- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480842589
作品紹介・あらすじ
「知らない」ではすまされない。宗教オンチの日本人。宗教なんて、怖い・アブない・関係ないと思っている。でも宗教は、世界中の人びとの日常生活に融けこみ、文化やものの考え方、価値観の骨格となっている。宗教がわかれば世界がわかる!3000年の叡智を凝縮した、充実の入門書。
感想・レビュー・書評
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橋爪大三郎教授のロングセラー。
ずっと読もう読もうと思って積んでたのを読みました。
これ物凄く良いです。
「宗教」とは何か?という根本的なところから始まり(筆者は、「ある自明でないことがらを前提としてふるまうこと」と定義しています)、世界の主要宗教についてざっくりとわかりやすく概説してくれています。
宗教は社会構造(法律や契約など)と密接に関連しており、宗教を学ぶことがすなわち社会について学ぶことであると、筆者は述べています。
にもかかわらず、日本人はある種の「宗教アレルギー」に陥ってしまっており、その宗教的無知が国際社会において如何にマイナスとなるかという指摘がなされています。
日本人の宗教的誤解の例として挙げられていたのが、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の「神(God)」についてです。
この3つの神(God)はそれぞれ別個のものであって、だからこそ本当の神(God)を巡って宗教的対立が生まれているのだ、という誤解を抱いている方は大勢いると筆者は述べています。(実際は、この3つの宗教における神(God)は全て同一です。ここでいう「God」は普通名詞であって名前ではありません。)
このことは、ユダヤ教徒にとってもキリスト教徒にとってもイスラム教徒にとっても当たり前のことであって、こういった基本的な事柄さえ日本人は知らないと筆者は指摘しているわけです。
個人的な感覚としても、このことを分かっていない日本人は多いのではないかと感じられるので、筆者の指摘はおおむね正しいのではないでしょうか。
こういった基本的な事実認識に大きな差がある状態で、日本人が国際社会に出るのは非常に危険であると筆者は警鐘を鳴らしています。
日本人的な感覚から言うと違和感があるかもしれませんが、宗教と知性(科学と換言しても良いかもしれない)とは密接に関連しています。そのことを理解しないで(宗教的無知のままで)、宗教がバックボーンにある国・社会・人々と接すれば、当然相互理解は進まないでしょう。
某宮脇先生もおっしゃっていましたが、国際社会で活躍するためには宗教知識は必須です。
宗教社会学のとっかかりとしてはかなりの良書だと思います。
お時間があれば是非。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私が知りたいのは、宗教のデータではなく、宗教を持つ国民の
メンタリティそのものなので、この本はとてもよかったです。
特に教科書では通り一遍、数行触れられるだけの「宗教改革」の
章は感動すら覚えてしまいました。国際化と言われ続けていますが、
語学力よりも、こういったことへの理解のほうがずっと重要だと思います。 -
本書は世界の主な宗教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教についての基本的な 内容を示しながら、それらが現代社会にどのように影響しているかを解説していた。
予備知識なしに世界の宗教の概要を知る事ができた。 -
良書。宗教が社会の在り方にいかに影響を与えるか。
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あくまでも入門書、でも、大学生ぐらいには適切な入門書だと思います。
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●宗教を社会学的な視点から見るのは興味深かった。
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仏教が適当
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図書館
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日本の神は、死者であり、死者たちの神
一神教の神は、…生きており、永遠に生き続けます。
日本人は儒教を 思想 だと受け取りました。しかし儒教は、社会を実際に運営するための マニュアル なのです。 ->なので日本は儒教国家でない -
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教それぞれの入門。「宗教オンチの日本人」が理解しづらい部分を解説。私たちの考え方を相対化し、再発見できた。神道の章がなかったのが残念。