フルサトをつくる: 帰れば食うに困らない場所を持つ暮らし方

著者 :
  • 東京書籍
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487808120

作品紹介・あらすじ

暮らしの拠点は1か所でなくてもいい。
都会か田舎か、定住か移住かという二者択一を超えて、「当たり前」を生きられるもう一つの本拠地、“フルサト”をつくろう!
多拠点居住で、「生きる」、「楽しむ」を自給する暮らし方の実践レポート。

感想・レビュー・書評

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  • 地方へ行けば、全てが整備された都会では味わえない体験ができる。
    視点を変えれば、地方はチャンスに溢れている。
    国も地方創生を推進し、コロナ禍でリモートワークが急速に普及している。
    移住しなくても、多拠点居住地の1つとして、フルサトをつくることは容易にできる。
    生活コストが安くすむ地方なら、無理せず、楽しみながらナリワイを始めることができる。
    私は本書を読んで、DASH村のように、仲間と協力しながらフルサト作りをしていきたいと感じた。
    まずは、茨城県に住んでる祖母宅へ行き、本書の内容を試してみたい。

  • もう都会を捨てて、どこかの田舎で低生産低消費の、半自給自足のような生活を模索したほうがいいのではないか?みたいなことを時々考える。しかし閉鎖的で排他的な田舎の怖い話というのは時々目にする。正直やっていける気がしない。そもそも、その田舎ってどうやって見つけるんだ?

    行政が主導するIターンやら地域おこし協力隊やらは、果たしてうまくいっているのだろうか?行政は旗振ってるけど、地域の人は本当にその施策に賛同して協力的なんだろうか?単にIターンやら地域おこし協力隊というパッケージを導入すれば上手くいく、とはとても思えない。

    その点、この本の、どうやって「フルサト」を見つけ、人との繋がりを広げ、拠点の一つにしていくか、という部分の考え方と実践は参考になる。いきなり一か所に絞って移住するのではなく、何度か通って人との縁を築く。そこに移住しなくてもいいし、あるいは結果として移住することになる、というのは無理がない感じだ。そしてとにかく、一人でやろうとしないこと。共に新しくその地に関わろうとする人と一緒にやっていくこと。

    ただ、年齢的にはどうなんだろうなー、とも思う。年齢なんて関係ない!田舎で40代50代は若造!やる気があれば大丈夫!とは言えない気がする。もっとも当方、そのやる気というか気力にも自信がない訳でありまして。

    著者がバイタリティーありすぎて参考にならない部分もある。こんな社交力とバイタリティーあったら、田舎だろうが都会だろうが外国だろうが、どこででもやっていけるだろう。そういう能力の低い人間である自分としては、既に拠点作りに動いている集まりに乗っかるのがいい気がする。例えば、各地で山奥ニートのようなシェアハウスを作る動きは始まっているから、それを手がかりにするのはアリだろう。移住まではいかなくても、そこに精神的物理的な居場所ができれば生きやすくなることは間違いない。

  • これから田舎の移住を考えていて何かしたい人や、仲間と共同で何かしたい人にオススメです。
    著者の方達が共通していることは、自分たちが楽しめる事をやっているということ。
    それは一人では中々難しく、パートナーだったり理解し合える仲間がいてこそ。人と人とのコミュニティ力が問われます。ただ発起人である伊藤さんの考えと行動力に魅かれます。
    お金も大事。家族も大事。仲間も大事。地球も大事。全てがバランス良く保てる方法がこの本には一つの方法として書かれています。

  • 移住本、キラキラしたものが多すぎませんか?
    都市部でクリエイティブな仕事をしていた人が地方(かなりの田舎)に移住して地域を変えるようなステキな起業をしました!的な。
    それに比べるとずっと参考になる1冊だと思います。実際には完全移住ではなく都市部と地方の2拠点維持が前提になっていますが、移住の考え方として現実的な内容。

  •  将来の不安のために保険の加入や貯蓄に励む?35年ローンで都会に小さな家を買う?どれも現実的に捉えられなかった。世の中の「常識」を猜疑的な目でしか見られなかった。家を買う人は、35年後の未来を見据えてるのかな…と思うと単純に「すごい」と思ってしまう(でも6千万で23区内に家買って、2年で離婚した友人♂もいるわけで…)。
     そんなわたしにとって、「フルサト」をつくろうという提案は、世の中の常識より数倍「常識的」に思える。住むところと、食べるものに困らなければ、収入は少なくとも35年の住宅ローンを抱えて欲にまみれるよりずっと満足度の高い生活をできそうだ。本を閉じた後、早くもわたしのフルサトを見つけに行きたくてうずうずしている。
     著者のおふたりは和歌山県の熊野にフルサトをつくり、都会と行き来しながら生活しているそう。そこには廃校になった小学校を利用してパン屋をやる人、ブックカフェをつくった若者も周囲にいるという。過疎地だから、田舎特有のしがらみもなく、若者が文化を1からつくる基盤がある。これは、国や自治体がやる町おこし、地域おこしのようなものより遥かに柔軟性もあるし可能性のある話だと思う。
     本屋を開きたい、40代でスナックのママになりたい、なんていつも思ってるのだけど、フルサトをつくれば夢物語ではない。本もいいけど、足を使っていろいろ調べてみよう。

