最終戦争/空族館 (ちくま文庫 き 40-1)

著者 :
制作 : 日下 三蔵 
  • 筑摩書房
3.25
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本棚登録 : 79
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480433930
#SF

感想・レビュー・書評

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  • 著者の第一短編集『最終戦争』が、単行本未収録作品と未発表作品を追加した豪華版で復刊。

    久生十蘭を思わせるキレの良いべらんめえ調の文体が印象的な短編集だった。流石に登場人物の台詞や固有名詞には古さがあるが、今読むと新鮮でもある。思っていたより明るい作風だったのは意外だった。
    また、短いながらも、オチで一気にひっくり返す構成は、上質なミステリ短編の匂いも感じる。
    難を言うなら、『旧仮名』の場合はちゃんと漢字も旧字にして欲しいということぐらいだろうか……新しい文庫になると、旧仮名はそのままでも漢字が全部新字になるのは読みづらくてかなわん(余談だが新字になった泉鏡花や森鷗外は殆ど暗号レベルに読みづらい)。

    そして、巻末解説で、創元SF文庫の企画はまだ続いていることを確認して安堵。もう4年? 5年ほど経つか? 創元の刊行予定にず〜っと載っていて、出ないまま消えてしまったので、企画自体がぽしゃったものとばかり……そうなると次は『創元のはいつ?』という話になるが、取り敢えず、出るのは決定しているようで良かったw

  • 今読むと古めかしい短編集だが、日本SFの初期の雰囲気が楽しい。文体?語り口?も含めて。

  • 古さはもちろん感じる。だからといって悪いわけではなく、『カシオペヤの女』なんかは実にいいと思う。
    あと、5年ぐらい待ってる創元のほうも一応進んでるみたいで安心。

  • 今日泊 亜蘭(きょうどまり あらん、1910年(明治43年)7月28日 - 2008年(平成20年5月12日)は、日本の小説家、SF作家。(※Wikiコピペ)SF作家にはあまり詳しくないので初めて知りました。

    本書に収録されているのはおもに昭和40~60年代の短編やショートショート。とにかく収録数が多い(40編?)うえに、モチーフが被っている作品も多く、今となっては定番のテーマでそれほど新味はないけれど、全体的に古き良き昭和のショートSF感が面白かったです。

    宇宙からの侵略者、空飛ぶ円盤、ロボットやコンピュータの叛乱、感情を持つロボット、時間旅行や宇宙旅行のパラドックス、あとは戦時中が舞台のものも多かった。

    個人的にはベタだけれどロボットが感情を覚える「ロボット・ロボ子の感傷」や、恋愛要素のある「カシオペヤの女」など、情緒に訴えるものが好みでした。


    ※収録作品
    完璧な侵略/次に来るもの/博士の粉砕機/地球は赤かった/ケンの行った昏い国
    無限延命長寿法/素晴らしい二十世紀/「おゝ、大宇宙」/スパイ戦線異状あり/恐竜はなぜ死んだか?/完全作家ピュウ太/最後に笑う者/秋夜長SF百物語/宇宙最大のやくざ者/「オイ水をくれ」/何もしない機械/古時機ものがたり
    溟天の客/幻兵団/カシオペヤの女/最終戦争
    天気予報/ミコちゃんのギュギュ/怪物/パンタ・レイ
    ロボット・ロボ子の感傷/神よ、我が武器を守り給え/イワン・イワノビッチ・イワノフの奇蹟/坂をのぼれば・・・・/早かった帰りの船/三さ路をふりかえるな/黒いお化け/永遠の虹の国/光になった男/まるい流れ星
    空族館/つぎに来るもの/ケンの行った暗い国/ロボットを粉砕せよ!/ああ大宇宙

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