星か獣になる季節 (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
3.68
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本棚登録 : 531
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804570

作品紹介・あらすじ

ぼくのアイドルは殺人犯!?地下アイドル・愛野真美が逮捕されたというネットの噂から、平凡な高校生・山城の日常は加速しはじめる。

感想・レビュー・書評

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  • この本にとても大事なことが書いてある。

    とても大事なことなのに、私はもう「これは私のことだ。私たちのことだ。言葉にならないドロドロの塊を、のどの奥に手を突っ込んで『はい、これあなたのでしょ』って掴んで見せてくれたんだ」と言って泣くことはできないのだということが悔しいほど思い知らされた。星か獣になる季節から、はるか遠く。

    昔むかし、『駆け込み訴え』を読んで「これを本当に分かるのは私だけだ」なんて思って泣いたことを思い出すよ。たくさんの子供たちがこの本に出逢えるといいと思う。

  • 17歳―どこまでも輝いていて怖いモノなんか無くて、その笑い声、その泣き顔、汗一雫までもを青春だと呼んでいた。17歳―未完成。星か獣になる季節。真の友情も本モノの恋も何も知らない。誰かの為になら死ねるなど、上っ面の愛に生きたり死んだり出来るほど人間は破滅的に純真なわけじゃない。綺麗になればなるほど汚してしまえと聞こえてくるよ。嘘、軽蔑、作り笑い。誰々が、君のせいで、私は知らない。君みたいになりたかった。でも私は私。私は生きている。未来が過去を抱きしめる。

  • 感情の洪水みたいで、良かった故にもう一度読める気がしない。読んだ後暫く沈んでしまいました。影響のある本を鈍器で殴られる衝撃と喩えることがありますが、こちらは泥水に飲まれてゆく感じでした。落ち着いたらまた読みたい。

  • 読了

  • 映画にせよ小説にせよ選り好みをしているつもりはないですが、何故か最近は生々しい作品によく出会います。 描写とか表現だったりストーリーそのものがリアルで生々しいんです。 この本もそうでした。 淡々と進んでいくところもまたリアルに感じられました。 前編後編に分かれていますが起承転結を二回味わえると言ってもいいぐらい、ハッキリと別の物語でした。 いや、ちゃんと続いてるんですけどね、そういう意味ですごいです。 自分が正しいかどうかなんてこだわっているうちは話なんてできない。 たぁしかに!!

  • ※参考にはならないすごく個人的な感想です

    最初の主人公にも文体にも入り込めないうちは、ちょっと苦痛だった。あまりに癖が強すぎて。
    でも読み進めてくうちに理解して解像度が上がって、主人公の中でも解像度があがってくと途端にずぶずぶにのめり込んでた。最初は理解できなかった独特な文体の感情表現が途端に鮮明になってく感じ。
    すごい好き。好きだけど、のめり込めばその分ずっと辛い。後味なんて良くない全然良くない、個人的にはだけど。辛いんだけど、どこを取っても言いようも無い感情が鮮明に伝わってくるからやっぱりすきな小説。

  • 「ぼくはきみが好きです。」から「ありがとう。好きです。」までが全てだったんだと思う。「青春を軽蔑の季節だと、季節だったと、気付けるのはいつだろうか。」確かにそうで、私も 誰しも 軽蔑して生きていた青春がとても懐かしいし、今でもそう軽蔑してるんだと思うよ。
    読みやすくて一気に読んだ。表現が無二の感じが読んでいて楽しいし、心に刺さる言葉ばかりだったな。
    図書館で借りたので、買おうと思う。

  • 文学

  • One of the characters in this story says, “you will become a star or a beast at the age of seventeen”. This tells the key point of the story. Main characters are high school students. One of them is Yamashiro. He likes Chika-idol (indie idol) Mami-chan. One day he hears a shocking news - she killed someone. His classmate Morishita also likes the idol. They decide to find a fact whether Mami-chan really committed the crime. The story ends in a surprising way. “Hoshi ka Kemono ni naru kisetsu(星か獣になる季節)” was written by Tahi Saihate who is a poet and has a broad appeal to young people in Japan. In this story, she describes troubled seventeens in her unique way. This is not a happy story but I think it is worth reading to feel something about a dark side of teenagers.(じんじんさん)

  • アイドルのきみが、人を殺した。
    平凡で、バカみたいな歌と踊りを、努力でしかないもので身につけていたきみが。

    横書きで書かれた本。
    私はこれを小説だとは思わないけれど、じゃあ何なんだろうと思う。
    書かれているのは、ただただ感情的な言葉たち。
    共感できれば刺さるのだろうし、共感できなければ読むのがつらい。

    『あとがき』が一番わかりやすくて、ゆえに私はそこが一番刺さった。
    最果タヒは詩集もそうだけど、『あとがき』というかたちである程度翻訳してもらえないと、私はその意味を理解できないのだと思う。それがとても悔しい。

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著者プロフィール

最果タヒ(Tahi Saihate)
詩人。一九八六年生まれ。二〇〇六年、現代詩手帖賞受賞。二〇〇八年、第一詩集『グッドモーニング』で中原中也賞を受賞。二〇一五年、詩集『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞。その他の主な詩集に『空が分裂する』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(二〇一七年、石井裕也監督により映画化)『恋人たちはせーので光る』『夜景座生まれ』など。作詞提供もおこなう。清川あさみとの共著『千年後の百人一首』では一〇〇首の現代語訳をし、翌年、案内エッセイ『百人一首という感情』刊行。エッセイ集に『きみの言い訳は最高の芸術』『もぐ∞【←無限大記号、寝かす】』『「好き」の因数分解』、小説に『星か獣になる季節』『少女ABCDEFGHIJKLMN』『十代に共感する奴はみんな嘘つき』、絵本に『ここは』(絵・及川賢治)、対談集に『ことばの恐竜』。

「2021年 『神様の友達の友達の友達はぼく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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