ある漂流者のはなし (ちくまプリマー新書(014))

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480687142

作品紹介・あらすじ

「生きる力」って何だろう。三十七日間、ひとりぼっちで漂流し奇跡的に生還した男は、何を考え、どのようにふるまったのか。その真実に迫る感動のドキュメント。

感想・レビュー・書評

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  • 軽く読める新書だが、強い印象を受けた。一人っきりの漂流。だからこそなのか時間の流れは曖昧になり、生と死さえも曖昧に…。迷いに囚われたくなくてその元となる水なり食料なりを処分してしまう。極限状況に置かれながらも、驚くのはその執着心の希薄さ。それは武智さんならではの感性なのだろうか。あまりにも自然すぎて不思議。まるで悟りきった僧侶のよう…補陀落渡海を想起する。
    稀有な人柄に興味が尽きない。漂流していた時に聴いていた山川豊の歌を、陸ではどんな気持ちで聴くのだろうか。

  • 今から14年前、たったひとりで37日間海で漂流した武智三繁さんを著者がインタビューした。武智さんが漂流中にどのように生活して何を思っていたのかを知ることができ、救出されたあとの事も語っています。死と隣り合わせになった武智さんが語ってくれた内容は今を生きる人たちに勇気を与えてくれます。

  • いろいろと考えさせる一冊でした。

  • 37日間太平洋上を漂流し、2001年8月26日に奇跡的に生きたまま救助された男性の話。劇的な物語を期待して読むと肩透かしを喰らうかもしれないくらい、静かな(ある意味、普通っぽい)話。でも、9.11とか小泉政権誕生といった激動の時代の話であることを考えると、なかなか趣深いとも思えてくる。

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著者プロフィール

1948 年長野県生まれ。ノンフィクション作家。早稲田大学時代にベトナム反戦運動「ベ平連」に参加。1985 年の日本航空123 便墜落事故を取材した『墜落の夏 日航123 便事故全記録-』(新潮社)で第9 回講談社ノンフィクション賞を受賞。2017 ~ 2021 年まで日本ペンクラブ会長を務める。主な著書に『M/ 世界の、憂鬱な先端』( 文藝春秋) 、『奇跡を起こした村のはなし』( ちくま書房)、『散るアメリカ』( 中央公論社) ほか多数。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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