タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488012281

感想・レビュー・書評

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  •  ビストロ「パ・マル」(意味はわるくない)…シェフ三船さん、料理人志村さん、ソムリエ金子さん、ギャルソン高築くんの4人で賄っているフランス料理店。フランス料理店とはいえ、格式ばったお店ではなく、お客様の一見難しいと思われる要望にも応えてくれるあたたかな家庭的な雰囲気のお店、ストーリーはギャルソンの高築くんの視点から描かれている…。

     前に読んだ作品ががっつりフランス料理だったこともあって、ちゃんと想像できるか心配しながらの読書になりましたが、今回は読みやすいストーリーだったし、それぞれのお料理の説明もわかりやすく、それでもわからなければ調べようという気持ちになれました!三船シェフの提供する料理も素晴らしいけれど、「謎解き」がまたいいですねっ!ミステリというより「謎解き」かなって個人的には感じます。すごく大きな事件や事故の解明とかではなく、生活上でふっと気になること、どうしてだろう?と疑問に感じることを三船シェフが鮮やかに「謎解き」した結果、よかったんじゃないかなぁ~って思うところでエンディングなので、すごくいいです。短編が7作品あって、どれもよかったけれど「ぬけがらのカスレ」がお気に入りです。続編も楽しみです。

  • 無愛想な三舟シェフの謎解きが面白い。
    お客さんともあまり接していないのに、いつの間に観察して謎解きしているんだろう。
    料理にまつわる推理は、フランス料理の知識がない自分には全く無理。
    「ぬけがらのカスレ」が一番好みだった。

  • 下町商店街の片隅にあるフレンチ・レストラン〈ビストロ・パ・マル〉。
    カウンター7席、テーブル席5つで従業員4人という小ささながら、予約はほぼいつも埋まっているという。
    料理の味、スタッフのサービスの良さ、店全体の居心地の良さから、この店の評判がいいのがよく分かる。
    無口な三舟シェフと料理人・志村さんの作るこだわりの料理の数々、ソムリエ・金子さんの選ぶワイン、ギャルソン・高築くんの客席への気配り。
    こじんまりとしていて家庭的な温かさのあるこの店は、とても好きなタイプの店ですぐにでも行きたくなった。もう随分と外食してないし。。

    あー、三舟シェフの作るタルト・タタンが食べたい。あとフロマージュ。シェフの薀蓄を聞きながら美味しいワインと一緒に食べれたら最高だろうな。スパイスとフルーツの香りを利かせたシェフ特製のヴァン・ショー(ワインのお湯割り)も是非飲みたいし、寒い夜にはカスレに限る。
    そして軽い謎解きがいいスパイスとなって物語を盛り上げる。
    話のテンポもいいし自慢の料理もワインもいいこのシリーズの常連になりたくなった。

  • ビストロ・パ・マル、カウンターが7席、テーブルが5つという小さなフランス料理のレストラン
    「パ・マル」とは、フランス語で「悪くない」という意味だそうな
    名前通り悪くない、というよりむしろ良い、ステキなレストランだ

    フランス料理のフルコースなどという肩の凝りそうな気取ったレストランではなくおばあちゃんが作ってくれたような家庭料理がメイン

    おしゃれな雰囲気の話だなと思って読み始めたが、フランス料理の横文字には閉口してしまった
    何のことかさっぱりわからない

    考えればフランス料理なんて友達とのランチでは行かないし、結婚式の時ぐらいかも
    デセールがデザートのことだとはわかったが・・・
    シリーズを読み進めていったら、ちょっとはフランス料理にまつわるいろんなものの名称が分かるようになるかな

    私のお気に入りは、最後の「割り切れないチョコレート」
    変わった個数の箱入りチョコレートは
    『私はいいから、あんたたちで食べなさい』といっていつも子供優先に食べさせてくれたお母さんへの熱い思いが込められていた
    ほろりとさせられた

