私たちはどこから来て、どこへ行くのか: 科学に「いのち」の根源を問う (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480818430

感想・レビュー・書評

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  • 対談相手の研究についてより深く知りたい。

  • 賢い質問をすることは
    とても 難しい
    その 賢い質問をするために
    きちんと 聴き手が準備をしておくことは
    本当に大切だ
    と 思い知らされる
    ただ 話を聴くだけではなく
    その 会話がより賢くなるためには
    聴き手の知的底力が必要なのだ
    と 思い知らされる

    なんと よんでいて
    わくわくさせてもらったことだろう
    理解できた部分は
    そう多くないような気もする
    いや むしろ解らなかった方が
    多いかも知れない

    でも この対談に参加させてもらったような
    気がして

    ちょっとだけ (自分が)賢くなれたような
    気もさせてもらっています

  • 知的興奮が止まらない

    腸はエネルギー使うが、調理で消化が良くなった分脳に振り替える事が出来た。

    DNAは細胞の部品

    階層性を引き離して理解する

  • とりあえず一読。面白いと思ったインタビューだけピックアップして、まとめてみようか。

    今読んでいる量子力学の本に関わるような内容もあり、なんだか結局いろいろな分野の研究はつながることになっていくのだろうか…と考える。

  • あまりにも哲学的な問い「私たちはどこから来てどこへ行くのか」を科学で考えるというコンセプトがまず面白い。色んな分野の学者さん同士で内容が同じところもあればまったく違うところもあって楽しめた。特に団まりなさんの死生観は興奮を覚えた。進化生物学やっぱり面白いなと思える一冊だった。

  • 作家の森達也さんが、第一線の科学者10人と自分自身とに訊いたインタビュー集。
    ノンフィクションが好きで、そのなかでも最近は、宇宙、進化、脳科学、人工知能あたりを読み漁っている。そんな私の興味にどんぴしゃではまった本。

    文系脳で高校授業では生物も物理も選択しておらず、仕事もまったく関係がないにもかかわらず、サイエンス系ノンフィクションを本屋や図書館でみかけると、つい手にとってしまう。そして読んだ後はわかった気になるのだけれど、実際にはたぶんあまりわかっていない。著者のインタビュー中の質問をみると、自分がいかにぼーっと本を読んでいるのかがわかる。
    特に福岡伸一さん、長谷川寿一さん、藤井直敬さんとの対談がおもしろいと感じた。

  • 思索

  • 2018.7.7市立図書館
    延長して借り直してようやく読了。
    自称文系の著者が第一線の理系研究者やサイエンスライターに科学や生命、宇宙についての素朴な疑問をぶつけていく。
    もともと2012−2014年にかけてPR誌「ちくま」の連載中もずっと読んでいたのでほぼ再読だけれど、定期的に読み直すと発見があったりより深く考えられたりしそうな対談集。
    あらためて読んでみて、福岡伸一、団まりな、村山斉、池谷裕二あたりはとっつきやすくて印象に残っていたとおりだったが、藤井直敬は今回はじめておもしろいと思った。

  •  『マンモスの作り方』⇒『Ank:mirroring ape』あたりからの興味の連鎖で読んでみる。
     森達也本は『チャンキ』以来か。 実は、その中でも、ヨシモトリュウメイと名乗る謎深い登場人物に、「なぜ生きものにとって最も大事な物質である水は、凍ると密度が小さくなる例外的な性質を与えられたのか。その理由は何なのか」と語らせ、インテリジェント・デザインについて触れていた(本書で2,3度登場する)。『チャンキ』のレビューを読み返してみると、本書も含め、あと『人間臨終考』とで”三部作”なのだとメモしてあった。忘れていた。

     本書は、表題にもなっている著者の疑問を、その道の専門家に問うた対話集。自然科学の第一線の研究者10人と濃密な問答が繰り広げられる。

    「今日はできの悪い学生に講義するように教えてもらいたいのですが・・・」

     と低姿勢で教えを乞うが、著者も相当勉強して臨んでいることがよく分かる。更にドキュメンタリー映画を撮るだけあって、対話をいかに運ぶか、その方向性や他の問題への拡散なども周到に計算されていて、著者のインタビュアーとのしての力量も窺い知れる。例えば、宇宙のダークマターを扱う物理学者の村山斉に対して、インタビュー冒頭いきなり少年時代のことを尋ねる。理由は、

