- Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480802941
作品紹介・あらすじ
漱石没後七十余年。その死によって中絶した遺作『明暗』を、漱石の諸作品からの引用をちりばめながら、漱石そっくりの文体、言い廻し、用語を駆使して完結させる。そんな無謀な試みを現代の女性が天衣無縫に実行してしまった。平成のまどろみを揺り動かすこれは事件だ。
感想・レビュー・書評
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もともとの「明暗」も読んでないのに
何も知らず手に取ってしまい
難しい感じと読み方に四苦八苦しながらも
慣れてくるとなんだか面白くなってきたが
読み終わるのに時間を要した。
それにしても、たった数日のことにこれだけの
分量のページ数かけることに驚いた。 -
漱石未完の作品の続きはどうなるはずだったのか。様々な論があるようだが、その見事な正解答案を、本編と続けて読んでほとんど違和感のない作品として示した、と言える。異論のある者は、同じように続編を書けばよいだろう。少し「正解すぎる」というか「うまく解釈しすぎている」という感じがしなくもないが、本編に続いて十分に作品世界に浸ることが出来たし、女性の心理描写については、本編より凄みが増しているようにも思える。
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国民作家の未完の遺作に、さらりと完結編を書いてくれたイェール大卒の才女の行動力が衝撃です。男の身勝手と保身は「近代の苦悩」のうち?
大分大学 経済学部(分野 西欧中世社会経済史)
教員 城戸 照子 -
成る程、という感じでした。読んでいくうちに登場人物の考えがわかってくる気がします。信用できない人間という意味が解ります。
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漱石の絶筆『明暗』を書き継いだ作品。<br>
漱石が明の部分を書いてるんだとすれば、こちらは終わり部分に向けて『明暗』よりも話が深刻になっていく「暗」なのでしょうか。最後は「則天去私」っていう感じだったのかな…と思いますがよくわかりません。 -
夏目漱石晩年の未完作品「明暗」の続編。小林の変化っぷりにちょっと驚いた。