学校では教えない古典

著者 :
  • 東京書籍
3.72
  • (3)
  • (9)
  • (5)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 44
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487803606

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • エログロ過ぎて教科書には載せられない、入試にも出せない小話ばかりが集められた奇跡の書。編者があの吉野敬介先生であるというだけで信頼度も倍増です。

    今昔物語集、宇治拾遺物語、沙石集は三省堂の「新明解古典シリーズ」や中道館「古典新釈シリーズ」を自費で購入しましたが、まあ当然そっちには載ってないよねっていう無軌道破天荒な登場人物・ストーリーが続々と……!

    現代語訳・吉野先生による解説(ツッコミ)・原文の3段構えで、普通にお勉強にもなります。古文常識や日本史に関する注まで載せてくださるとは。

    しかしなんと言っても「まえがき」の熱さにノックアウト。
    古典文法の学習というのは受験生にとって、いや、受験生でなくとも「苦行」「拷問」レベルの困難であり試練であるに違いないんだけど、でもそれは単なる合格・進級・卒業のための条件ではなくて、本来であれば古典文学を読み解くためのツール。1000年もの間この国に読み継がれ語り伝えられてきた先人達の言葉に触れて、泣いたり笑ったり怒ったり考えさせられたりするための道具なんだ、と。
    人間なんて1000年やそこらで変わるもんじゃねえ。ロクでもない事をしたり考えたり、欲望にまみれていたり、他人を出し抜こうとしたり。眉毛剃って歌詠んで蹴鞠ばっかしてるという平安貴族のイメージを捨て去って、自分と同じ「人間」として接してみろよ!

    と、途中からかなり捏造入ってますが、まあ概ねこういう心意気で本書を編まれたのだと解釈いたしました。

    東京書籍の本なので、机の上に載っているところをお母さんに見られても平気だ!

  • 古典は面白いんだ。
    著者と同様に私も声を大にして言いたい。
    でも、現実は文法でノックアウト。
    これは教える側にもきっと問題あるんだろうね。
    反省してます。

    こんな本をきっかけに古典に興味を持つ子が増えたらいいなー。
    もちろん私も教壇で頑張りますよ。

  • 本書は元祖『ヤンキー先生』として受験界ではその名を知らぬものはいない代ゼミ,東進のNo1古文講師・吉野敬介先生による「裏バージョン古文教科書」ともいうべき一冊です。自身が長年書きたかったのだそうです。

    僕自身も彼の授業を受け、高校時代では無味乾燥だった古文がこれだけ面白いものだということを教わり、大学時代から現在にかけて、教わったことを現在でも活用させていただいております。本書は代ゼミ,東進のNo1古文講師である吉野敬介先生による「裏バージョン古文教科書」といった位置づけの本です。

    本書を読んで、古典というものには,スキャンダルな話がいっぱいあるものだなと改めて教わったような気がいたします。作家でもよく古典に題材をとり、現代にアレンジを買えて作品を作っていったという方は枚挙に暇がないように、ここに収録されているようなちょっとHで,ちょっと不気味で,ちょっと変態な物語の数々こそが、実は人間の機微に触れるというもので、だからこそ『古典』の重みを現代に伝えてくれるのだと思っております。

    教科書にはまず収録されない話題、たとえば、一休さんが実はとんでもないスケベジジイであったり、ある女性を愛するはゆえにその便器の中を見たいと激しく思う男の話。さらには鬼と衆前で人目もはばからず鬼と『契りを交わす』(何のことかはご察しください) 皇后様の話や、いとしさのあまりに愛するものの体を食べてしまったというなんとも恐ろしい話が収録されておりまして、
    『長年こういう内容の本を書いてみたかった』
    と筆者自身がおっしゃるだけに、その内容は確かに
    『学校の授業では決して教えられることがない』
    ものばかりでございました。

    さらに本書では原文のほかに詳細な現代語訳に加えて、人生の酸いも甘いも知り尽くした筆者によるキョーレツな突っ込みも収録されていて、それがまた笑いを誘い、作品世界の奥の深さをわれわれに教えてくれるものでありました。古典の本当の面白さの一端を教えてくれる高著です。ただし、誰もが読んでいいものではないということを、最後に付け加えておきます。

  • 高校の時読んだ古文の変な参考書も似たような本で同じ著者かと懐かしくて読んだが、どうやらちがう人らしい。
    こちらのほうが読みやすく、(参考書には係結びとかの説明があったし)古典って難しいイメージだけど、こんな変な話もあるよ〜と紹介してる感じ。

  • 古典の入り口としてうまく使えば引き込まれると思う。エッチな話からおまぬけな話まで盛りだくさん。

  • これは面白い。

    古典にもこんな話があったとは…!w

    ますます、古典好きになりました。

  •  古典作品をわかりやすく解説し、ところどころツッコミをいれ、最後は原文を読む。
     
     こうやって解説してくれると古典作品をたくさん読んでみたくなりますね。
    昔の話、ツッコミどころ満載です。

  • 『ROOKIES勝利学』の著者、吉野啓介の本を続けて読んだ。冒頭で取りあげた作品が『とはずがたり』。学生時代に読んでその奔放さに驚いたことがあってある意味懐かしかった。

    1000年以上経っても残っている古典文学から得るところはやはり大きいと納得した。

  • 古典文学がとても身近に感じられて、もっと他の古典を読みたくなってきます。筆者のツッコミにうなずいたり、笑ったり、ウザーと思ったりしつつ、痛快な気分になりました!

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1966年神奈川県鎌倉市生まれ。吉野塾塾長、東進ハイスクール古文講師、札幌大学客員教授。
中学時代から暴走族に加わり、特攻隊長をつとめる。高校卒業後、中古車販売店勤務をへて、20歳の9月に大学受験を決意。わずか4ヵ月で国語の偏差値を25から86に上げ、國學院大学合格を果たす。大学卒業後、代々木ゼミナールの講師採用試験に史上最年少、最高得点で合格。以後16年間、代ゼミの人気ナンバーワン講師として活躍。リーゼントとヴェルサーチの服をトレードマークに、授業中に生徒に向かって人生論を熱く語るそのスタイルが大ウケし、これまで100万人以上の生徒を熱血指導、その多くを合格へと導いた。2007年に代々木ゼミナールを退職後、自ら「吉野塾」を設立する。
2008年4月からは東進ハイスクール古文講師として再び教壇にも立っている。著書に『今、頑張れないヤツは一生頑張れない。』(世界文化社)『だからお前は落ちるんだ、やれ!』(KKベストセラーズ)、『ROOKIES勝利学』(集英社インターナショナル)ほか。

「2009年 『紫式部にケンカは売るな! 吉野流「古典で学ぶ人生論」講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉野敬介の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
有川 浩
上橋 菜穂子
百田 尚樹
小路 幸也
有川 浩
池井戸 潤
村田 沙耶香
三浦 しをん
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×