- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480864406
感想・レビュー・書評
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中学校図書室のリクエストにあがってくる、のいちご、ぼかろ、はにわ、なろう…
少し前までは、メディア化するラノベのタイトルを追いかけていればある程度わかっていた中学生の「読みたい本」がどんどん変わっていく。
実況動画で見ているホラーゲームの小説化、ボーカロイドの音楽の小説化、その世代でない層から見れば「???」なリクエストがいったいどんな本のことなのか、知るための本。(i44)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
紙媒体の書籍は初期コストがかかり、作家育成やプロモーション能力をもたない版元に頼らざるをえない点でウェブ小説に劣後しているという論陣。紙媒体でインタビューをしてきた作者はよほど不愉快な思いをしたのか、メディア展開、二次創作がはかれるウェブコンテンツに日本サブカルの未来を見出したのか。iモード小説サイトであるベリーズカフェは2005年だが、小説家になろうサイト、ボカロ小説など既存の紙媒体に収まらないコンテンツ形式は2010年に日本でも発生している。電子書籍(ほとんど漫画)の売上も堅調だが、ウェブ漫画は韓国に追い抜かれているという各種メディアの概観が描かれるが、アニメ以外のサブカルメディアは停滞状態に陥っているのではないかという気がした。
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ありとあらゆる所で徹底的にバカにされ軽んじられてきた(なろう系を始めとする)ウェブ小説なだけに、ここまでそれを全面的に肯定して書かれている本を読むのはとても楽しかった。
根拠の取り揃え、考察と、その説得力において非常に納得の行く内容で有り良書に感じる。2016年の書籍なので現在は更に状況が変わってしまっているのだと思うけれど、とても面白かった。
私は特に、究極的に快楽追求型であり・その"高尚さ"において最底辺を走る「HARDCORE TECHNO」を作る人間なので、畑違いながら最後のQ&Aなどは痛快とすら言えるレベルだった。(周りの同好の士が、好き嫌いではなくその"低さ"や"多様性"を理由にこういった新興ジャンルを馬鹿にする光景はとても不思議に感じる。私達は、それが死ぬほど好きでなければ聴き分けられないようなとても良く似た音楽を毎日毎日好き好んで聴いていると思っていたのだけれど、私達の聴いてる音楽はそんなに"高い"のか?)
面白い、何よりも深い愛を感じる。 -
ウェブ小説、と言うジャンルが確定して久しいが、このジャンルに属する小説が、なぜ売れるのか。
そして、ウェブ小説のプラットフォームを、なぜ出版社が作ってこなかったのか。
そう言う側面からの指摘、解説である。
たしかに、紙のメディアとネットのメディア、これを混同する(混在させる?)事はほとんど無かったと言っていい。
なぜなら、ユーザーが別々に存在すると信じられていたから。
また、ウェブ小説のプラットフォームがあれば、『誰でも』書き手の側に回ることが出来るようになるということなど、が書かれている。 -
かなり、世の中は変わりつつある。
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「恋空」なる小説が世に流行ったとき、今の文庫棚のありさまを想像できた人がいただろうか?
2次元のキャラクターが古典ともいえる文芸文庫の表紙を飾る時がくると予想したひとがいただろうか?
恐らく、5年、10年後の書店の棚は、また今とは違っているのかもしれない。
そんな変化が激しい出版界の今をよく分析されている。
いくつかのウェブ小説サイトを愛用している者としても興味深いし、同時に、知ってる知ってる、まさにそれ、アタシ。と納得させられる。
情報も書棚も速い時代に取り残されないうちに、読むなら早く早く読むべき本。
ホント、1年経ったら過去の本になってるかもしれないから。