いちから聞きたい放射線のほんとう: いま知っておきたい22の話 (単行本)

  • 筑摩書房
4.15
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本棚登録 : 330
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480860798

感想・レビュー・書評

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  • 2011年のあの日以来、聞かない日はなくなったような言葉たち。
    「放射線」。おっかないのはわかるのに、“どう怖い”のかはわからないままだった。

    わからないなら調べよう。
    そして困った。
    ネットの上では情報が氾濫しすぎていた。
    素人の私ですら頭を抱えるデマやはったり、ミスリードの嵐。
    これでは情報を分別するだけで労力を消費してしまって、一番肝心な「怖がるために知っておかなければならないこと」が宙ぶらりんのままだ。
    やっぱりこういう時は本だ――とはいっても、書店に並ぶのが必ずしも読み手にとっての“良著”とは限らない。
    トンデモ本でなくとも、こちらの学力のキャパオーバーでは困るし。

    その点、この本は非常にありがたい本でした。
    文系あがりがすっかり忘れていた科学の基礎的なあれこれから、簡易な文でこつこつと、放射線とは何かを説明してくれます。
    放射線が“何故”怖いのか。“どう”“どれくらい”から怖いのか。
    それを知っているかいないかで、リスクの形は変わってくるはず。

    “正しくリスクをとる”。そのために有効な入り口となる本かと。

  • 図書館。元素の話、電子の話、高校化学でつまずいていた話がわかりやすく説かれていた。実際に身の回りのこととして考えられるようになった今だからこそ、わかりやすく感じるのかもしれない。高校時代の私は、身の回りのことに寄せて考えることができなかったんだなあ。もったいない。しかし今気づけたのはありがたいこと。今からでも遅くはない。学ぼう。

    「そういう数値じゃないいろんなこととの兼ね合いで、どうするかを選んでいくのが、1から20ミリシーベルトの範囲なんだと思う。」「何をだいじにして生きていくかを考える、ということでもありますよね。そういうときに、家族や友人で考えが違ってしまうと、難しい」(p187)
    「自分自身で学び、考え、選び、生きていくのは少し難しいかもしれない、少し覚悟は必要かもしれないけれど、自分らしい暮らし方を探していく。そして、それぞれが選んだ道をお互いに尊重しあえる、そんな社会になったらいいなと思うのです」(p195)

  • 統計物理学の教授が、ミュージシャンの質問に応じる、対話形式で進む。放射線とは何か、何が害になるのか。様々な数値の意味。詳細にはまり込むことなく簡明に説明している。
    原発についての価値判断はひとまずおいて書かれているので、急進的な原発反対派も、容認派も、推進派も、読んでみたら良いと思う。

  • 放射能の基礎について知りたかったらこの本がいいと聞いて読んでみたけど、会話文がまったく合わなかった。

  • とにかく読みやすいです。会話形式で、前に触れた内容を繰り返してくれます。また、真ん中くらいでまとめのような章もあります。

    理解できる範囲で理解し、何をすべきか、どのように正しく恐れるべきか。普段の生活でのありふれたリスクの中に、原子力発電所の事故による放射能汚染のリスクを位置付けることが出来ました。

  • 毎日流れてくる様々な情報に振り回されていた,2011年の原発事故当時にこの本があったなら,どんなに心強かったことでしょう。知っておきたい放射能の真実を,ミュージシャン小峰公子さんの疑問に物理学者菊池誠さんが答える形で解説。イラストも可愛い!

  • 請求記号 WN9-KIK
    https://opac.iuhw.ac.jp/Otawara/opac/Holding_list?rgtn=1M024745
    RT1年生に読んでもらいたい

  • これまで勉強しようと思ってなかったけど、この本を読んでみて「知る」ことは大事だなと改めて感じた。誤解や思い込みもいっぱいあった。もっと早く読んでおけばよかった。

  • 広島、長崎で被爆した9.4万人と被爆しなかった2.7万人を放射線影響研究所が1950年から追跡調査している

    被曝量が多いほどがんのリスクが大きいし、被爆したときの年齢が若いほうがリスクが大きい

    原爆の被爆調査で、妊娠中に100ミリシーベルト以上の被爆しなければ、リスクは上がらない

    不安って、理屈じゃないところがある

    福島では牛乳の出荷は厳しく規制された

    福島県内での甲状腺の被曝量はチェルノブイリ事故より桁違いに低いことがわかってきて、甲状腺癌は増えないだろうと考えられる

    核実験の時代 昔降った放射性物質

    花崗岩の多い西日本の自然放射線量はもともと高め、東日本は低め

    問題は不安の減り方が、セシウムの減り方ほど速くないということでしょうか

  • 科学道100冊 2019 「元素ハンター」
    【所在】2F開架 
    【請求記号】539.6||KI
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/170757

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著者プロフィール

大阪大学サイバーメディセンター教授。1958年生まれ、青森県出身。東北大学大学院後期博士課程修了、理学博士。専門は物理学。ほかにSFとテルミンとプログレッシブ・ロック。著書に『信じぬ者は救われる』(かもがわ出版刊、香山リカと共著)、訳書に『ニックとグリマング』(ちくま書房刊、P.K.Dick)など。星座はレティクル座(どこにあるのか知らない)、血液型はZ型。座右の銘は「明日できることは今日するな」。

「2009年 『おかしな科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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