    「いずれ宇宙の話になることは大前提であるけれど、その前にできるだけ村山のテンポを崩しておきたい。ならば同じダークマターの話でも、違うニュアンスを引き出せるかもしれないと考えたのだ。」

     という著者の策略が記される。読み始める前の会話が交互に並んでいるのかとの予想に反し、著者による、いい具合の編集が入っていること、ドキュメンタリー映画のト書きのような感じで、発せられる言葉の他に周辺状況や補足的な情報も上手く組み込まれていること、著者の対話の駆け引きなどの内面も描かれていて面白い。

     最終的に、表題の解は得られない(それは予想されていた)。が、そのことを考えることの面白さに溢れる有意義な試行錯誤、紆余曲折が楽しい。 結局、第1章の福岡伸一との対話に出てくるように、

    「結局のところ科学は、最初のWhy、「なぜそれが存在したのか」にどうしても答えることができないので、How(いかに)のほうを一所懸命考えることによって、ある意味ごまかしているわけです。」

     と、”なぜ?”への回答はない。さらに、Howについても、それを説明したさまざまな学説も、歴史認識や思想と共に”市場原理”に晒されていて、”発達したメディアによって、あらゆる事象や現象は矮小化される。考古学や歴史認識だってそうしたバイアスから無縁ではいられない”と人類学者諏訪元相手に語り、進化生態学者長谷川寿一との対話では、本書のテーマを語る上での最重要原理のダーウィンの進化論についても、

    「当時は産業革命のまっただ中で資本主義の隆盛期で、それに対するアンチテーゼとして社会主義も出てきたわけです。競争原理を強調するダーウィニズムは資本主義を正当化するときは非常に都合のいい根拠になりますから、それでああいう考え方も広がったんだと思います。」

     という発言を引き出している。著者もダーウィニズムは、

    「社会の近代化と共に社会学的に援用されて、優生思想や差別や格差を肯定する思想に結び付いたとの批判もある。あるいは宗教との相克もある。」

     と記す。答が得られないどころか、今ある考え方にも揺さぶりをかける。話題は自然科学に留まらず、著者の意図するところ如何に関わらず多岐多様に広がりを見せ知的興味を刺激する。
     生物学者団まりなの、歯に衣着せぬ男性批判も痛快だ。「自然淘汰」、「適者生存」、まさにダーウィニズムが支持され、闘争本能が生き残るために不可欠と思いこまされるのも、

    「男の学門がそう思いたがるのだと私は考えています」

     と語り、研究者による考え方にも男女性差はあり、”男は単純で競争が好き”と団はバッサリ言い切る。

    「長く男性原理が支配してきたアカデミズムの場に身を置いてきたからこそ、彼女の実感として形成された論理なのだろう。」

     と著者は分析を加えるが、今後、女性の進出があらゆる分野に拡がり女性による進化論が台頭してくれば、ダーウィニズムも覆されたりするのかもしれない。それこそ性淘汰か?! 実に面白い!

     そんな各ジャンルの一線級の識者と繰り広げられる丁々発止の対話。付箋紙マーキング箇所が増えるのも無理はない。
     大変お勉強になった一冊。

  • とても難しい本だった。
    結局人間は細胞レベルが生きているということだと思った。
    ダーウィンの進化論はまだまだいろいろな考えがあると初めて知った。
    誰かがこの宇宙や人間を作ったと言う考えの説についてもう少し調べたいと思った。

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著者プロフィール

森 達也(もり・たつや)
1956年、広島県呉市生まれ。映画監督、作家。テレビ番組制作会社を経て独立。98年、オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。佐村河内守のゴーストライター問題を追った16年の映画『FAKE』、東京新聞の記者・望月衣塑子を密着取材した19年の映画『i-新聞記者ドキュメント-』が話題に。10年に刊行した『A3』で講談社ノンフィクション賞。著書に、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』『職業欄はエスパー』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『ご臨終メディア』(集英社)、『死刑』(朝日出版社)、『東京スタンピード』(毎日新聞社)、『マジョガリガリ』(エフエム東京)、『神さまってなに?』(河出書房新社)、『虐殺のスイッチ』(出版芸術社)、『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』(ミツイパブリッシング)、『U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面』(講談社現代新書)、『千代田区一番一号のラビリンス』(現代書館)、『増補版 悪役レスラーは笑う』(岩波現代文庫)など多数。

「2023年 『あの公園のベンチには、なぜ仕切りがあるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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