  • ずっと気になっていた本でしたが、ようやく読みました。
    まずはフランス料理を食べたい。

    こじんまりした場所は人間関係が密になるけど、ここは程よい距離感があっていい感じ。

    「ぬけがらのカスレ」「割り切れないチョコレート」が好きかな。

    • tuki1304さん
      フォロー&コメントありがとうございます
      この作品、シリーズですよ
      フォロー&コメントありがとうございます
      この作品、シリーズですよ
      2018/05/25
    • ねるねる (旧shaadi)さん
      こちらこそ、ありがとうございますー
      2作目までは読んだのですが、3作目も楽しみにしてます!
      こちらこそ、ありがとうございますー
      2作目までは読んだのですが、3作目も楽しみにしてます!
      2018/05/26
  • 「グレーテルのかまど」のタルトタタンが食べたくて仕方がない。
    けど、自分では作れず、またこの本を読んで食べたくなってる。

    最初の2編の登場人物に共感できず、フランス料理の横文字も、ああ困ったなと読み進める。
    ああよかった、3作目からはホッとする。オッソ・イラティなんてわかる!わかるー!せつないわー!と奥さん側の気持ちに。

    それにしても美味しそう。
    フランス料理って結婚式くらいでしか食べる機会もなくて、どちらかというと苦手。
    でもこの本の料理は香ってくる。美味しそう。甘いものそんなに好きじゃないけれど、デセールまでガッツリたべたい。
    近くにないの?こういうお店ー!と悶える。
    なによりヴァン・ショーをお願いしたい。一日の締めに。

    カウンターが7席、テーブルが5つ。
    従業員は4人のビストロ・パ・マル。
    突然あらわれるお客さんの陰りにフンワリと応えるミフネシェフ。
    若かりし志村さんの消えたフェーブの謎が可愛い。
    平目のバターソースにシャトー・マルゴー。試したくなるね。

    • vilureefさん
      こんにちは。

      >「グレーテルのかまど」のタルトタタン
      これ、美味しそうでしたね(*^_^*)
      おばあちゃんのレシピがお孫さんにしっ...
      こんにちは。

      >「グレーテルのかまど」のタルトタタン
      これ、美味しそうでしたね(*^_^*)
      おばあちゃんのレシピがお孫さんにしっかりと受け継がれているのが素敵でした。
      いつか食べに行きたいです。

      2014/08/28
    • shuwachoさん
      しっかり受け継がれてましたねー。
      とても素敵でした。
      物語があるタルト・タタンでした。
      砂糖もバターも恐ろしい量でしたが、あれは一度食...
      しっかり受け継がれてましたねー。
      とても素敵でした。
      物語があるタルト・タタンでした。
      砂糖もバターも恐ろしい量でしたが、あれは一度食べなくてはいけないですね^^。
      2014/08/29
  • フランス料理の店で起きるささやかな事件。
    ビストロ・パ・マルは、下町の片隅にあるカウンター7席テーブル5という小さなお店だが味自慢!
    料理長の三船はフランスで10年以上修行して、サムライとあだ名されていた。
    料理人の志村、ソムリエの金子ゆき、ギャルソンは僕こと高築智行だけ。
    豚足とレンズ豆の煮込み、シュークルート、ブイヤベースなど気どらない料理が主で、パティシエはいないのでデザートはよそからも仕込み、料理長も作る。
    常連の西田が婚約者と食事をした後に体調を崩したというそのわけは?
    デザートのタルトタタンから料理長が謎を解く。
    好き嫌いの多いお客とその愛人の顛末は?
    志村とその妻で歌手の麻美のフランス時代の思い出、ガレット・デ・ロワなど。
    妻がフランスから買ってきたジャムを人にあげたら、妻が出て行ってしまったという、それほど怒った理由は?等々。
    こういうのは、すごく楽しいですね〜。
    2007年10月発行。

  • 以前テレビで放映されていたフランス料理+推理物。テレビでも面白かったが、原作も面白く且つ味わい深い。

  • ドラマになりそうなお話って思ったらうでに西島さんでドラマ化されてた!
    ご飯系とミステリーが絡むとなんて面白いんだろう。
    普段聞き慣れないフランス料理の名前が出てきては調べて、すごく今ビストロに行きたい!
    デザートだけでも食べに行きたいな。

  • フレンチレストラン「パ・マル」を訪れるお客様にまつわる小さな謎を、シェフが解き明かしていく、いわゆる「日常の謎」もの。「和菓子のアン」「モップの精は旅に出る」など、最近、この手が続いているが、飽きることなく、すんなり読めた。1編1編がとても短く、とても読みやすい。そして、何より、名前を聞いただけでは、何のことかさっぱり分からないフランス料理の描写が、とっても絶妙!お腹が減る1冊。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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