  • 限界集落では畑付きで家賃数千円の物件がある

    まずは、「田舎暮らし支援」や「地域おこし」のイベントに参加してみる
    「田舎暮らし」「農業体験」「Iターン」「移住」で検索する

    フルサトを選ぶのに重要なポイント
    ・人
    ・環境
    ・交通
    「人」とは、安心できる人間関係ネットワーク。
    「環境」とは、川釣りや畑作りなど田舎特有のことができること。温泉や海などのコンテンツも。
    「交通」は、都会からの行きやすさ。

    格安物件は不動産屋でなく、口コミで探すしかない。行政やNPOが空き家をサイトで公開していることもある。

    【物件のチェックポイント】
    柱や梁が著しく痛んでないか
    窓や建具がちゃんと残ってるか(素人では作れないから)
    床の土台部分が腐ってないか
    雨漏りしてないか
    トイレや風呂は無事か(水回りはお金がかかる)
    キッチンの状態(収納付きは湿気がたまりやすい。天板と脚をつけて、シンクの下の空間は空けておく)

    【修繕DIYの勘所】
    ・まずやってみる
    2時間だけネットで調べて実行
    ・1,2人でやらない
    ・電動工具はよく練習してから
    ・ある程度は諦める
    第1期と第2期にわけて考える。
    ・ボロボロなら壊して、小屋を作る
    小屋をたくさん作って、寝室小屋・書斎小屋・居間小屋と使い分ける。1年に1軒ペースで作る。長期スパン手間考えると、材料がタダで手に入る確率が上がる。世の中には廃棄物が多い。木造のシェルターベッドに壁床天井を板張りする。床張り協会の実習で体得できる。

    喫茶図書館→自転車も貸す→集まる若者向けに駄菓子屋→ネットで見れる講義動画で学校なのができるかも

  • フルサトつくろう
    以下のURLで一部読めます

    『フルサトをつくる』目次と「はじめに」を公開します - phaの日記
    http://pha.hateblo.jp/entry/2014/04/27/224041

  • 将来田舎と都会で2拠点居住したいなーと思っていたので、なるほど、ひとつに決めなくていいんだ!と思いました。

    ここまでじゃなくても
    お金にならなくてもゆるっと人助け的なナリワイを作ったりゆるゆるコミュニティを作ったりする事はできるかなぁと。

    シェアハウスとか、自分の家にいろんな人がいるのはまだ抵抗があるので、そこら辺も将来に向けて慣らしていこうかなと思います。

    ニートだった、とか、ゆるゆるな感じで書いてあるかと思いきや、難しい言葉や出典も多く、よく見ると京大出身の2人だったので、頭いい人が考えたんかー、やっぱりかーと思いました。

    お金に支配されない生き方をしたいなーと常々思っていて、人に話しても、そんなん無理に決まってるとかいろいろ言われていたけど、賢い人の文章だと納得させられるんやなーと思いました。

    私のしたいイメージに近い感じで勉強になった。

    こういうのはゆるゆると今から準備するに限るなと思って、田舎の方に友達やコミュニティを作り始めようと思います。

  • 多岐点居住について考察されている。伊藤氏は熊野で古民家を再生しコミュニティを形成するという活動しており、pha氏は元ニート的生き方の実践者。都会と田舎の頻繁な行き来はコロナ禍の現状では難しい部分もあるし、一般的な会社員にも年のうち数か月を田舎で暮らすのは難しいだろう。ただネットが発達した現状では居住地を選べる人も増えているので地方再生の有力な提案の一つではないだろうか。さすがに家を持つのは腰が引けるが、数時間で行ける距離の田舎に、週末シュアハウス的に「自分の部屋」があるのもいいかもしれない。

  • 実家暮らしと一人暮らしの中間点のような共同体を形成するための場所選びの方法や、より良く暮らすための指針に至るまで非常に細かく解説されています。

    本書の初版は2014年。まさか遠い未来にコロナ禍が発生するなんて想定されていなかったでしょう。今後はオンライン上で人と人とのゆるい繋がりをつくることが重要視されてくるのかもしれません。

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著者プロフィール

伊藤洋志
個人のための仕事づくりレーベル「ナリワイ」主宰。1979年生まれ、香川県出身。京都大学農学部森林科学専攻修士課程修了。個人が身一つで始められ頭と体が鍛えられる仕事をナリワイと定義し、研究と実践を行う。主な著作に『ナリワイをつくる』『イドコロをつくる』(いずれも東京書籍)。「遊撃農家」などの個人のナリワイとチーム活動による野良着メーカー「SAGYO」のディレクター、「熊野マウンテンビル」運営責任者などの活動に加え、タイアカ族の山岳村落の学術研究プロジェクトにも参画する。

「2023年 『山岳新校、ひらきました』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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