福家警部補の挨拶 (創元クライム・クラブ)

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488012144

感想・レビュー・書評

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  • 今回のドラマ化の前に永作博美でやってたんだ…
    知らんかった…

    というわけで檀れいヴァージョンをチラチラ見ながら読んでみた。
    そしたら細かいところが結構変わってて吃驚だった。
    その細かい変更点によって
    ドラマの福家警部補は原作よりもちょっと冷ややかな人になった感じ。
    酒造会社の社長の性別が変わってたのがいちばん吃驚。
    その回の最後に福家警部補が犯人に放った言葉は
    原作の福家さんなら絶対言わないだろうなーと思ったり。
    思うに檀れいさんじゃちょっと怜悧な美貌すぎるんじゃないかと。
    眼鏡かけてもそこはごまかせないぞ。
    永作ちゃんヴァージョンも見てみたかったな。

    倒叙ミステリは追い詰められる感じが苦手なんだけど
    この話は追い詰める福家さんのやり方が結構ソフトなので
    割と安心して読み進むことができた。
    他の話も読まなければ。

  • 倒叙ミステリー。いわゆる王道のサスペンス。

    犯人の犯行が初めにあり、それを探偵が追い詰めていくというパターン。
    刑事コロンボや古畑任三郎が有名だけど、こういった犯人を追い詰めていく推理物はドラマが多く、小説ではあまりない。特にシリーズものはこの福家警部補シリーズぐらいではないでしょうか。

    著者は刑事コロンボの脚本の翻訳をしたこともあるらしく、本格的なストーリーになっています。

    ただ、大抵の場合被害者がゴミのような人間で犯人に情状酌量の余地があるケースが多いので、追い詰められていくのにちょっと複雑な気分になることはあり。

  • ★警部補は何かを掴んだようだ。(p.202)

    【感想】
    ・「コロンボ」の新作が欲しい人に向いていそうです。福家警部補の弱点や私生活がもっと見えてくると楽しいかな、と。

    【設定】
    ほぼ「コロンボ」で、倒叙系ミステリ短編集。道を極めた方々の犯罪を追跡する。

    【福家】警部補。女性。縁なし眼鏡。ショートカット。小柄。三十歳超。おっとりとして頼りなさそうでパッとせず油断を誘いがちな外観。頭の回転が速く言動が次々に切り替わってゆき犯人や周囲はなかなか追いつけない状態でしつこくじりじり真相へと近寄ってくる、犯人にとってはホラー的な刑事。完徹数日も平気なタフさも持つ。酒に強いことが判明。
    【二岡友成/におか・ともなり】機動鑑識班刑事。福家が来るまで誰にも現場を触れさせないよう目を光らせている。
    【板垣】昨年配属された機動捜査隊員。柔道の元国体選手で大きい。強度の下戸。
    【上司】福家がしつこく質問するときなどにときどき使う言い訳。「うちの上司は細かいもんで」とか。実際はどんな人物か不明。

    【内容】
    ・貴重な資料を保管している図書館のオーナーは父と異なりその価値を認めない男だった。
    ・大学で犯罪学を教えている男は五年前まで科警研科学捜査部主任だった。
    ・殺人を犯した女優は演技を続ける。
    ・よい酒をつくりたい男は営利しか頭にない男を敵とみなした。「別れのワイン」を思い出しました。

    【一行目】
     フロントガラスを叩く雨粒は、ますます大きくなっていた。

    ■簡単なメモ
    【天宮祥子/あまみや・さちこ】江波戸図書館館長。先代オーナーを尊敬し宏久が売却しようとしていたのを止めた。
    【池内国雄/いけうち・くにお】城北大学医学部教授。犯罪学の研究チームでカービングの研究をしていた。ヘビースモーカー。柳田に殺された。
    【石松和夫】捜査一課警部補。
    【市田珠子/いちだ・たまこ】江波戸図書館の事務員。死体の第一発見者。
    【今井圭造】腕のいい強盗犯。殺しはしない。
    【岩澤ゆかり】柿沼恵美の行きつけペットショップニノミヤのアルバイト。
    【江波戸康祐/えなみと・こうすけ】ミナト製紙創業者。江波戸図書館設立者。本を愛していた。故人。
    【江波戸宏久/えなみと・ひろひさ】江波戸図書館の現在のオーナー。売りたがっている。天宮祥子に殺された。
    【オッカムの剃刀】オッカムの言葉《実在物は必要以上に増殖されるべきではない。》p.81。乱暴な言い方をすると《物事は単純に見ろということだ》p.82
    【小野木マリ子】女優。柿沼恵美を殺す。
    【カービング】復顔術。
    【柿沼恵美/かきぬま・えみ】女優。四十七歳。デビュー作は「女怪盗六〇四」は福家も繰り返し観ていた。オーディションのライバル小野木マリのスキャンダルを探しだしおどす。
    【川本典明】城北大学の学生。池内に教わっていた。
    【熊本敏/くまもと・びん】熊本酒店の社長。谷元酒造の製品販売を打ち切った。
    【後藤三吉】段ボールハウス住人。今井や田所の知人。
    【小堀秀雄/こぼり・ひでお】ミナト製紙総務部。
    【鷺山良一/さぎやま・りょういち】闇金「ニコニコローン」社員か経営者か。威圧感がある。
    【佐藤一成/さとう・かずなり】「剛腕佐藤」と呼ばれる東京酒造組合副理事。五十一歳。佐藤酒造は機械頼りの粗悪品しか作っていない。谷元酒造を買収しようとして谷元吉郎に殺された。
    【城北大学】犯罪学の特別課程がある。
    【白石滋記/しらいし・しげき】バー「リッジ」勤務。アルバイトから始めて三年でようやくカウンターを任された。
    【須崎知彦/すざき・ともひこ】小野木マリ子のマネージャー。
    【外山菊男/そとやま・きくお】映画監督。
    【田所均/たどころ・ひとし】とあるマンションの住人。
    【田村拓郎/たむら・たくろう】谷元酒造の蔵人。
    【谷元吉郎/たにもと・よしお】谷元酒造の社長。採算よりも、よい酒を作りたいタイプで自他ともに対し厳しい。
    【月の雫】谷元酒造のつくる名酒。
    【筒井】城北大学心理学科教授。
    【津村栄吉】警察を退職して十年。ヒマだ。
    【手帳】福家は大事なときには手帳を取り出してメモを取る。記憶力よさそうやし必要ない気もするけどなんかの儀式かもしれない。
    【土井昭輔/どい・あきよし】柿沼恵美のマネージャー。
    【殿山大五郎】殿山書店店主。江波戸康祐を尊敬していたようだ。ランドール・コルスコ作品集の第七巻を入手し天宮に連絡してくれた。
    【中西友也/なかにし・ともや】谷元酒造の見習いだったがクビになった。
    【鍋谷五郎】全国八十店舗を展開する「リカーショップ ウェアハウス」の社長。
    【則武太郎/のりたけ・たろう】佐藤酒造の警備員。
    【畠山茂/はたけやま・しげる】カメラマン。
    【ピナクル】池内がすっていたたばこの銘柄。比較的珍しい。
    【右田謙三/みぎた・けんぞう】俳優。
    【柳田嘉文/やなぎだ・よしふみ】城北大学講師。通称「教授」。担当している「犯罪学総論」はとても人気が高い。五年前まで科警研科学捜査部主任。
    【吉野利香/よしの・りか】女優?
    【ランドール・コルスコ作品集】江波戸康祐が生前集めようとしていたが第七巻だけ手に入れられなかった。
    【リッジ】バー。ピナクルという銘柄のたばこを店の前の自販機に入れており、店にも置いている。

