ブッダ-大人になる道 (ちくまプリマー新書 48)

  • 筑摩書房
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480687494

感想・レビュー・書評

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  • 原始仏教をすごくシンプルに説明してくれてる。最後の章の後半は少し納得しかねる部分があった。

  • ・お釈迦さまの教えに触れるたびに、科学的だなぁ~と思っていたのですが、それは、他者の行動を観察したり、自分の内面を客観的に見詰めたりした結果として到達した考え方だからなんでしょうね。神話とは、決定的に違うのです。

     この本のもとになったのは、埼玉県飯能市にある自由の森学園中学校・高等学校での授業と講演とのことです。

     上座仏教についての予備知識がない状態で、いきなりアルボムッレ・スマナサーラ長老の講義を聞いたとしたら、生徒たちはもちろん、先生方も戸惑ったと思いますが、仏教の起源を知り、日本に伝わった大乗仏教とは違う感じである、ということを知ったことは、価値ある経験だったのではないかと思います。

     若いうちから、お釈迦さまが説いたとされる教えに触れることは、とても良いことだと思いますし、羨ましいなぁ~と思います。

     中高生の頃、生きることは辛いこと、自分の知識を正しいと思わないこと、と言われても、親や先生方から大人が正しいと思っている価値観を与えられて育った子どもたちは、ピンとこないと思いますが、長老の話を聞くことで、視野が広がると思います。

  •  堅苦しい、小難しい仏教書だと思ったら大間違い。

     著者は、長く日本に住んでいるスリランカ仏教界の長老。日本の中高生を相手にした講演と授業を本にまとめたものだそうで、「です・ます」調のわかりやすい話し言葉で書かれています。

     内容も仏教書にありがちな仏典からの引用は少なく、代わりに、仏典の中のお話をかみくだいて易しい物語として紹介しています。

     例えば、若きシッダールタ王子が生老病死の苦しみを初めて知ったとされる有名な「四門出遊」のエピソード。著者はこれを「結局はつくられた物語」と言い切り、「大事なのは物語ではなく、この物語が言わんとするポイントです」と説明しています。

     いわく、「すべての生命は老い、病み、死ぬ。俗世間にしがみついて欲におぼれて生活すると、老病死の苦しみの渦巻きにのまれる」という結論を、たとえ話にしたのが「四問出遊」だというのです。

     このように、前半はスラスラと読み進められるのですが、読み進むにつれて、徐々に抽象論が強まってきて、「???」という部分が散見されるようになります。平易な例えのつもりであろうと思われる話が、かえって意味不明に陥っているような部分も。

     聞いていた中高生は、はたしてどれくらい理解できたのだろうか…。

     もうちょっと、話を整理してまとめた方が良さそうですね。

    (2007年7月20日読了)

  • 主観ってエゴでわがままなものだったんだ…

  • 勉強になりました。

  • スマナサーラ師の著書を久しぶりに読んだ。やっぱりこの人のブッダ論はいい。例によってかなり過激だけど。平野啓一郎氏は「個人から分人へ」というスローガンのもと、「確固たる個人」とか「アイデンティティ」といった西洋のフィクションからの解放を主張しているが、これをブッダに言わせると「自分とは、その時その時の反応である」となってしまう。単純明快で、しかも正しい。これからも、スマナサーラ師の著作はときどき目を通すようにしよう。

  • 人間の苦しみは「心の問題」であること、そして一切は因縁によって成り立っていることといった、ブッダの教えの基本的な部分をわかりやすく解説されていた。一方、キリスト教を始めとする一神教に対して、信仰に導くやり方がすごく強引であり、原罪という考え方は脅しであるといった批判は、これまで一神教というものに対して漠然と感じてきた違和感をすっきりとした表現で言い表されていて、納得のいくものである。生きことは「自己責任」であり、人間関係は「生きた道場」といった著者の言葉はとても力強く、小さなことでくよくよ悩まず、すべて自分の問題として捉えた上で前向きに取り組んでいかなければならないという思いにさせてくれる。

  • めちゃめちゃ軽ーい仏教の話。
    人の主観はそれぞれである、自分の存在も含めてすべては移り変わっていく、自分から人を嫌うことはしない、などの主張が印象的です。
    相手の短所には目をつぶって長所に目をやる、ということですが、欠点に目をつぶって無関心になるのはいかがなものか、と思う。もうちょっと深いところでつながれる方法を考えていきたいと、個人的には思うけど。
    そのまんま、子ども用の本やなあと思った。

  • これが本当に仏教の書籍だろうか?後半は特に生活のための心構えを改めさせてくれます。図書館で借りて読みましたが買おうかな。

  • わかりやすい。心の科学だ。
    主観を捨てる。ないものだから
    自由を認める。皆が自由だから
    人間とは「知識」
    自分の欠点を知ること。それが他人を知ること。
    今を生きること。因果法則。
    愛されるとは、努力しなければいけない...等々
    人格者への道がある。難しいことではない、とても簡単なことばかり。

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著者プロフィール

アルボムッレ・スマナサーラ
Alubomulle Sumanasara

テーラワーダ仏教(上座仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事している。朝日カルチャーセンター(東京)講師を務めるほか、NHK Eテレ「こころの時代」「スイッチインタビュー」などにも出演。著書に『サンユッタニカーヤ 女神との対話 第一巻』『スッタニパータ「犀の経典」を読む』『ダンマパダ法話全集 第八巻』『ヴィパッサナー瞑想 図解実践─自分を変える気づきの瞑想法【決定版】』(以上、サンガ新社)、『怒らないこと』(だいわ文庫)、『心は病気』(KAWADE夢新書)、『ブッダが教える心の仕組み』(誠文堂新光社)、『ブッダの教え一日一話』(PHP文庫)、『70歳から楽になる』(角川新書)、『Freedom from Anger』(米国WisdomPublications)など多数。

「2023年 『無常の見方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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