- Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480873644
作品紹介・あらすじ
20世紀をかけぬけた衝撃の演奏家の遺したさまざまな謎をピアニストならではの視点でたどり、ライヴ演奏の未知の美しさをも手がかりに、つねに新鮮なその魅惑と可能性を浮き彫りにする原体験的グールド論。
感想・レビュー・書評
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ピアニストとしての視点、グールドが好きでも嫌いでもないというフラットな視点で書かれており、読みやすかった。専門書としては物足りないかもしれないが、ネットでグールドを調べたときに、誰もが書いてるような内容よりは詳しく知りたいと思う人には是非おすすめしたい。
評論家先生がやたらと使いたがる「精神性が〜精神性が〜」という、高尚なことを書いた気になっているだけのうんざりする表現もなく分かりやすかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
何とかグレン・グールドの「ゴールドベルク」を聞けるようになりたくて、「そうだ!この人間に心酔してしまえば聞けるようになるかも」と読み始めたが、半分ほどで挫折した。
逆だね。心酔してて、もっと知りたいというのでなければ、ぼくのトシではとても最後までは読めない。 -
ロマンティックでメロディアスなピアノを弾く天才少年グールドから奇人変人、異端のピアニストと言われたグレン・グールドへの変身の舞台裏がまことに興味深い。おまけに現役のピアニストであり、また物書きとして鍛えられた耳と目をもって書かれているだけに、じつに説得力がある。
バッハを弾くグールドと、ブラームスのインテルメッツォやバラードを弾くグールドがともにグレン・グールドである理由が分ったような気がする。
たいへんな労作だと思う。 -
グールド…持ってるCD全部聴きなおさなきゃ♪♪
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グレン・グールド。キャリアの絶頂時にコンサートツアーを止め、引き篭ってレコーディングに専念した極めて異端のピアニストと言われる。同業者からすると「なぜコンサートを開かないのか?」ということが最も問題となるらしい。でもそんなギョーカイとは一切関わりのない私にいわせれば、事あるごとに作曲家志望を公言しながら「なぜ作曲家にならなかったのか?」が一番気になるところだ。
(続きはブログで)http://syousanokioku.at.webry.info/201204/article_14.html -
今まで読んだグールド本の中で最も面白かった。以前から思っていたグールドの多面性について共感できる記述が多く、納得しながら読み終えた。