  • 今春読んだ降田天著『偽りの春』が気に入って、倒叙ミステリーを探り発掘した。それなりに地位を築いた人物たちが、彼らにとって決して失うことのできぬモノを守るために犯した殺人を福家警部補が明かす。なるほど『刑事コロンボ』を彷彿とさせる。でも、福浦警部補のキャラ設定はもうひとつに思えて残念だ。小柄な女性で、初対面ではおよそ捜査一課の警部補には見えないゆるキャラなのはいいんだけど、何か無駄がなさ過ぎる。いつも警察バッチを探すおとぼけはあっても、勤勉でかなりの自信家だ。コロンボはときに行き詰まり、市井で思いがけずヒントを得る人間臭さがあった。風貌においても、もっと強烈な個性が欲しい。続編があるので、そこんとこが強化されていくのかも。

  • 警部補に見えない、小柄な女性が鋭い観察力で事件を解決していく。

    福家警部補のキャラクターが薄いのか、あまり興味が惹かれなかった。

  • 刑事コロンボ、古畑任三郎の系統ですね。
    小説よりも映像の方がいいと思います。
    小説では福家警部補の個性が分かりずらいですね。
    テレビで見てみたいです。

  • 大好きなシリーズです。

  • 面白かった。シリーズ全部読もう。2つはテレビでも見た。

  • 檀れいを思い浮かべながら読んだが、主人公がイマイチ立っていない。コロンボネタもあったが、もう少し個性があるといいかも。続編での描写に期待。

  • (たぶん)西條奈加氏の本を読んだときの巻末広告に載っていて
    「面白そう」
    と、思ってリクエストをした。

    どことなく聞いたことがあるような気がする著者名やったのだけど、図書館の蔵書リストで検索して
    「ああー!」
    と。

    「オチケン!」の、著者やったか!
    それは、面白いわ。面白いに違いない。


    ・・・と、思って読み始めた。めちゃくちゃ面白かった。
    もちろん続編もリクエスト済みです。


    こういうバリバリのミステリは本の感想がなかなか書けないので(笑)、さらりと。

    私はミステリもやや苦手、海外ミステリなんて言語道断、なんやけど、さすがに
    「コロンボシリーズは読んでみようかな」
    と、思った・・・(笑)。

    倒叙ミステリなんて、初めて読んだ・・・。
    あれは、映像化して面白いんやと思ってたけど、そんなことないね! これは・・・。倒叙ミステリのファンになりそう。

    (だから、コロンボシリーズを読んでみようかなと・・・)


    それでも、この本もドラマ化すればいいのにー、と、思うけど、古畑任三郎がすでにあるので無理か。
    そしてコロンボシリーズを知らないため、どうしても
    「古畑みたい・・・」
    と、思ってしまうんやけど、古畑任三郎もコロンボの踏襲やもんな。すいません。

    でも、珍しくこの本は映像で想像しながら読んだよ。それは間違いなく古畑の影響だよね~。
    あれは演出もかなり面白かったけども。(最後は悪ノリしすぎやったと思うけど)

    どうでもいいけど、読み始めるまで福家警部補は男性かと思っていた。
    そこもコロンボおよび古畑の影響なのか。笑。


    ■■■■

    ■穿鏊


    ■■■■


    (2016.05.21)

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著者プロフィール

大倉崇裕(おおくら たかひろ)
1968年京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。97年、「三人目の幽霊」で第四回創元推理短編賞佳作を受賞。98年、「ツール&ストール」で第二十回小説推理新人賞を受賞。2001年、『三人目の幽霊』でデビュー。代表作である白戸修シリーズ、福家警部補シリーズ、警視庁いきもの係シリーズは、いずれのシリーズもTVドラマ化されている。

「2022年 『殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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