景気ってなんだろう (ちくまプリマー新書 94)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480687982

感想・レビュー・書評

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  • 経済のグローバル化が進む中で、日本の景気が世界の景気とどのようにつながっているのか、また、アメリカのサブプライム・ローン問題に発する世界同時不況や、金融政策の基礎について、数式をまったく用いず分かりやすく説明している本です。

    若い読者を対象としている「ちくまプリマー新書」だけあって、とてもていねいに説明されていますが、文章はそれほど砕けた感じもなく、意外にフォーマルな装いです。高校生でなくても、経済学の入門書として広く手に取ることのできる本だと思います。

  • 景気の動き。世界の経済状況と日本の経済との関連。
    為替・サブプライム問題・新興国等複雑にからむ経済と景気んじょ仕組みについてわかりやすく解説している。

  • (130127)
    難しいことは書いていない。
    インフレ目標政策を行った国の成長率の話は、
    わりとタイムリーなのではないかと思った。

  • 景気についての全体像をつかむ目的であれば、平易によくまとめられた本であると思った。ただし、各個別論点について深く考えようとすると、妥協がないためか実は難しいと思える部分も少なくなかった。

  • 私は経済の本をあと何冊読めば用語やら仕組みを覚えられるのでしょうか…

    自分にとって目新しいと思った所は、原油価格高騰による生産費用の引き上げを押さえるには、日本の省エネ技術と省エネスタイルを世界中に普及させて原油の消費を抑制すればいい。という点でした。

  • 経済学の入門書。マクロ経済の概観を掴むにはちょうどいいかも。

    序章 景気とはなんだろう
    第1章 景気はなぜ良くなったり悪くなったりするのだろうか?
    第2章 設備投資は南極探検のようなものだ!
    第3章 日本の景気は海外の景気とどう連動するか
    第4章 お父さんの会社は景気とどういう関係があるのか
    第5章 いろいろな価格は景気とどう関係するのか
    第6章 景気を安定させる方法はあるのだろうか?
    第7章 インフレにどう対応するか
    付論 イワタ流景気動向指数の見方

    景気が良い悪いって、確かに感情論で言っている場合が多く、景気そのものの実態って分かりにくい。著書は、そんな漠然とした景気という対象を、分かりやすく説明している。

    個人的には、もう少し踏み込んだ内容を期待していたが、経済の入門書との位置付けであればやむを得ないかも。日経新聞を毎日読んでいれば、著書の大枠は掴めるはずなので、正直新鮮味はあまりなかった。

    この本を機に、経済に興味を持つようになる読者が増えれば、それはそれでいいかも。まずは、経済学の導入編として、読んでみるのはオススメ。

  • 図書館:読みやすさは微妙。プリマーにしては固い印象だった。まあテーマがテーマだし。また余裕のあるときに読みたい。

  • 簡単な経済の本。
    全然知識なかったから読んでよかった。サブプライムローンとかにも言及してた気がする。

  • 岩田紀久男の最新作にあたる一般書。岩田は本作のみならず数学を使わず、マクロ経済学を使って述べることの出来るマクロ経済学者である。
     本作でも、インフレターゲットの有効性と限界性を述べている。日本の景気の減速の仕組みが適切に述べられていて、巷間に流布される謀略的な経済学を説くものではない。その点で、昨今の昨今の米国金融危機の謀略性については全く述べてはいないのはさすがというべきであろう。
     米国の経常収支の赤字であり、それが中国、インド、その外のアジアの新興国、日本の黒字を補っているという国際経済のあり方の指摘は、ありふれた指摘でありながらもマクロ経済学的には「常識」である。
     そのような視点から、一時喧伝されたデカップリング論に対する批判は当然の論理的帰結であり、また、世界経済の成長性は米国の過剰な消費経済、ほとんど貯蓄の不足の個人消費によって演出されていたのである。このことの認識の欠如したドル安によるそるの信任の崩壊論も一面的な反米経済論であるということも指摘できるであろう。
     岩田の本作の問題点は、スタグフレーションへの言及である。スタグフレーションは、平均賃金の上昇無きインフレといえるのだろうが、石油ショック時は平均賃金は上昇し、原油高が外性的ショックとなって現れた。よって、インフレーションは起きたが、平均賃金の上昇が先であって、その後に原油高によるコストインフレ圧力によって、インフレ予想の基盤によって人々の多くが買い漁るインフレ劇が生まれたと理解している。その観点から言えば、原油高によるスタグフレーションの懸念は、根拠薄弱であるといえるだろう。
     ただその点を覗けば、さすがに岩田の著作であり、資産デフレから債務デフレへ、デフレ圧力からデフレ予想の定着を指摘してる。金融緩和によるデフレの脱却の金融論の極々まっとうな経済学の開陳がある。非常に信頼できる著者である。
     

著者プロフィール

学習院大学経済学部教授。金融論、経済政策専攻。主な著書に『金融入門』『経済学を学ぶ』『金融危機の経済学』など。

「2010年 『初歩から学ぶ金融の仕組み』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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