らくだこぶ書房21世紀古書目録

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480873262

作品紹介・あらすじ

ある日、未来の古書目録が届いた。半信半疑で注文してみると、摩訶不思議な本が次々と目の前に現れた。想像力と創造力を駆使して、書物の世界に遊ぶ、空前絶後の奇書。

感想・レビュー・書評

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  • (あ。この人の感性、なんか好き。)

    と、思える作家さんが
    お薦めしてくれる本は、
    やっぱり、(なんか好き。)である。

    たとえ、
    タイトルを目にしただけだったり、
    書影をちら、と、眺めただけだとしても、
    (この本はきっといい!)
    と、わくわくさせてくれる何かがあるのだ。

    しかし、
    未だ見ぬ本という意味では、
    これほど
    究極に、
    想像力を搔き立ててくれる本は
    かつて無かった。

    なにしろ、
    それは
    これから出版される(はずの)本達だったから。

    砂が流れるような時空を超えて
    クラフトエヴィング商舎の元へと送られてきた書籍目録というのが、
    未来ではすでに古書となってしまった本達。

    「お気に召したら、ぜひご注文ください。」

    って、そりゃ、読んでみたくて、たまらないっつーの♪

    砂を時々払いのけながら、
    目録にじっくり目を通す時間のたのしいこと、たのしいこと♪

    最後に、ユニークな仕掛けもあったりして、
    これだから、
    字追いはやめられません♪

  • 買ってから10年以上読んでなかったのを、最近文庫化したタイミングで読んだ。クラフト・エヴィング商會の本を読むといつも、ひとをしあわせにする想像力のことを考える。

  • ある日、未来の古書目録が届いた。半信半疑で注文してみると、摩訶不思議な本が次々と目の前に現れた。想像力と創造力を駆使して、書物の世界に遊ぶ、空前絶後の奇書。(アマゾン紹介文)

    相変わらず面白い。
    『老アルゴス師と百の眼鏡の物語』『SMOKING AREA』『羊典』あたりを読みたいと思いました。
    ですが、いくつかの本は未来である必要なく、首をひねりました。『羊典』もですね。

  • 砂時計をひっくり返すようにして未来からやってきた古書目録。そこに載っているのはまだ見たこともない「未来の古本」たち。注文できるのは1ヶ月に1冊だけ。さぁ、どんな古本が読めるかな。

  • 相変わらずのユニークな発想.思いつきが全てであり,おしゃれでセンスあふれる製本技術がそれを支えている.「7/3横分けの修辞学」は面白いけど読みにくい本だろうなあと思った.

  • 1997年の秋のこと、クラフト・エヴィング商會の仕事場に届いた小包はらくだこぶ書房の古書目録。
    ただし、この目録が送られたのは2052年のこと。
    つまり、未来から送られてきた古書目録なのです。

    現実にはまだ発行されていない古書を取り寄せ、紹介したのがこの本「らくだこぶ書房/21世紀古書目録」です。
    ややこしいなあ。

    「茶柱」「老アルゴス師と百の眼鏡の物語」「世界なんて、まだ終わらないというのに……」「羊羹トイウ名ノ闇」「絶対に当らない裸足占い・2049年版」などなどなど…。
    それらの本の内容が、装丁が、形状がどいつもこいつも興味深い。
    未来の本なのにやけに古書然とした本があれば、これを本と読んでいいのかというものも。

    “こうして未来から本を取り寄せていますと、いま私たちのまわりにある「ごくあたりまえのもの」が、21世紀には貴重品に化けるらしいことを教えられることがあります。(中略)
    それらは、私たちの未来の奥にある闇の彼方へ、ある日ふっと消えてなくなるのです。
    あるいは、この世のすべてのモノゴトは、「消えてなくなる」方に向かっているのかもしれません。”

    「出前」という本の紹介文
    “20世紀後半、ともすれば絶滅の危機に瀕していた〈出前〉は、突然、〈宅配〉〈デリバリー〉〈ケータリング〉などと名乗ってその延命に努めた。しかし、ここではっきりと書いておきたいのは、あんなものは〈出前〉でもなんでもない、ということである。〈出前〉とは、それを発注しようか、すまいかと逡巡する人に芽生える特殊な情緒なのである。それは必ず『……出前でもとろうか?』というつぶやきによって招じられ、驚くべき速さで周囲の人々に伝染する。この『でもとろうか』の一言に、この特別な情緒のすべてが宿っているのだ。
    また、出前なるものは『30分以内に必ずお届けします』などというものであってはならない。『いつくるのかわからない』。これが〈出前〉の真骨頂である。『わからない』ことで焦らされ、期待もつのる。『まだでしょうか?』と確認の電話を入れたりもする。そしてそこで返ってくる名せりふ『今、出るところです』……
    われわれは、決してこの情緒を失ってはならない。ここには、前世紀人たちが繰り返した日常の機微がある。きわめてささやかではあるけれど、どこか懐かしい幸福感のようなものが、この情緒の底に暗く輝いてはいないだろうか?”

    クラフト・エヴング商會お得意の、存在と非存在の間の揺らぎが、この本でも存分に味わえる。
    らくだこぶ書房は、クラフト・エヴィング商會は、そしてわれわれ読者は、存在しているのか、それとも非存在の方なのか。
    最後の最後まで仕掛けが楽しい本でした。

  • 未来からきた「古書目録」に載っているのは、注文したくなる本ぞろい。
    どこか「時間モノ」SFの香りもする1冊。
    どの本も、装丁がすばらしい。

  • 2000.01.01

  • 未来から来た古書についての一冊。今回も架空の本についての本で、時間や存在という概念がテーマとしてあると思うけど、手作業を通じて出てきた言葉という印象で、難解に行くことも可能なテーマも身近に感じる。タイトルかわいい。

  • 小川洋子さんが紹介していて
    どんな本か想像しきれず
    とてもたのしみに思いつつ手にした
    未来の、らくだこぶ書房が
    クラフト・エヴィング商會に
    送ってきた
    未来に発行した古書目録
    そして
    この目録の本を注文することで
    未来から届く
    今はまだ発行されていないはずの
    未来の古本たち
    この古本の写真付き案内集なのだ
    遊びが満載
    真剣な遊びの本
    デザインがとてもよくて
    本が愛しくなる
    叶うなら
    イプシロンとか読んでみたい

    ワザとかもしれないが
    文体が全て同じなのが
    夢から覚める感じだった

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