パパは今日、運動会

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804358

感想・レビュー・書評

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  • ここ最近、週末に家の近くの学校から運動会でお馴染みの音楽や子供たちの元気なはしゃぎ声が聞こえていた。
    前は運動会って春じゃなかったかな?なんて思いながらも、なぜか私までワクワクしてくる。
    運動は苦手だけど運動会は好きだった。
    今でも運動会にワクワクするだろうか?
    優勝したいと思うだろうか?

    この小説に描かれているのは会社の運動会。
    これがすごく面白い。
    みんないい加減に楽しんでいるのがいい。
    そして普段の関係より露骨になる社内の人間関係に、社員の家族が絡んできて非常に混沌としているのがいい。
    騎馬戦で嫌いな人がいるチームを潰したいとか…。いたずらっ子の顔に戻って悪だくみ。
    まぁそれくらいだったらちょっとした息抜きということでいいんじゃないかな、という気になる。

    こんなハチャメチャな運動会なら私も参加したいなぁ。

    • まろんさん
      山本幸久さんの作品は、サービス精神に満ち満ちていて、
      読者を元気にしてくれるところがいいですよね!
      小学校や幼稚園の運動会じゃなくて、会社の...
      山本幸久さんの作品は、サービス精神に満ち満ちていて、
      読者を元気にしてくれるところがいいですよね!
      小学校や幼稚園の運動会じゃなくて、会社の運動会をテーマに選ぶあたりが
      とても山本さんらしくて、うれしくなってしまいます。
      運動神経をどこかに置き忘れて生まれてきた私でも、読みたくなってしまいます♪
      2012/10/19
    • takanatsuさん
      まろんさん、コメントありがとうございます!
      はい!元気をもらいました♪
      嫌なこともあったりするけど、いろんな人がいる会社という場所は楽し...
      まろんさん、コメントありがとうございます!
      はい!元気をもらいました♪
      嫌なこともあったりするけど、いろんな人がいる会社という場所は楽しいところでもあるよなぁ‥なんて、ちょっと前向きになれたりもしました。

      私も運動神経って何?レベルです(汗)
      でもたまには思いっきり体を動かして、はしゃいでみるのも楽しそうです☆
      2012/10/19
  • カキツバタ文具の社内運動会の様子を、各部署の社員の視点から、プログラムごとにエピソードを交えてつづった作品。

    も~面白かった~♪
    著者の作品、外れなしです。
    4人のワタナベさん達、弓削くん、高城母、個性的な面々が魅力的。嫌われ者設定の千葉課長が、最後のどんでん返しで見せてくれる感じ、思わず拍手‼です。

    OL時代、私がいた会社でも大運動会がありました。新人時代は嫌だなと思っていたけれど、案外楽しくて、普段見れない顔が見れたり、いい思い出です。
    「運動会でわかりあえるはずなどない。だがそのきっかけになるかもしれない。」武藤さんに一票です。

  • 昔、父の会社でもグループ企業の運動会があって、
    毎年参加してました。
    大人も運動会やるんだ、と思っていました。
    これを読み終えたころ、ちょうど近所の保育園でも運動会をやっていて。

    借り物競争で「不倫相手」とは、これをセットした会社って・・・と思いましたし、組織社会ですから、パワーバランスもあってか、
    その辺が読んでいて面白かったです。
    うちの会社も運動会やれば、
    「あの部の部長は嫌いだからやっつけよう」
    とか、
    盛り上がるんじゃないかな(笑)。
    久しぶりに痛快な小説でした。

  • タイトルと表紙がお気楽そうでちょっと心配したけど、読んでみれば、山本さんのいつものカイシャ小説だ。
    運動会と行っても子供の学校のじゃなくて、㈱カキツバタ文具の社内運動会。
    競技名のついた章ごとで主人公が変わってそれがつながっていく。
    どこの会社にでもいそうな面々がユーモラスに描かれる。
    あっちでもこっちでもにぎやかにドタバタやってるうちに、ちゃーんとおさまるところにおさまるのがお見事。

  • 会社の運動会に集まった社員たちによる
    あれやこれやのドタバタを連作短編形式で綴るお話


    会の進行に(ほぼ)合わせて視点を変えながら、
    それぞれの立ち位置や思いを描いていく。

    「あー、山本幸久だなぁ」
    と、読んでいる最中も読み終わってからも
    ちょい苦も込みでほっこりして心地好い。


    世の中良い事はあんまりない気がするし
    ムカつく厭なヤツもいっぱいいるけど、
    そうそう悪い事ばっかりでもないし
    厭なだけのヤツも意外と少ない。

    山本さんや平さんの書く話を読むと
    いっつもそんな風に感じられる。


    みんながんばれ!
    私もがんばれ!
    と、エールをおくりたくなった。


    余談。蕎麦屋の下りで既視感が、と思ったけど
    平安寿子作品でも似たような設定があったねぇ。

  • 人間の弱さ、脆さがよく描かれていて良かった。実際の世の中はこんなもんなんだなって思えるようなリアル感と、誰もが経験したことのある青春の熱さを掛け合わせるとこんな化学反応釜起きるのかと面白かった。個人的には額賀が全く報われない悪役になってしまったのがかわいそう。複数の視点から人間関係を見渡して元気になれる作品だった。

  • 150人規模の文具企業の社内運動会を舞台に描く人間ドラマ。山本幸久らしいくすぐり笑いの多い群像劇である。

    気になる人物が幾人も出てくるが、どのキャラもちょっと残念な部分があり、その残念さに歯がゆい思いを持ちながら読み進めると各章のオチの部分で「まぁ、それも個性のうちやな、ガンバレよ」と思える。その後味良さが醍醐味なんだが、ちょっと小粒かなぁ、もうちょっと仕掛けを大きくしてくれても良かったと思う。

    オーラスに持ってきた、ヒール役の千葉課長のオチもオチきってないのが残念。余韻に浸らせようとしたのが伺えるが、もうちょい引っ張ってくれたら、もっと気持ちが入って追われたと思うのだが。

  • 小粒ながらキャラ立ちも良く、人間模様を楽しめる作品。夏海の合流とか千葉のカツラオチとか、もう少しボリュームを望むのは贅沢でしょうか。

  • カキツバタ文具という会社の運動会を舞台に、社員同士の人間模様や、またはその家族のドラマの話。ぞくぞくと登場する社員達は、それぞれ個性豊かで、面白味もある。いつもと違う環境で、いつもは見えなかった面が見えたり…とストーリーは割と楽しめたのですが…何せ、1ページから最後までずーっと運動会をしているので、変わらない背景に飽きてしまったのか、途中から読むのが少ししんどく感じてしまった。それにしても、8時半から17時までの運動会って、長すぎやしないか?

  • カキツバタ文房具で行われた大運動会を舞台にした群像劇。一人一人のエピソードは面白そうだからもっと読みたいな、という感じ。わいわいがやがや、運動会って楽しいよね。
    高城輝・武藤猛の二人の行く末が気になる。

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著者プロフィール

山本幸久
一九六六年、東京都生まれ。中央大学文学部卒業。編集プロダクション勤務などを経て、二〇〇三年『笑う招き猫』で第十六回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。ユーモア溢れる筆致と、魅力的な登場人物が読者の共感を呼び、幅広い世代から支持されている。主な著作に『ある日、アヒルバス』『店長がいっぱい』『大江戸あにまる』『花屋さんが言うことには』『人形姫』などがある。

「2023年 『あたしとママのファイトな日常』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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