なにを買ったの? 文房具。

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  • 東京書籍
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (140ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487803385

感想・レビュー・書評

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  • 前著である「文房具を買いに」を読んだ時のような感動はさすがになかった。あれは完璧すぎるので。

    文章と写真のページ構成が前著のような対になっていないのでちょっと読みづらい。写真が文章の先の先に配されていたりする。片岡の性格を考えれば同様にしそうなものだが、なにか別の意図でもあったのか?まさかね。

    前著が完璧な1冊の本を目指したのだとすればこちらはもう少しリラックスして、いろんな文房具を写真に撮り、それについてつらつらと書いたという印象。なので羅列的な感じはやや否めないかな。

    個人的にはノートになるとなぜか萌え度がアップする(笑)。

    あとがきでは一眼レフや写真、太陽光について前著と同様に語られている。相変わらずのこだわりよう。最後のほうで文房具と太陽光について述べているところが良かったな。

    読んでる途中で、無印の封筒はこういうふうに写真に撮るぐらいまとめて持っているなと思いつく。真似してブログに書いてみるか。CD整理法とあわせて。

  • 写真集であるとともにエッセイかな

     鉛筆からはじまり、メモ帳へと続く。それだけで、こんなにもたくさんの写真とセンテンスがあることに驚きだ。電子なんてひとつも出てこない。ひたすらアナログ。素晴らしい写真集だな。

  • スローなブギにしてくれ的な、文房具愛。

  • 鉛筆を使って書きたくなった。
    使い勝手を考えると芯ホルダーがいいか。

    片岡さんは、ノートが呼びかけてくるから買ってるようだ。
    でも、ほとんど使ってないというノートを紹介していた。
    単なるコレクターか?
    いつかこれだと思う時まで待っているとのこと。

    外国製のノートを買い、その国の人がどんな風に使っているか謎だというのが好きなようだ。

    他の人がどんな風に使っているかを見るのは好きな方だ。
    今度は片岡さんがどんな使い方をしているかを紹介してほしいな。

  • 文章も写真もチャーミング。病的(笑)だけど、わかる感覚。

  • これもまた『文房具を買いに』同様、短時間で読んでしまった。
    片岡氏でなければ書けないような言い回し。普通の人だと、書くのにちょっと、躊躇しそうな台詞をさらっと書いてあるところに独特の味がある。
    ただ、冷静に自分を書いている箇所があって、そこは笑ってしまった。真面目な顔してジョークをとばすタイプの人だろうか。とにかく笑えた。
    一番印象に残ったのは、ノートの章。ノート好きなのが、ひしひしと伝わってくる。私も使った事のあるもの、現在愛用中のものが登場するので共感できた。スイス製のものと丸善のもの意外はほとんど使ったことがあったので、親近感が湧いた。それに片岡氏はPCではなく、ノートに手書きで小説を書いているというのだから驚きだ。
    ちょっと感銘を受けた本。

  • 「文房具を買いに」の続編?
    てわけでもないでしょうが、著者による文房具ふたたび。

  • 「文房具を買いに」の続編ですね。よくぞここまで収集されていると感心。アナログカメラで撮られた写真の発色がカラフルできれいです。

  • タイトルは「なにを買ったの? 文房具。」

    本書を開き、片岡さん自身が撮影した文房具を眺める。
    すると、「なぜ買ったの? その文房具」という疑問と好奇心が湧いてくる。
    購入理由は、趣味であったり、文房具からの呼びかけであったり、その文房具を快適に使っている自分を想像できたからであったり。

    でも、私が感じたのは、これらの文房具は片岡さんにとって、おもちゃであったり、アクセサリーであったり、はたまたオブジェであったり、現代美術作品なのではないかということだ。
    それに、本書でのように被写体、つまりモデルでもあるのかもしれない。

    それでは、それら文房具はとても美しく、高価なものかというと、ちょっと違う。片岡さんが購入した文房具はむしろ消耗品であり、一般に広く普段使いされている類いのものだ。
    それでは、「用の美」を求めているのかというと、これまた違う。明らかに未使用のものが少なくないようだから、違うと思う。大量といって差し支えないほどの文房具を一時に買い、自宅のしかるべき場所にストックしているようだ。
    でも、これは個人的趣味嗜好であるのだから、探究しても仕方ない。ただ、片岡さんの姿を想像して楽しむことにした。

    長閑な日。暑くも寒くもなく快適な日だ。肩の凝らない服、とても歩きやすいスニーカーを身に着け、目的もなく散策に出掛ける。きっと35ミリのカメラも持って。文房具店がある。覗いてみる。片岡さんの感性に訴えてくる文房具たち。片岡さんの頭の中では、どんな反応がおこっているのだろう? ワクワク? ウズウズ? 良しよし? ある文房具を色違いで全部買う。サイズ違いで揃える。持ち帰るのが重くて大変そうだ。カフェに入り、大きなマグカップに入ったブラックコーヒーを飲みながら、戦利品を眺め悦に入る。帰りはタクシー。帰宅後、大きな作業机の上に、買ってきた文房具をすべて並べてみる。納得顔。膨らみ溢れる想像。これらの文房具に対する自分の気持ちを文章にしたらどうだろう? 1冊の本にまとめたら? 写真も載せよう。自分で撮って。昼すぎの自然光がいい。装丁は? 様々なアイデアを楽しむ。やがて1冊の本が出来上がる。

    そのような過程を経て、本書は誕生したのかなあ。

    本書の表紙デザインは、同時に読んでいた『暮らしのヒント集』の表紙と並べてみたくなった。並べてみよう。こんな行為は、片岡義男っぽくないか。

  • 文房具にまつわるエッセイと著者自身による写真集。ながめているだけで楽しい一冊。同じものを探してみたくなる。

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著者プロフィール

1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始める。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『日本語の外へ』『万年筆インク紙』『珈琲が呼ぶ』『窓の外を見てください』『いつも来る女の人』『言葉の人生』ほか多数の著書がある。

「2022年 『これでいくほかないのよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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