井上ひさし ベスト・エッセイ (ちくま文庫)

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 104
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480436009

作品紹介・あらすじ

むずかしことをやさしく・・・幅広い著作活動を続け、多岐にわたるエッセイを残した「言葉の魔術師」井上ひさしの作品を精選して贈る。解説 佐藤優

感想・レビュー・書評

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  • テーマ:エッセイ

  • 本当は「家庭口論」
     ブクログの中をあちこち探しましたが「家庭口論」とうとう見つからずここに記載しました。
     小説家の日々の暮らしがちょっと大袈裟に綴られていて共感できるところの多い作品です。ちょっとしたことで妻が不機嫌になって書斎に籠ることが何度もありました。
    「不機嫌は最大の悪徳である」ワイルド(だったかな?)

  • 以前読んだ「私家版 日本語文法」がとっても面白くて、他のエッセイも読んでみたいと思い購入。「私家版 日本語文法」は広告やテレビCMなどから井上氏が気になった「日本語」を抜粋して、辞書をひきひき、うんちくを交えながら語る軽妙な内容だったのですが、こちらのベスト・エッセイにはずっしりとした語り口のものもあり、少し意外でした。

    お母さんのことを書いたエッセイが秀逸でしたね。井上ひさしご本人よりもこのお母さんが気になる。戦中の山形の農村で「アメリカに勝てるわけない」と言い放てるお母さん・・・思わずのけぞりました。いや、知られていないだけで、このような、聡明で強くて空気を読むことを知らない女性はいたるところに存在したのかもしれない。かき消されているだけで。

    井上氏が宮沢賢治を熱狂的に好きになったきっかけもよかったです。
    山間の農村に生まれ育った少年が「なんとも言えずいいものだ」と思っていた、つまり言葉で言い表せられないと思っていた自然を、宮沢賢治は言葉で、音で「どういいのか」表現していた、そこに呆然とした、と語っていたかと思います。
    原体験として、すっと入ってきました。私が本を好きになったきっかけってなんだろう。

  • 旅のお供。読みやすく、楽しいエッセイだった。語り口がテンポよく、軽妙で洒脱。昔のストリップ小屋バイトの話や、天皇の戦争責任の話など、時代を感じる。興味深い。

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著者プロフィール

(いのうえ・ひさし)
一九三四年山形県東置賜郡小松町(現・川西町)に生まれる。一九六四年、NHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』の台本を執筆(共作)。六九年、劇団テアトル・エコーに書き下ろした『日本人のへそ』で演劇界デビュー。翌七〇年、長編書き下ろし『ブンとフン』で小説家デビュー。以後、芝居と小説の両輪で数々の傑作を生み出した。小説に『手鎖心中』、『吉里吉里人』、主な戯曲に『藪原検校』、『化粧』、『頭痛肩こり樋口一葉』、『父と暮せば』、『ムサシ』、〈東京裁判三部作〉(『夢の裂け目』、『夢の泪』、『夢の痴』)など。二〇一〇年四月九日、七五歳で死去。

「2023年 『芝居の面白さ、教えます 日本編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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