- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480436009
作品紹介・あらすじ
むずかしことをやさしく・・・幅広い著作活動を続け、多岐にわたるエッセイを残した「言葉の魔術師」井上ひさしの作品を精選して贈る。解説 佐藤優
感想・レビュー・書評
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テーマ:エッセイ
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本当は「家庭口論」
ブクログの中をあちこち探しましたが「家庭口論」とうとう見つからずここに記載しました。
小説家の日々の暮らしがちょっと大袈裟に綴られていて共感できるところの多い作品です。ちょっとしたことで妻が不機嫌になって書斎に籠ることが何度もありました。
「不機嫌は最大の悪徳である」ワイルド(だったかな?) -
以前読んだ「私家版 日本語文法」がとっても面白くて、他のエッセイも読んでみたいと思い購入。「私家版 日本語文法」は広告やテレビCMなどから井上氏が気になった「日本語」を抜粋して、辞書をひきひき、うんちくを交えながら語る軽妙な内容だったのですが、こちらのベスト・エッセイにはずっしりとした語り口のものもあり、少し意外でした。
お母さんのことを書いたエッセイが秀逸でしたね。井上ひさしご本人よりもこのお母さんが気になる。戦中の山形の農村で「アメリカに勝てるわけない」と言い放てるお母さん・・・思わずのけぞりました。いや、知られていないだけで、このような、聡明で強くて空気を読むことを知らない女性はいたるところに存在したのかもしれない。かき消されているだけで。
井上氏が宮沢賢治を熱狂的に好きになったきっかけもよかったです。
山間の農村に生まれ育った少年が「なんとも言えずいいものだ」と思っていた、つまり言葉で言い表せられないと思っていた自然を、宮沢賢治は言葉で、音で「どういいのか」表現していた、そこに呆然とした、と語っていたかと思います。
原体験として、すっと入ってきました。私が本を好きになったきっかけってなんだろう。 -
旅のお供。読みやすく、楽しいエッセイだった。語り口がテンポよく、軽妙で洒脱。昔のストリップ小屋バイトの話や、天皇の戦争責任の話など、時代を感じる。興味深い。