聖地巡礼コンティニュード

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  • 東京書籍
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  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487808427

作品紹介・あらすじ

思想家であり武道家の内田樹と、比較宗教学者で僧侶でもある釈徹宗が、日本人が失っている霊性を再発見すべく日本各地の「聖地」を旅する聖地巡礼シリーズ第4弾。最新の第4弾は、日本人にすら忘れかけられている長崎県「対馬」。
福岡空港から空路で30分(100キロ)のところに対馬は位置する。人口3万2千人。
この対馬こそ、日本の原点であり、日本人の源流の地といえる。
日本書紀の「国生み」によれば伊邪那岐(イザナギ)・伊邪那美(イザナミ)の二柱の神は、大八島の国を次のように形成していった。
 淡路島→四国→隠岐島→九州→壱岐→「対馬」→佐渡島→秋津島(本州)。
 
対馬は、その地理的な位置から、朝鮮との国境の島としての運命を担う。魏志倭人伝の最初に出てくる日本の地名が対馬である。今でも晴れた日には、対馬から釜山が見える。対馬と福岡は100キロだが、対馬と朝鮮半島は50キロ未満の近さである。対馬を訪れれば、韓国人のあまりの多さに驚愕するが、この近さを思えば、もっともことである。看板や値段は、日本語とハングル語がほとんど併記されている。ちなみに、携帯電話も場所によっては海外モードになってしまう。

 歴史上、いくつかの重要な戦場にもなった。白村江の戦い、元寇、日露戦争(当時は、バトル・オ・ツシマと呼ばれた)。にもかかわらず、朝鮮との友好な関係を築きあげてきた、外交能力。日本人の海民性を物語る。
 応神天皇、神功皇后をはじめ、数々の神話・伝説を生み出した古代の信仰。
 さまざまな形式の神社やご神木、ご神体が示す、日本人の信仰心の原点。
 神仏習合の上をいく、神仏キの習合。
 
内田樹、釈徹宗の両著者は、まさに、日本人の霊性、心性の原点が、対馬から発せられていることを実感をこめてつづっていく。

【目次】

感想・レビュー・書評

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  • 地元の方のお話はとても面白かったが、今回は著書お二人が対馬に関する事にあまり詳しくないのか、素人っぽい反応ばかりに思えて、全体的に内容が薄いと感じた。長崎や関西のシリーズが面白かったので残念。

    大陸に一番?近い対馬から福岡にかけて外来文化が伝わっていくというのは本当にそうだなと思った。徳川家が幕府を江戸に置いたのは、そんな当時からすると不便じゃなかったのかな?と思った。でも近現代にアメリカと関係ができて、結果的に太平洋側で便利になったのかぁと不思議に納得。地政学のことも知りたくなった。

  • 対馬か〜
    行ってみたいな〜

  • 今回は対馬。いつものようにGoogleEarthで見ながら
    読み進めましたが、対馬はなかなかGoogleでも補足
    されていな部分が多く・・・ちょっと残念。
    今回は、日本の古層と神話の始まり。日本と海外のインターフェースというのがキーワード。
    表紙の和多都美神社の海の鳥居がとても素敵な写真です。
    日本の原風景というか、古風景がそこにあるのだろうと
    思いました。
    なかなか行けないところではありますが

  • 17/09/27

  • 目的のある旅もよいですね。案内人までついて贅沢です。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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