふたごをめぐるミステリー 134

    5章 なぜ母親は赤ちゃんを左胸で抱くか――ソークの説をめぐる問題 168

    6章 実験者が結果を作り出す?――クレヴァー・ハンスとニム・チンプスキー 189


    7章 プラナリアの学習実験――記憶物質とマコーネルをめぐる事件 219

    8章 ワトソンとアルバート坊や――恐怖条件づけとワトソンの育児書 245

    9章 心理学の歴史は短いか――心理学のウサン臭さを消すために 283

    あとがき(2008年7月 鈴木光太郎) [296-297]
    文庫版あとがき(2015年3月 鈴木光太郎) [298-299]
    注 [300-330]
    図版出典 [331-333]

  • オオカミ少女とサブリミナル効果は結構有名な話だけど、まだ信じてる人は多いと思います。
    特にサブリミナル効果は、メディアが素早く規制した事により、学術的な検証がされてないのに信じられているという、、、
    他にも色々載っていて面白かったです。

  • 心理

  • 心理学といふ怪しい学問と、「マニュアライズされうる教育」と言ふものへ、魅かれなけらばならない人間のさがと、それをひっかけてしまふ皆さんのアレ。
     カマラとアマラに関するいろいろ、(確かに「狼のように木に登る」のは変だよな)プラナリアでの学習の、説得力のある点、恐怖条件をやった被験者は、aちゃんと倫理上ダメな状態になってるのがゐない(厳密には一応ゐるけど実験に依るのか微妙な感じのアレがある) bさういふモルモットとしてかなり不適当な人が可能性ある人にゐる と言ふあれが満載。
     著者にはお疲れさまでしたと言ひたい。

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著者プロフィール

新潟大学名誉教授。
著書『動物は世界をどう見るか』『オオカミ少女はいなかった』(新曜社)
訳書 R・N・シェパード『視覚のトリック』
ジャン=フランソワ・ドルティエ 著『ヒト、この奇妙な動物』
P.エーリック、A.エーリック『支配的動物』
フィリップ・ステッドマン 著『フェルメールのカメラ』他多数

「2019年 『謎解き アヴェロンの野生児』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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