クレーマー時代のへこまない技術

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  • CCCメディアハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484072289

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  • 林恭弘『クレーマー時代のへこまない技術』(阪急コミュニーケーションズ、2007)を読む。

    人事コンサルから心理カウンセラーに転じたがクレーマー心理と対応の心構えを語ったもの。著者は企業のコンサルをするうちに「お客さま相談室」職員の離職率の高さに気づきこれをまとめるに至ったようです。

    お客さま相談室案件もさることながら、事例に出てくるクレーマー体質で同じ職場の人を苦しめる困った人もいるので大いに参考になります。

    自らの不幸を他人に投射せずにはいられぬ哀れな魂たち。

    【本文より】
    ◯仕事や家庭生活が充実していて心と体のバランスも良く、前向きに日常や人生について考え、そのために忙しく行動し、またおだやかに物事を見聞きし判断できるような人であれば、「正当な範囲」を超える申し立ても要求する必要がないからです。

    ◯その人たちは心身の健康を失っている人、家庭不和により行き場がない人、仕事で行き詰まってストレスを抱えている人、性格に問題を持つ人など、あなたが実感を持って理解できる人たちばかりではありません。それが現実なのです。

    ◯コントロール・ドラマとは、「一度クレームをつけてみて、相手をコントロールできた体験から、クレームを繰り返す」ことを指します。こういったことを繰り返す者を生み出す背景には、「毅然とした態度」で対応しなかったことによるものです。

    ◯過剰なクレーム対応のサービスがクレーマーを助長させることもある。

    ◯男性からモテなくて、みじめな劣等感を抱えているひとが「女性蔑視だ」と声高に叫んでいるのかもしれません。

  • 不満は心の処理
    メタ視点を持つからといってマクロ視点を否定しなくていい
    ゲームズマン的視点。クリアするもの。そのあとはまた変わる。

  • クレーム対応で神経が参らないよう考えの転換をさせてくれる本かな。
    メンタルヘルス対策だね。
    一部ちょっと宗教的なところもあるけど、全体的にやわらかい文調で読みやすい。

  • お客様相談室でクレーム対応する人の気持ちの持ち方について心理カウンセラーの立場から書かれた本。仕事に対してポジティブ思考でいられるようなものの捉え方から、職場チーム・会社組織全体の協力の必要性など、クレーム対応業務のあり方を広く見渡している点で、いわゆる電話応対のハウツー本などとの違いはよく出ている。しかし、クレーム依存のようになっている顧客も存在し、電話対応業務がカウンセラー的側面をもつようになっている現状も考えると、顧客の立場にたって相手のストーリーに共感し理解する姿勢が必要である一方で、顧客の心理的背景(“人生”、“生き様”)にも配慮しなければならないような泥沼にはまり込む可能性もありえ、あまりクレーマーの心理的側面に深入りし過ぎず(特にその対応者個人の心の持ち方と対応に還元せず)あくまでビジネスライクに対応した方がよいケースもあり、一概にいえないと思えるのが正直な感想。クレームに関する本はどうしても「こうするよりああした方がいい」的な普遍的対応を示そうと努力されているが、その土台にはあくまで“ケースバイケース”なのだという前提が不可欠で(それを言ってしまっては本が書けないのか)、クレームや苦情に対して職場集団や会社全体でどういう方針で取り組み、組織内でどのように意思決定と情報交換を行うかというマクロレベルの方が優先順位としては高いはずだ。なぜならクレーム対応の最前線に立つ人は顧客と会社の見解や利害の相違のはざまに立たされ、どちらか一方の要望を他方に呑ませ(すぐにwin-winにできるなら苦労はしない)、結果クレームを大きくするか、会社内での評判を落とすのか、その間で神経をすり減らすのがほとんどであろうから。

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著者プロフィール

ビジネス心理コンサルティング株式会社代表取締役。
日本ビジネス心理学会参与。日本メンタルヘルス協会特別講師。
幼児教育から企業を対象とする人事・教育コンサルタントの分野まで講演・研修会、セミナー、著作などにて幅広く活動。「活力ある社会とやさしい家庭を創造する」をテーマに、日常生活に実践的ですぐに使える心理学を紹介する。

「2023年 『「落ち込みグセ」をなおす練習』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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